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農業Week第2日目!マカピーな日々#0191

マカピーです。

昨日に続いて農業Weekへ行ってきました。今日の幕張メッセのある千葉県では雨が降っていて駅から会場まで濡れてしまいました。

今日のセミナーを二つ受講しました。

一つは植物工場にかんするもの。

そしてもう一つが『「世界の農業の頭脳を創る」ファームノートが描く、酪農・畜産の未来』でした。マカピーの関心はこのファームノートにありました。


実はこのFarmnoteという会社の事を初めて耳にしたのはこの会社に出資している総合商社の元社員からでした。

昨今「IT化」はどこでも当たり前の風潮です。昨日報告した「食べチョク」などもノウハウを持った事業を展開していますし、今回の農業Week会場にある展示説明のブースに出店している企業の多くが取り組んでいることでもあります。

アマゾンや楽天でひとたび商品を選ぶ行動をとっただけで、マカピーの趣向が分かり、この商品を買った他の人はこんなものも同時に買ってますよ!的な提案をしてきます。

つまり、コンピュータが世界中の顧客からのビッグデータを処理してマカピーの次の欲しいものを提言するようになっているんですね。

そしてそうしたアルゴリズムを作るために多くの例(データ)が求められることになります。

今回のFarmnoteも日本の酪農家4500、そして43万頭のデータを持ち、酪農の牛群管理に威力を発揮したのでした。(創業8年にして日本の11.6%のシェアを誇っています)

そこでなぜ牛群管理などという堅苦しい用語が出てきたのかと言いますと、酪農家が飼育している乳牛の管理をITを駆使してやってみたらどうなったという話です。

スーパーに並ぶ牛乳がどのように生産されるかご存じですか?

そうです、牛は生まれた赤ちゃん牛を育てるためにミルクを出します。

でもそのお乳をインターセプト(横取り)して利用しているのが人間で、その農業を酪農と言います(笑)

ですから、妊娠させて子牛を生むと母牛はどんどんおっぱいを出します。でもある時期ピークを迎えるとだんだんお乳の量が減ってきます。

そこでまた妊娠させて・・・・・と4-5回子供を産ませておっぱいを絞ると母牛は年老いて廃牛として食肉加工に回ります。

簡潔に書いたので「何てえげつない事をするんだ!」と思う方もいるかも知れませんが家畜は多かれ少なかれ同じ運命をたどります。

生まれた子牛がオスであれば肥育牛として肉牛となりますし、メスであればミルクの取れる育成牛として育てられます。結局人間の口に入ります。

ちなみに養豚では生後6か月で110㎏まで肥育させて食肉加工のために出荷するのが普通のパターンです。(ものすごく早い成長ですよね!)

そこで効率よく酪農経営するには、たくさん飼っている牛の個体管理をしっかりとして病気の発病を防ぎ、沢山のミルクが生産できるように受精させることが必要になります。

無駄を省くために的確な受精が求められるのですが、21日周期の発情が起こりそうな行動は沢山の牛群の中ではとても困難になりますし、家族経営規模から数人の従業員を雇う100頭以上の飼養規模になるととても人が覚えきれません。

第一、その間にも牛舎の掃除、給餌、飼料作物栽培、牧場の手入れ、朝夕の搾乳・・・・膨大な作業の合間に受精(種付け)などが行われるわけです。

そこで考えられたのが牛の行動データを処理し管理することで、発情の予兆や発病を素早く発見するシステムを構築したのがFarmnoteです。

さらに肥育牛(和牛も含む)の管理も出来るそうですし、そこに乳量データも入れて飼養管理に活かすこともでき酪農経営の健全化が図れるとしています。

実は日本の酪農経営の平均というのは、材料費40%、減価償却費15%、労務費7%、その他15%、販売管理費15%、営業利益が残りたったの5%という実態があるそうです。

施設(牛舎や敷き藁や飼料)に金のかかる農業ですね。国からの補助がないと赤字の酪農経営になる農家も多いそうです。

ほとんどが固定費なので収量をあげる事が営業利益の割合を高めることになります。その場合頭数を増やすのよりも一頭の乳量を増やすのが健全なやり方となります。

牛群管理の中に牛の健康(Animal Welfare )も重要なポイントとなります。それは成牛一頭の価格平均は約100万円相当でこれがぽっくりと死んでしまうと大きな痛手となります。

病気が発現する前に手段がとれればこうした無駄がなくなり経営の健全化となります。

IT化を進めるというのは、省力化です。高齢化し離農する農家も多い現状の中で日本全体の頭数は大きく変化していないのは大規模酪農経営化が農業法人や大資本によってなされるようになっているからです。

今ほかにもNTTテクノクロスも「U motion」というFarmnoteと同じような牛群管理システムを商品化しています。

驚いたのは韓国の会社も同じようなシステムを開発していて、日本の会社が牛の首にデータロガーと発信機をベルトでつけていたのにこちらは胃の中にカプセルを入れて5年以上体温や胃の動きのデータをとり続けるというものでした。(こちらではさらにルーメンとよばれる5室に分かれる特殊な胃の動きが分かるのです)

実際に酪農経営するのにはどのシステムがいいのかなあ?

マカピーにもやはり現場は激しく変化しているのが分かった農業Week二日目でした。

ここまで貴重なお時間を割いて読んでいただき感謝します。毎日記事を書きますので読み続けていただけると嬉しいです。






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