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マカピーな日々 #0049 君の名は「バックパッカー」

マカピーです。

カルカッタで軽い詐欺に遭ってしょぼくれましたがハウラー駅から列車に乗ってハイダラーバードに向かいました。

駅のホームで長距離列車に乗るので貰ったベッドシーツにくるまっていたのですが、二人連れの日本女性に見つけられて声をかけられました。

「すみません。彼女が○○へ行くので一緒に行ってもらえませんか?」「そりゃかまいませんけど、彼女は女性専用コンパートメントでしょう?面倒見ることできませんよ」「そうですけど、何かあったら助けを求められるじゃあないですか!」「はあ、それでいいのなら構いません。私はこの座席です」とチケットを見せました。「じゃあ、これどうぞ」と渡されたのはリンゴの入った袋でした。お駄賃?

つまりインド旅行の新人の女の子を同じく新人に預けたわけです。特に何があるわけでもなく翌日○○駅に到着すると、私は彼女と一緒に海に近い安宿に泊まりました。昨晩同伴した女性とは反対に無口な女性だったのですが、そこでお役目終了したので、その後彼女の事を忘れていました。

ところが、その後3か月ほどしてニューデリーの日本大使館に何か情報がないかと出かけたときに偶然彼女に会ったのです。というよりも道路の向こうから歩いてくる彼女の姿を認めたのはマカピーのほうで彼女自身は二人の男性バックパッカーと一緒に世間話をしていたのでおそらくこちらには気が付かなかったと思います。

その時何よりマカピーがびっくりしたのは、彼女の印象がガラリと変わっていたことです。いかにも「わたしバックパッカーです」的な地元服の着こなしでLove & Peaceとでも言いたいような雰囲気だったのです。彼女の両脇の日本人男性も同じような感じでした。

安宿に泊まっていると日本人バックパッカーとも会いますが、どうも一様に汚い感じがするのでした。長旅で服装がよれよれになっているのは仕方ないにしても、清潔感がないのです。なぜかしら「中途半端なヒッピー」とでもいうか日本人だと同じパターンになりやすいのです。それに男性だと日焼けにひげ面、それで煮しまったような垢じみたダウンベストを素肌にまとっていればどうしても近づきがたい「うさん臭さ」がプンプン。

そこへ行くと白人の没入感覚は違いましたね。ハーレクリシュナではないですがいきなり剃髪してオレンジ色の僧衣をまとったりしているんですから。そうでなければ、普通に欧米人の若者らしい格好をしていました。兵役を終えたイスラエル人の若者にもよく出会いましたが「若者らしい」同じ印象でした。

安宿で中国からチベット、ネパールを通ってインドに入ってきたような「ツワモノ」バックパッカーの談義には新人バックパッカーは手ほどきを受けているケースもあるようでした。一番多いのが「ガンジャ」や「ハシシ」といわれる大麻のイニシエーションをやってラりっているのでした。夜遅く素っ頓狂な声を上げている新人君を連れて帰ってくる姿などにも出会いました。

「朱に交われば紅くなる」で新人君が師匠と同じ格好になるには時間がかかりません。日本ではご禁制の麻薬関係に手を出して没入してしまい、挙句の果ては日本の旅券を破り捨ててしまうバックパッカーもいました。

マカピーはそうした退廃的なグループとは距離を置いて基本的には一人旅を続けていました。毎日のように洗濯もやって襟のあるカッターシャツなどを着ていました。時々他のバックパッカーから「どのくらい旅しているの?」と尋ねられましたが「もう3か月くらいかな」などと答えると「あら、日本から来たばかりの人だと思ったわ」などと言われました。

バックパッカーの旅の服装や態度についてそれがよかったのかどうなのか、今でもよくわかりません。ただ人に嫌な印象を与えるべきではないと思っていました。それに例のシーツをくれた女性は旅行前にマカピーにこういったのでした。

「長旅でも必ず白い襟のあるシャツを一つ持ちなさい。許可書を貰いに役所に行くときはそれを着てゆくの。印象って大切なのよ。日本の成田空港だって同じ、容姿からつまらぬ嫌疑をかけられぬようするの」

マカピーは今でもその言葉を守っています。

ちなみに彼女は今マカピーの奥さんです。笑



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