炭焼きの息子の夢 マカピーな日々#0336
マカピーです。
一昨年亡くなったマカピーの父は若いころ炭焼きをしていたそうです。
「へー、カッコいいじゃん?」 今だったらそう言う人もありかな。
戦中派と呼ばれる父たちの世代は、都会でなかったから電気も十分に行き渡らず、プロパンガス利用もなく燃料と言えば「薪炭(しんたん)」、つまりは焚き木と炭だったんですね。
石炭の粉を粘土に混ぜて成型した「練炭」というのもありましたが、それもかなりモダンな製品だったと思います。
一般の人は薪や炭を購入して炊事を行っていたんです。農家は自宅の屋敷森から出る木々の枝葉などを利用していましたし、「里山」と言われる場所では永続的に薪炭生産をするクヌギなどの樹を再生させていたのです。
この山里の森は下草がないので見通しが良く、野生動物との境界線を形成していたのですが最近では限界集落が多くなる中、山里の手入れが行き届かなくなり荒れてしまう現象が起きています。
荒れるというのは、道路際にマント植物と呼ばれるツタやクズなどが茂り鬱蒼とした状態となり、野生動物にとって格好の隠れ場所となるのです。
つまり里山が荒れると民家と野生動物の距離が近くなりニアミスも起こるわけです。
最近はクマ、イノシシ、サルの被害や襲われる事故が多発している理由はこうした背景があるといわれています。
マカピーの弟(自然系イラストレーター)が調査の仕事で観察用の無人ビデオレコーダーの記録を見て衝撃だったのは、ある地方都市の周辺部のクマの出没頻度だったそうです。
日中に出くわさないだけで、相当数のクマたちが人間の生活圏内を闊歩している実態があるそうですから、皆さんも気をつけてください。
さて、お話を炭に戻します。炭を焼くには堅い材質の樹が必要です。ほら「備長炭」とかいうでしょう。材料はウバメガシという硬い樹なんですよ。
クヌギなどでも炭は焼けますが、堅い樹はその成長が遅いのです。桐のような成長の早い樹で炭を焼くとあっという間に灰になってしまうのです。
だからアフリカでも森をつくる貴重な樹が木炭生産のためにどんどん伐採され消えています。
勿論、自然保護の法律があり野生動物だけでなく植物伐採にも罰則があるのですが、依然として違法伐採が続いています。
マカピーも過去に投稿した記事でアフリカのゲームミート(野生動物の肉)を密猟する村人たちの事を書きましたが、誰もが違法だって知ってます。
重罪となる事も承知で、そのリスクの中で生きている人が沢山いるんです。
だって、彼らには守らなくてはならない家族がいるんです。
近年の持続的成長(Sustainable Development)というトレンドは、「サステーナブル」という概念を世に広く知らしめました。
でもいくら「だれも取りこぼさない開発」を政府や自治体がポスターで伝えても、そのメッセージは人々には届かないんです。
母なる自然への負荷を少なくして、自然と共生する社会をつくる適正技術が求められるのはこうした理由からなのです。
例えば、日本の伝統的な水田開発のような持続性の中で生きて行ける技術の提供が必要なのです。
いっぺんに機械化しなくていいのです、身丈にあった日本古来からの技術ってエコだし英知の詰まったもので「温かみ」に溢れたものを生産していたんです。
炭焼きの息子はそんな技術の橋渡しがしたいと考えています。
マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。日本でも放棄地にも侵出して問題を起こす竹の再利用開発なども大切ですね。
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