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EP.FOREVER 君がいて輝いた

魔進戦隊キラメイジャーが最終回を迎えた。
かつてない強敵に傷つきながらも、傷ついた分だけ己を磨き上げ煌めき続けた彼らのキラメンタルにどれだけの勇気を貰ったことだろう。
美徳で片付けられてきた「理不尽」や「当たり前」に真正面から疑問を投げかける物語も多く、その真っ直ぐで純粋で子供みたいなキラキラに、いつの間にか救われていた。
変身も解かずに無邪気にはしゃぎまくる様子を見て寂しさよりも嬉しさが勝ったし、最高の笑顔で歩き出した姿は本当に眩しくて、いつだって私を照らしてくれる素晴らしい作品だった。

中でも、一際煌めいている人がいた。
負けそうな心を支え、涙した夜から救い、輝く未来を示し続けてくれた私のヒーロー。

“導きシューティング”
キラメイイエロー。

どこが好きかを語り出したらキリがない。常に指先まで整った振る舞い、かと思えばリアクションは茶目っ気たっぷり。過剰過ぎる心情表現は一挙一動どこまでも美しかった。

ここからは、私が選んだベストオブイエローを紹介していく。アクションについても少々触れるが所詮素人の感想なので諸々はご容赦頂きたい。技術の良し悪しや難易度なんて視聴者には関係ない。好きか嫌いか好みの問題で、私は彼のアクションが好き。それだけだ。

EP.1▶︎ベストオブインプレッション

初登場──キラメイイエローは一般人を華麗に飛び越え画角からアウトした。驚いた。顔見せでまさかの足だけって。それが第一印象だ。
しかし、続く最初の戦闘シーンで揺るぎなく推す運命であることを悟る。彼のカッコ良さの全てが詰まっていた。安定したアクロバットに余白のない動き、圧倒的強さと余裕。そして完璧な角度の美しい指先と絶対的キザっぷり──そう、私はこの類の人間が好きなのだ。

ちなみに『気障』は

き‐ざ【気▽障】
[名・形動]《「きざわ(気障)り」の略》
1 服装や言動などが気どっていて嫌な感じをもたせること。また、そのさま。「気障な話し方」
(goo辞書)

という意味らしい。私は「服装や言動などが気どって」いることに対して「嫌な感じ」はしていないので正確には少々異なるが……伝えたい想いに当てはまる言葉が見つからない。
故にここでは「1 指先まで美しく洗練された動作。2 己の魅力を最大限に活かすこと、またはその魅せ方を熟知していること」を『キザ』と表記することにする。いっそ新しい語彙が欲しい。

少々脱線したが、要はプラスの意味を込めて使っていることが伝われば嬉しい。その上で、私は彼の『キザっぷり』がとても好きだ。この点において初登場で既に100点を叩き出していた。
のちのち100点以上のシーンも登場するが、ファーストインプレッションとしては完璧だった。

EP.13▶︎ベストオブアクション

いわゆる宝路回なのだが、キラメイイエローのアクションがキラリと光るエピソードだ。ベストかと聞かれると難しいところだが、強く印象に残ったシーンがある。ヨドン反応を受け駆けつけた彼らとハエジゴクシェルガの初戦、手すりを跳び越えながらの横蹴りだ。正式な名称はわからないが、テコンドーのようなあの一撃を見た瞬間の衝撃が忘れられない。羽が生えたような軽やかさとは反対に、力強く繰り出された蹴りがあまりにもカッコ良く目に焼き付いて離れないのだ。基本的にテクニックで敵を追い詰めることの多い彼がパワーで戦っていると、その意外な一面にキュンとしてしまう。

他にも、的確に敵の武器を弾き返す押し蹴りや、軽々とフェンスを乗り越えた身軽さなど、強さと軽快さを兼ね備えたアクションが魅力的な回だった。触手を眺めるワイルドな座り方も良かったし、キラメイレッドに盾にされても振り回されても無抵抗な姿は愛おしかった。

