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マカピーな日々 #0046 光る田んぼ

マカピーです。

4年前に亡くなった従姉がある日こんなことを言っていたのでした。「そりゃあ、私もびっくりしたよ。だって田んぼがうわー!って光ってんだもの」

いったい何の話からその話題になったのかわか覚えていませんが、彼女は不思議な光景だったので覚えていたのだそうです。それはある夏の朝田んぼに出てみると、朝陽に照らされた稲の葉っぱの先の水玉が一斉に黄金色に輝いたので、一瞬のことながら鳥肌が立ったのだそうです。でもそれ以来何度も早起きして田んぼを見回るけれども二度と同じ光景にお目にかかれなかったとも。

マカピーはどうもその話が頭から離れず、夏の朝に田んぼ近くを朝散歩するたびに彼女の声が聞こえてくるのでした。「今朝はどうかな?よーく見るんだよ。それは一瞬の出来事だからね」

マカピーは別のことも考えました。なぜ神々しく田んぼの面が光ったのか考えると、まだ稲が大きくなっておらず水面が見えてそこに朝陽が反射したということも考えられます。確かに毎朝稲の葉先には小さな水の球がついています。水玉はやがて蒸発して消えてしまうのですがそこに朝陽が反射して黄金に輝く事はあり得るのかしら?やはり彼女は寝ぼけていたのではないかなあ?

そんなある日の事です。耕した畑に一斉に雑草の芽吹きがあって、その新芽には昨晩の雨が残っていて大きな水滴を付けているので、畑の表面全体が白くボンヤリしているように見えたのでした。

「???!!!」あれれ、もしかして従姉はこんな感じで準備が整ったところに出くわしたのではないかしら?マカピーはしばらくそこにたたずんでじっと朝陽が畑を照らすのを待ちました。

おお!朝陽が当たった淡い緑の畑は一瞬シルバーに輝いたように見えました。でもそれは黄金ではなく期待していたのとは違いました。

毎朝、季節が巡る中をほぼ同じコースを4kmほど散歩していますが道すがらの植物たちは毎日その表情を変え、小さな芽吹きから大きく育ちやがて花を咲かせ、実を付け、枯れてゆくプロセスが繰り返されます。

たまたまスマホが充電できていなくて写真が撮れないときに限ってシャッターチャンスがやってくるものですね。翌日に同じ植物に出会うと昨日の表情ではなくなっていて、残念に思う事があります。

植物だけではありません人間も大きく輝く時がありますよね。ダークホースだったり、シンデレラボーイだったり・・・・。人生で光り輝く瞬間はちょうどあの黄金に輝く田んぼのようなものかもしれません。

人生のステージでは輝かしい時期もあるしそうでないときもあります。それでもひたすらに一生懸命その命を生きる事が大切だなあと思うのです。

もしかしたら今日巨大地震が起るかもしれない、ヘリコプターが墜落してくるかもしれない、新型コロナウイルスに感染するかもしれない。だから何もせずにボーっとしているのではなく、しっかりと体と頭を動かしたいですね。

もしかしたら明日こそは輝く田んぼにお目にかかることになるかも知れません。だからマカピーは自分の人生を楽しみたいと思います。

マカピーでした。

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