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マカピーな日々 ヨルダン紀行(8) #0025

マカピーです。

今頃のヨルダンはいろいろな果物が出始めます。地元でユニークな果物といえば桑の実、アーモンドの実 それにビワの実でしょうか。

桑の実は例の赤紫色のものばかりではありません。なんと白色があるんです。エルサレムの城壁都市内の市場でも同じものが売られていました。それからマカピーがかつて暮らしたことのあるウズベキスタンの首都タシケントでも白色の桑の実を食べました。不思議な事に紫色の実と同じ味なんですよ!(日本ではまず白色の実にであいません)

アーモンドは早春に他の木々よりも早く白い色の花を満開にさせる「春告花」的存在です。日本ではほとんど栽培していませんからおそらく多くの人は見たことがないですよね。基本的にはアンズやモモと同じ仲間で、みなさん知っての通り堅い核の中にある仁(ジン)と呼ばれる部分がアーモンドで炒って食べます。

ちなみに杏仁豆腐(あんにんどうふ)と呼ばれる中国デザートがありますが、漢字をよく見ると杏(アンズ)の仁となってます。そうなんです同じモモの仲間の仁を粉にしたアーモンド味の寒天で固めたデザートのことなんですね。

ウズベキスタンに住んでいたころ、日本からのお客さんを連れて数少ない中華料理店に行きました。最後にデザートを頼むのですが、こちらはロシア語はしゃべれない、あちらは英語が通じないので筆談で「杏仁豆腐」と書いたところOKがでほっとしました。そして待つこと30分。なんでこんなに時間がかかるのかな?

マカピーは、厨房から運ばれてきたそれは何故かしら湯気が上がっているのに不思議に思いました。ドーンと大きな皿二つに盛り付けられた杏仁豆腐はその名の如くアンズの種と豆腐を中華風味付けされた一品だったのです。

「こりゃあ、やられた!」お客さんも大爆笑でした。中国人だったら杏仁豆腐がなんであるかわかると思ったら大間違いなんですね。ちなみにこの店の中国人は新疆とか中国といってもウズベキスタンに近い西域の民族だったらしく広東料理や北京料理はあまり詳しくなかったようでした。

ヨルダンではアーモンドの実が熟さないうちに食べます。中の種が熟していない白いうちにバリバリ全部食べます。細く実についている産毛の様なのも意に介さずバリバリ食べます。事務所に2㎏程買っておいておくと、部屋に来た人が勝手につまんでバリバリ食べます。みんな好きなんですね。

更に季節が過ぎるとブドウが出まわり、いろいろな種類が楽しめます。またこちらの方は中央アジア一帯に伝わるブドウの葉でご飯を巻いた料理なども作るのでまいで葉っぱがどこの市場でもスーパーでも売られています。

そしてウチワサボテンの実。これは鶏の卵大の大きさの実の中身を食べるのですが、大きな種がまるでアケビの様ですが、その何とも言えない香りと舌ざわりで私の大好物です。しかし注意が必要です。自分で実の皮を剥こうなんて思わないほうがいいです。素手でその実を握ろうもののなら後で目に見えない細かい棘が指に刺さり痛くて痛くてたまらなくなります。スーパーに行けばすでにきれいに剥いてパックされたものが売られているのでそれを買い求めてしっかり冷蔵庫で冷やして食べるとシャーベットの様で最高です。

さて、イチジクです。

実はマカピーはイチジクが苦手だったのです。殆ど好き嫌いのない中で何故かしらイチジクのあの白い汁とドロッとした実なのか花なのか良くわからない得体のしれない果物という記憶があったのかもしれません。

ところが、前号のアレッポ石鹸のお母様がある日、道端でブドウを買い求めると「わたしにすこしイチジクを買っていただけませんか?」と珍しくマカピーに所望されたのでした。「わかりました。でも美味しいかなあ?」とブドウの陳列棚の隣の緑色と赤紫色のイチジクの山を指すと、売り子がそこにいたマカピー一行4名にそれぞれの色のイチジクを一つずつくれました。

なんだか皮がむけてフニャフニャしてるなあと口に入れてみてビックリ。「美味しいです!」お母様も一つを頬張りニッコリ。他の二人も「すごくおいしい!」と大絶賛。結局二篭買って帰りましたがあっという間に食べてしまい、その後も季節の間ずーっと食べ続けたのでした。

イチジクがこれほど美味しい果物だと認識したのは昨年のヨルダンだったのです。マカピーはデビューするのが遅かったですね。その後もいろいろな方が日本から訪ねて来てくれましたが「日本ではこんなにおいしいイチジクにお目にかかれませんよ」という事でしたからベストな場所だったのかもしれません。

そこでマカピーは思うのです。それまで苦手だったとしても、地元の人がおいしいというものを先入観なしに食べるのがいいですね。きっと素敵な出会いがある事でしょう。

マカピーでした。次回もお楽しみに。



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