EP.16▶︎ベストオブバラエティ

こちらも宝路回だが、キラメイイエローの魅力が詰まりに詰まっていた。まず名乗りシークエンスが新撮されていて、コントローラーを操作する動作やダンスのようなステップをはっきりと見ることができる。通常時はエフェクトがかかっていて見辛い上に、ステップに至っては完全に画角外なのでとても貴重だ。ありがとう宝路(のトラウマ)。
そして戦闘中、跳ね返ったバレットをくらった受け身のなんと軽やかなことか。そのバウンドっぷりはマシュマロ邪面に勝るとも劣らない。攻撃を受けた時ですら隙なくカッコ良い、それがキラメイイエローだ。

作戦を閃き駆けつけると、そこからはずっと彼のターン。美しい前宙での再登場からアイスバレットを取る指先のセクシーさ、「どうかな?」と小首を傾げた可愛らしさにヒラメキーング!ポーズの決まりっぷり、キラメイショットを撃ち込んだ後のクールな姿……忙しい。魅力が押し寄せてきて感情が忙し過ぎる!
そして終盤のロボ戦で放った必殺技『マゼランフルブラスト』で、仲間たちは指で銃を模して正面に構えただけだが、彼はそこから放つ動作までをした。それが堪らなくカッコ良い。チーム感が大切な戦隊において1人だけ別行動をしているのはさておき、全てはキラメイレッドの「カッコ良かったからガンスタイルだ!」という台詞に集約する。そう、カッコ良ければ結果がAll right!

EP.19▶︎ベストオブキュート

恒例の入れ替わり回。キラメイストーンと入れ替わったことによりキラメイイエローはお爺ちゃんになってしまう。はい可愛い。そんなのもう絶対に可愛い。もはや次回予告の時点で確信できた。そして実際は、期待以上のダサ可愛さだった……。

入れ替わったことに驚くリアクションからもう可愛い。全ての動きがどっしりと重く、ややキレがない。おお、重機だ。とはいえ体は為朝なので、キラメイストーンの考える人間の動き方と体の正しい使い方がリンクすると、ガニ股でドタドタと走っていた姿からは想像出来ない跳躍力で突然壁を乗り越えたりするので驚いてしまう。カッコ良いぞ、ショベ爺。名乗りでは軽やかにジャンプしてショベルカーポーズまで決めた。正座での着地はかなり足腰に負担が掛かるように思うが、健康な体なのでお構いなしだ。ただしセンスはショベローなので、やはりどこかダサ可愛い。あと多分その動きはたとえ為朝であっても結構痛いと思うのでやめてあげて欲しい。
開脚ショットはできるのに上手く着地できないところや、銃の扱いが素人で肩に力が入ってしまうところ、ハンドルの持ち方がアームの動きになってしまうところなど、どう見ても中身がショベローなので可愛くてホンワカしてしまう。

ロボ戦の頃には他の仲間たちはすっかり人間の体に馴染みスムーズに動けているのに、ショベローだけ順応が遅いのはやはりお爺ちゃんだからなのだろうか。よく見ると、上半身を捻るといった腰に負担のかかる動きもほとんどしていない。普段から気遣って生活しているのが伺える。その動きが癖になってしまっているのが愛おしい。
それにしても、ショベローの腰とは一体どこなのか。旋回部辺りかな……。

EP.23▶︎ベストオブオーバーアクション

劇中劇《ジジョクルニ》がメインとなったこの回は、スーツアクトでの演劇が上演されるという贅沢な展開だった。オーバーな身体表現で芝居をするスーツアクトに対し演劇もまたそれに近い表現方法を用いている為、演じ分けは難しく思える。にも関わらず、その違いが明確だったことに心底感服してしまう。特に普段から表現豊かなキラメイイエローのジェスチャーやポージングの過剰度は通常と比べ物にならない。

