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フンゴタネル。 マカピーな日々#0079

マカピーです。

どこもかしこも雨だらけ、今年の梅雨は強力であちこちで災害を引き起こしています。どうぞ気を付けて過ごしいましょう。

ぬかるんだ泥の中でもがく様子を上州弁で「フンゴタネル」というのを思い出しました。田植えのシーズンそして雨季では使用頻度が増える言葉だったと思いますが、はたしてそんな言葉が現代にも残っているのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染が続くので非常事態宣言が取り消されてしばらくたつのに地方都市に出かけるのさえはばかれるような雰囲気がある今日この頃。マカピーも郷里に行きたいのですが首都圏近くに住んでいるのでどうも二の足を踏んでしまいます。

ベトナムに滞在したときに、群馬県から物産をベトナムに売り込みたいという県職の方が見えました。その方自身は水戸(茨城県)出身なのですが「栃木や茨城には絶対負けませんから!」とおっしゃっていました。

マカピーは最初、彼女が何を言っているのか理解できませんでしたが、どうやら北関東3県間で競い合っている様子なのです。

日本に帰って来てテレビで「県民ショー」とかを見ると、やはりどうもこの3件が全国ワースト県と言われているらしいともわかりました。

加えて、映画「翔んで埼玉」を見ると不人気どころか、「秘境」扱いされていました。

おそらく県職もうけを狙ったのでしょうけど、なんだか子供っぽいなあと思ったのでした。そんなのどうでもよくない?

~故郷の 訛り懐かし 停車場の 人ごみの中に そを聴きに行く~ 

石川啄木のうたがありますよね、マカピーはまだ学生の頃上野駅経由で群馬に帰省する事にしたのですが、あの長ーいホームの端っこでおろおろしているおばあちゃんがいました。

普段であれば通り過ぎるところ、気になって声を掛けました。「なにかお探しですか?」返事を聞いても東北地方の訛りがつよくて判りづらいのですが、どうやら「自分の娘が迎えに来ているはずなのだが、どうも見当たらないのだ」と大きな包みを持って途方に暮れていたらしいのです。

おばあちゃんは気を許したのかマカピーに「もしかしたら、列車から降りたあたりで娘が待っているかもしれないけれど、荷物が重くて見に行くことができない」と言うのです。

「わかりました、そうしたら私がこの荷物を見ていますから娘さんを探してきてください」おばあちゃんは嬉しそうにしたのですが次にこう尋ねました。

「だけど、わたしはあなたの事を信用していいのかなあ?」もっともな話です。「わたしは群馬に帰る所ですが、まだ列車の出発まで時間があるので大丈夫です。持ち逃げするつもりはありませんから、信用してもらうしかありませんね」と笑うと「じゃあ、よろしくお願いします」と出かけて行きました。

15分ほどしておばあちゃんが娘さんらしき人と二人で現れました。「母が大変お世話になりました」「いえいえ。時間があったものですから。お会いできてよかったですね」おばあちゃんに顔の作りがよく似た娘さんには訛りがありませんでした。もちろんマカピーも上州弁で話していませんでしたけど。苦笑

マカピーは思います。「小さな親切大きなお世話」かも知れませんがちょっと声掛け出来たら、助かる事って世の中に沢山あって助かる事がなかったのかって。

フンゴタネルと言っていた父が亡くなってちょうど一年。マカピーたちが標準語を覚えられなくなるのを心配した母が「やめておくれ」と言うほど上州弁を使う達人でした。

オノマトペで表現が豊かな地方の言葉はやっぱり大切にしたいです。ちなみに「医療人のための群馬弁講座」の検定試験でマカピーは全問正解だったので、立派な上州人でしょう。父のおかげです。

「なからのあめだったんべ。田んぼ道がフンゴタネテおおごとだったんさ」(ひどい雨でしたね。田んぼの道がドロドロで大変だったんだよ)

とまあ、こんな感じでしょうか?

マカピーでした。




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