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シロアリが島を作ったって本当?マカピーな日々#0205

マカピーです。

羽蟻の話からシロアリについて思い出したことがあります。


それはやはりザンビアでのことでした。

仕事でサバンナ地帯の牧畜をしている村に行き牛を集めてもらい、家畜に寄生するダニの採取や血液採取をする活動に同行しました。

そんな村のあちこちにポコンと古墳のような地形が現れるので妙に感じたのでした。

一緒にいた北大の先生に尋ねると「あれはアリ塚ですね」とすんなり回答が得られました。

「ちょっと待ってください。アリ塚って東南アジアでもよく見ましたが地表に角のように空気孔を持っている、あの事ですか?」

「ええ、あのアリ塚が盛り上がってできたんですよ」

「だってこの丘みたいなのって、おそらく標高10メートル近くあるし古墳みたいに大きいじゃないですか?」

「相当な時間をかけて出来ているらしいですよ」

「確かアリ塚って固くてなかなか人の手では破壊できないですよね」

「バックホーなどの重機で掘るとあの地下には巨大な巣があるそうです」

「そうなんですか!?」

「シロアリは地下の栄養分を地表に持ち出してくれたのがアリ塚で、循環を作り出しているすごいシステムなんです」


次に驚いたのは隣国ボツワナにあるオカバンゴ国立公園のサファリを楽しんだ時の事です。


以前お話したように地殻変動で大河が大西洋に流れ込まず大地に吸い込まれて消える不思議なデルタ地帯がオカバンゴですが独特の景観を持っています。

そこでのサファリはジープに乗って沼沢地にいる野生動物を見て回るのですが、少し丘のような場所もありますし、網目のような水路を丸木舟タイプのボートで行くと島もあります。

良ーく見ると陸上部の植生が他の低地のものと明らかに違うのです。

その事をガイドに尋ねると彼は「実はこのような地形を作り出したのはシロアリ(ターマイト)なんです」

「あの小さなシロアリがこんな島を作るんですか?」

「シロアリの多くは地中に大きな巣を作りその中でキノコを栽培していると言われています。そのためには地上から沢山の植物のかけらを持ち込まなければなりません。そして巣を拡大するのに中の泥を地表に持ち出さなければゆかないのです」

「アリ塚は見たことはりますがこんなに大きくないですよ」

「シロアリたちは長い年月をかけて地下の土壌を循環させるので周囲の土壌とは違う環境が生まれ、そこに適した植物が生えるのです」

「だから植生が違うんですね」

「そこに水鳥がやってきて遠方からの植物の種を含んだ糞をするし、インパラのような草食動物の休み場所にもなっています」

「この島ができるまでにどれだけの年月が経ったのでしょうかね?」

「おそらく1000年や2000年じゃあ出来ないでしょうね」

「ワーッ、ものすごい小さなシロアリのものすごく壮大な話だなあ!」


マカピーでした。

最後までお読みいただき感謝します。毎日マカピー的史観をお届けしますのでお楽しみください。




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