不本意に主役に駆り出された時の嫌そうな態度、まんざらでもない照れ隠し、睨まれて気まずそうにする素振りまで、コロコロと変わる心情は動きだけでナチュラルに伝わってくる。
対して劇中劇における彼のポージングチョイスは非常にアンナチュラルで独特だった。ほぼ全ての台詞に対して動いているが、所々意味がわからなくてとても可愛い(褒めてる)。中でも好きなのは驚きのリアクションだ。彼が驚くシーンは作中に2度ある。1度目はキンコ邪面のセキュリティ構造を知った時。各々が過剰な驚き方をしていたが、彼はそれまでのボスキャラ感から突然かけ離れ「可愛い」以外の何物でもなかった。2度目はマバユイネに全てがバレていたことを知った時だ。キラメイショットを落としそうになり慌てふためくが、キャッチした瞬間にいつものクールなキラメイイエローに戻る。なかったことにして冷静を装っている!何そのギャップ!私はギャップに弱い。

色々挙げたが、実はこのエピソードで最も好きな箇所は別にある。勇気を出して歌い切ったマブシーナへ「やったね」と仲間たちがサインを送った時、彼だけがマブシーナの決めポーズと同じ裏ピースをしたのだ。あの激しい戦闘中にもマブシーナを気にかけていたこと、そして同じポーズで返した姿からは、台詞はなくともまるで「良かったぜ」と聞こえてくるようだった。そのちょっとした心遣いに彼の優しさを感じるのだ。

EP.29▶︎ベストオブクール

突然だが闇落ちが好きだ。
闇落ちというよりも、冷徹で無慈悲なアクションが好きだ。悪役のアクションは荒々しく激しいが、悪に染まったヒーローのそれは無感情で淡々としていることが多い。最低限まで制約された動きは、普段とはまた違う魅力がある。
ドッペルゲンガーのキラメイイエローは、目線だけで相手を仕留められそうな程に一切無駄のない動きをしていた。その顔の角度と光の消えた視線からは絶望すら感じる。確実に致命傷を与える位置に狙いを定め、寸分の狂いもなくそこへスライディングで蹴りを入れる。そして撃ち込まれる容赦ないトドメのショット。その一連の流れは悪だからこそ美しい。いつもの感情豊かなジェスチャーは一切封印され、表情のみで闇が表現されていた。表情といっても当然面のデザインは変わらない。しかし私にはいつもキラキラしていた彼の輝きが全く見えなかった。冷徹で、美しかった。

EP.33▶︎ベストオブギャップ

小夜のピンチを受けて現場に向かうことになったキラメイレッドとイエローの対ベチャット戦。普段キラメイショットでの遠距離攻撃が多い彼だが、この戦闘では近距離での肉弾戦が多く、特に蹴り技が光っていた。何度も言うがパワーで戦っている彼はとにかくエモい。
ヨドンナへ向けてショットを構えた時の左手が非常に美しく彼のクールさを際立たせていたが、やむ終えず武器を手放す時の投げ捨て方は珍しくやけくそ気味。なのに開放された小夜を庇い引き寄せた振る舞いは紳士的で、尊い程に優しかった。怒涛のギャップトライアングル。
これで終わりかと思いきや「チョキ」の作戦を伝える時に、彼は突き出したチョキをまさかのチョキチョキした。ここにきてこの可愛さ!ずるい!

EP.39▶︎ベストオブヒーロー

私が翌週の放送まで毎日見続けた伝説のエピソード、通称《キラメイイエロー主人公ムーブ》回。これを語らずしてキラメイイエローは語れない。

対シャドン戦において頭脳的戦略と圧倒的行動力で敵を追い詰めた彼が、満を辞して悠然と登場するシーン。絶対的自信の溢れる美しい仕草と、そこから始まる挿入歌も相まって、これ以上ない程にまさしくヒーローだった。敵にトドメを刺した『シューティングスタービリオン』は「この世で最もカッコ良い必殺技ベスト」が作られる際には必ずエントリーしたい。
この感動と素晴らしさを伝えるには、Instagramのストーリーズにあげた私の感想をそのまま抜粋するのがいちばんだろう。

ソードでガードしながら走ってる力強さとか身体捻って攻撃をはじいてるところとか登場と同時に始まるBGMとか肩にショット担いでる姿とかその時の顔の角度とか「お前が確認したのは」の手の滑らかな動きとか位置とか「複数の方向」のセクシーな指の指し方とか真っ直ぐに立った時の意思の強さとかそこから歌詞入りで始まる曲のサビとか当然と言わんばかりの軽いサムズアップとか全てがカッコ良過ぎて好き過ぎて最高すぎて好きしかなかった。手のお芝居がホントに全て好き過ぎて角度が最高過ぎて本当にカッコ良い。全てが好き。好き。何回見ても好き。

