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This is an apple. マカピーな日々#0148

マカピーです。

マカピーは学生のころアメリカのアイオワ州で1年間酪農実習していたことがあります。その農場に一本のリンゴの木がありました。

やけに乾燥した4月のある日、マカピーはサンフランシスコから2泊3日車中泊のグレイハウンドバスの旅をおえてアイオワ州ケオクック郡にある小さな農村の実習生として迎えられました。

マカピーは一生懸命食べました。

その朝食にのぼるのはトースト5枚、フライドエッグ3個、ベーコン5本、オレンジジュース、ミルク、コーヒー、ドーナッツ2個そしてコッテージチーズにアップルソースとかなりのボリユームでした。

仕事は朝の5時からの搾乳(Milking)が終わるのが7時過ぎですからお腹が減っていたんです。それでも食べ過ぎで太りましたけど。苦笑

朝食後は少しゴロゴロした後で戸外に仕事に出ます。

トラクターを使って牛舎内の清掃、給餌、放牧地の電牧(牛が逃げ出さないように通電させた牧柵)の修理に作付けしたトウモロコシと大豆畑の管理と休む暇はありません。そして午後の搾乳を終えると夕食です。

マカピーは無知だったので昼食の事はLunchで夕食をDinnerと呼ぶものと思っていましたが、アイオワでは昼食をDinnerと呼び夕食の事をSupperとしていました。

おそらくバプティスト教会で日曜学校の先生をしていたノーマジーンのことですから聖書にのっとって昼にディナー(正餐 (せいさん) )をとり、夕食は軽い夕飯としてSupperとしたのかも知れません。

8月になるとホストマザーであるノーマジーンが作ったキッチンガーデンにできたメロンを食べたり、初めて見るルバーブでつくったパイ、沢山収穫したインゲンを冬場の貯蔵食料としてジャーにビン詰め作業をするのも手伝いました。

秋の気配が漂うころリンゴの木に実がなり、それを高所作業車よろしくトラクターのローダー(ブルドーザーのようにすくい取れる大きなバケット)に乗って収穫するのです。

ノーマジーンはそれでアップルソースを作ってこちらはタッパーウェアに詰めてベースメント(地下室)のディープフリーザーにいれました。

朝食にコッテージチーズと一緒に食べるアップルソースはこうしてつられているのだと分かったら更に大好物となりました。

マカピーはノーマジーンのレシピーでチョコレートチップスのクッキーとピーカンパイが大好きでした。

いまでも米国人の友達のアイリスのところへ行くと、マカピーの好物だと知って必ずピーカンパイを作ってくれるのはアイオワ州でのことを話したからでした。

マカピーは1年経ってお世話になった農場を離れる日にノーマジーンは沢山のチョコレートチップスのクッキーを焼いて持たせてくれました。

アイオワからアムトラック(鉄道)でシカゴへ向かう間に、そのクッキーをいくつかほおばると一年の農場の生活が思い出されて涙が出てきて困りました。

時々クッキーやパイを食べるのですが、ディープフリーザーから取り出したアップルソースをザクザク取り出してそこにコッテージチーズを混ぜて食べたことはありません。

もうノーマジーンもロバートも亡くなってしまいあの農場は現在跡を引き継いだロブが経営しているでしょう。

ロブは4人兄弟の末っ子でマカピーが世話になった年に高校を卒業したばかりでした。上の3人の兄は獣医、酪農家、獣医でロブも賢かったですが跡を継ぐのでした。

今アイオワの農場を訪ねたらどうだろう?

いやいやコーンやソヤビーンの収穫が終わった農閑期の方がいいだろうな。

あのアップルソースは食卓に上っているのかなあ?

時々アメリカでの生活が懐かしくなるマカピーでした。


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