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雨中を駆けたら。 マカピーな日々#0174

マカピーです。

台風12号の影響で雨が降ったりやんだりする中、「まだ大丈夫かなあ?」と疑心暗鬼で漕ぎ出した自転車。

しばらく行くと運悪く雨が降り出してしまいました。霧雨だったので家に戻ると衣類は前面だけがジットリとして「水もしたたるいい男」の一丁上がり!ヤレヤレ。

久々に雨に濡れ、乾いたタオルで体をふいていると更に本格的な横殴りの雨となりました。窓をしめながら「おお、マカピーはこの程度の濡れだったんだから、ラッキーだね」とポジティブに思ったのでした(笑)

さて、窓ガラスを伝っては落ちる強い雨脚を見ながら、かつて「雨水を飲んでいたころ」を思い出しました。

青年海外協力隊(JOCV)でマレーシアのボルネオ島に派遣されたのですが、そこにはまだ電気も水道も引かれていませんでした。それは明白な理由がありました。料金が回収できない少数民族の村だったからで村の近くで電線も水道管埋設も中断されていました。(さすがに、今は電気も水道も供給されていると思います)

マカピーはホンダの50㏄バイクがあったのでKudatというサバ州最北端の港町まで仕事や買い物に出かけることがありました。時には途中でスコール(驟雨)にやられることありずぶ濡れになるのですが、沿道に家がほとんどなく空き地に置いてある大きなヒューム管の中で小降りになるまで雨宿りすることがありました。

さて、その村の長屋からほど近いくぼ地には深さが5-6mの井戸がありました。ここで水くみ、洗濯、水浴びを行うのですが排水も悪く汚水が井戸に戻ってしまう可能性がありました。そこで村人と相談して、共同井戸の周囲を清掃し、排水溝をつくり日差しが強い中でも女性たちが洗濯できるように日よけのニッパヤシの屋根をつけたり整備しました。

マカピーたちも、夕方になるとその井戸端に出かけひもの付いたバケツを入れて水をくみ上げてもう一つのバケツに水をとり、その一杯で体を洗い汚れた洗濯物をして家に戻る生活をしていました。(なんとレトロな生活なんでしょう!!!)

飲み水は家の屋根の樋からタンクに水がたまるようにできていて、飲料水用、調理用に大事に使っていました。もちろん飲むためには湯沸かしをして更にキャンドル・フィルターを通した水を貯えるという面倒な作業がありました。

ところが、乾季が訪れると井戸の水位がどんどん低下してしまい5mほどの浅井戸の底が見えるほどになってしまいます。

飲料水として使っている村人もいるので、水がたまるまで水浴びもできない日が続くこともありました。

こんな時にスコールがあると、走って屋根の樋の下に行って溢れ滝のように落ちる水でシャンプーをして洗濯をしていると突然からりと晴れ上がったりすることもありました。

それでもマカピーたちにはタンクがあり、いざとなれば車でどこかへ出かけることもできました。

貧しいはずの村人たちですが、彼らからはマカピーたちに対して決して「あれをくれ、これをくれ」などと言ってくることはありませんでした。

「車を出してくれ」と言われたのは数度ありましたが、「死んだ子供のお棺を作るので」とか「急患だから頼む」というていどで、本当に礼儀正しい節操のある人たちでした。(それでも酔っぱらうと別キャラになるのは日本でも同じです)

そんな中でソ連(現ロシア)の共和国で原発事故が発生します。

チェルノブイリ原発事故です。その放射能は直ぐに全世界を覆い雨の中にも含まれてるので飲まないように連絡が来ました。

でもマカピーたちには、放射能が含まれている雨水しかなかったんです。

マカピーはおそらく汚染されていた?雨水を飲み続けながら思いました。

ベトナム戦争のころ猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤がジャングルにまかれ沢山の奇形児が生まれたとされています。実は枯葉剤のドラム缶も捨てられていて、住民がそれを水くみタンクに利用していたので、健康被害がひどくなったというニュースと共通していないかってこと。

それまでもマカピーたちは「俺たちは村人たちと違うんだ」と割り切ってぜいたく?な生活を見せびらかすような行動は控えていたので、いまさら湧き水のある所へ車で出かけポリタンクに入れて戻ってくるなどの手段はとらなかったのです。

第一そんなことできなかった。だって多くの村人は無防備に近い生活していたのですから。

しかし、程度の差こそあれ世界規模での放射能汚染では一体どこに安全な水源があるというのでしょう?汚染された大気中の放射能は幾年も経って地下水に流れ込むことでしょう。

福島第一原発事故で同じような思いをしている人、環境の安全から取り残されている人々が世界中にいるのがマレイシアでの生活から分かったのでした。

マカピーでした。

ここまでお読みいただきまして、本当にありがとうございました。もっといい文章が書けるように頑張ります。


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