句読点がない。
後半に至っては語彙力もない。
好きだったところを羅列しただけの感想なのだが、実は行動のほぼ全てを網羅している。最初から最後まで全てが最高に好きだったのだ。キラメイイエロー史上に残る10億点のシーンだった。

EP.41▶︎ベストオブスタイリッシュ

物語としても3本の指に入る程好きなエピソード《ありのままでいたい》。キラメイイエローのスタイリッシュさを語るならこれだ。初手のアクロバティック過ぎる連続攻撃の凄さは、私の語彙力ではもはや追いつかない。カポエイラのシバータに似た蹴り技から始まる一連のアクションは、あまりにも洗練されていて流れるように美しい。
だが、いちばんスタイリッシュなのは「庇いながら戦うのしんどいぜ」なんて愚痴りながらも、庇うどころかちゃっかり遊んであげている点だ。右手でキラメイショットを撃ちながら、左手で猫じゃらしを器用に扱いノールックで瀬奈の相手をしてあげている。なんてスタイリッシュ!

一方で、猫化した仲間に翻弄されている姿は戦闘中のスタイリッシュさとは真逆だ。戦いの合間に瞬時に切り替わる「動揺」と「冷静」のギャップもまた良い。猫じゃらしを律儀にずっと持っていたり、名乗りでキラメイグリーンにひっかかれても降ろさなかったり、最後の必殺技まで猫モードに付き合ってあげる責任感も、彼らしい。

更にこの回は、猫モードの少し荒いトリッキングが非常にカッコ良く見所だ。バタフライツイストからの飛び回し蹴り、ドロップキックと、どれも普段とは違って野生み溢れている。こんな姿はなかなか見れない。とにかくカッコ良いのだ。

どうでもいいがアクロバットには無数の技がある上に素人には何が起こっているのかわからないので、いつまで経っても技と名称が一致しない。間違っていたらごめんなさい。

and more

ここまでが私の選んだベストオブイエローだ。
他にも好きなところは沢山あって、正直語ろうと思えば全話語れる。走る時の腕の振り方、キラフルゴーアローを受け取る時の足の衝撃、キラメイショットを放つレパートリーの多さやくるくると回す動作、ハンドルにかけた手から伝わる緊張感や余裕、やれやれと言わんばかりに頭へ手を置く仕草──。一挙手一投足が私の目を釘付けにさせる。その美しさを、カッコ良さを、可愛さを、いちいち愛しく思った。

『君』へ

最後に、もう1人のヒーローへ。
プロデューサーの望月卓さんはサブタイトルに込めた意味をこう語っていた。

「世界を一変させるほどの未曾有の時代において
それぞれの日常が大変な状況の中、最後まで演じ切った俳優、声優、スーツアクターに。最後まで造り切った全てのスタッフに。
そして、何より最終回まで応援してくれた全国の子供たちをはじめとした視聴者のみなさんに。

《君たちがいて輝いた》

私たちからの感謝のメッセージを込めまして、最終回を送り出したいと思います。
そして、願わくば。
ご覧になったみなさんにも《君たちがいて輝いた》と言ってもらえると、キャスト・スタッフ一同、こんなに嬉しいことはありません。」
(文責・望月 卓)

貴方がいたからキラメイイエローは輝いた。
そして私も輝くことを忘れなかった。
まさに“導き”の光だった《君がいて、輝いた》。

「たとえ演技でも、心が救えたら本物だよ。」

私は沢山救われていた。
貴方と、貴方が命を吹き込んだキラメイイエローが、私にとって「本物」のヒーローでした。

どんな時も明日へ導いてくれてありがとう。
キラキラと眩し過ぎた姿は私の希望そのもので、貴方を好きでいたこの1年間は本当に幸せでした。
またいつか会える日には、変わらぬキザっぷりでいてください。大好き。

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