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オカバンゴ! マカピーな日々#0074

マカピーです。

ニュースにアフリカ南部のボツワナのオカバンゴ国立公園で350頭のゾウの死体が発見されたとありました。

そもそも「オカバンゴ」を知ったのはNational Geographic Magazineのカレンダーになんとも不思議な光景があり心に焼き付いたのです。

それは湿地帯に島のような森がありその中に宿泊施設があったのです。

「いつか、ここに行ってみたい!」そう思いました。

そのチャンスが訪れたのはザンビアに仕事で滞在していた時で、ボツワナにいる友人が「オカバンゴへ行ったらメチャ楽しめたよ!」と連絡してくれたのでした。「オカバンゴ?  おお、あのオカバンゴってお隣の国にあったんだ!」

なんとも無知で恥ずかしいのですが、マカピーはオカバンゴがどんなところなのか知らなかったのです。

オカバンゴとは河川が地殻変動で海に向かわず、内陸部の砂漠に消えてゆく大きなデルタ地帯で、世界でも例を見ない光景が広がっているのでした。

そこはアフリカの野生動物の楽園の一つで、管理もいい場所です。カレンダーにあったようなロッジが100以上点在していています。

問題は費用が高いことです。日本からだと最低でも楽に50万円くらいかかってしまうようです。ロッジも一泊5万円くらいしたかも。マカピーがオカバンゴに行ったのはもう7年ほど前の事でしたが、ザンビアからの行けたのでお得だったのです。

ボツワナの首都ハボロネの友人の所へ立ち寄って、次にオカバンゴに近いマウンに行きます。そこからセスナ機のような小さなフライトになります。

次第に見えてきた緑の湿原。上空からキリンやゾウなどがきらきら光る湿地帯を列をなしてゆくのが見えるのです。また同じ目の高さに大きな水鳥が隊列を作って飛ぶさまはまさに夢のような光景でした。

最後はエア・ストリップと呼ばれる簡易滑走路が点在しているのでそこへ降りるのですが、着陸態勢から一気に上昇するゴーアラウンドというのをやってくれるので、胃が飛び出しそうになりました。

これは、野生動物がエア・ストリップ近くにいて運悪く衝突するのを防ぐために驚かせるのですが、乗客のマカピーの方が驚きました。

マカピーと奥さんとその荷物を降ろすと、今度は二人が乗り込んで機体はまた空に戻ってゆきました。どうやら機体は乗り合いタクシーのようにいろいろなロッジをめぐってはお客さんの乗り降りのサービスをしていたのでした。

迎えに来たジープ乗り込んでロッジに付くとマネージャーの説明があり、マカピーたちはテントに案内されました。

ハネムーン用のテントでした!テントいうのは国立公園内でコンクリート基礎を持つような施設の建設が認められていないので、木のデッキを作りその上にテントを張るのですが、豪華!スイートなんです。

デッキの入り口にもテーブルとチェアがあり、ここに滞在する間は管理棟内にある冷蔵庫の飲み物がすべて飲み放題なのでワインボトルを持ってきてここで飲みました。

テントには前室があり次がキングサイズベッドがありその後ろにバスルームそしてさらにその後方にシャワー室があるのです。

何が新婚さん用なのかと思ったら、外のデッキに延長の橋があり森の中にもう一つのバスタブがあるんです!

このテントはテントの列の一番はずれ、でしかも隣のテントとは50メートル?ほど離れているので誰も邪魔する人はいません。どんな大声を上げても大丈夫?

でも、マカピーは案内されたときにちょっと不安になり聞きました。「野生動物が近くに来たらどうするんですか?」「おとなしくしていれば大丈夫です」「ここは携帯電話が使えないし、部屋にも電話がないのですけど」「オカバンゴへようこそ!」「え?」「引き出しにこれがあります!」

スプレーです。「これを押すと音がします」「で?」「たいがいの動物はおどろいて逃げます!」「なるほど。ほかに?」「あとは動物たちが立ち去るまで待っていてください」「それだけ?」

「ああ、もう一つ言い忘れました。夜は決して外へ出ないでください」「なぜ?」「先日も夕食を終えたゲストを車で送ろうといったのですが、彼らは自分たちのテントが近くだからと徒歩で行ってしまったのです」「そしたら?」「あわててこちらも車で後を追うと二人の背後をヒョウがぴったりとつけていたんです」

「ぎゃー、絶対出ません!」スタッフはニヤリとしていました。

ところが帰る日の朝、マカピーの奥さんが「なにか、外にいるんだけど?」というのです。確かにテントのキャンバス越しに何かうごめくものを感じます。抜き足差し足で外にでてみると十数頭のゾウがテントを取り囲んで朝食をしているのでした。

もちろん静かに、ムシャムシャと木の枝を長い鼻で手繰り寄せて食べているのですが、こんなに多くの野生のゾウに取り囲まれたことは初めてです。

だんだん朝日が昇り、だんだんゾウの数も減っていったと思ったら次の団体さんが来ました。なんとあの新婚さんようバスタブをかすめるようにやってくるではないですか! 

そうか日中ルンルン気分でバスタブに浸かっているときにゾウの群れに囲まれて、ついでにトランク(象の鼻)で浴槽内の水を吸い取られたりしたらパニックになるに違いない!と想像してしまいました。

結局最後のゾウが立ち去るまで3時間ほどかかり、周囲にはどでかいゾウの糞が落ちていました。それをまたぎながら中央管理棟まで歩いて行き最後の朝食をとったのでした。

今回のニュースから考えたのですが、象牙目的の密漁の仕業でないとしたら何かの伝染病が発生したのでしょうか?隣のザンビアでは数年おきに炭疽病が発生して多くの野生動物が死んでいるのを思いだしました。

はるかなるオカバンゴがいつまでも野生の楽園であることを願います。

マカピーでした。



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