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会社設立15年目に想うこと その1

2006年11月、長年暮らした中国から帰国し自宅マンションのキッチンに事務机と椅子を置き会社設立の準備を始めました。「一人でできる会社設立」なんてハウツー本を買い会社登記から税務署や社会保険事務所への届け出、何からなにまで全部自分一人で行いました。晴れて法人設立となったのが15年前の2007年6月12日です。

会社設立と並行して売るべき製品を中国へ手配。昨年廃番となった「マルチティーポット」という製品が第一号の製品です。実はこの製品、当時中国で大ヒットしていた製品にもかかわらずまだ日本ではほとんど知られてなく、正直これで“ぼろ儲け”出来ると思ってました。

しかし商売はそんなに甘くない。

マックマーのビジネスは私自身がサラリーマン時代に働いてきた業界とは全くの畑違いで、そもそも一般消費者向けの商材など扱ったことも無くパッケージも中国のものに会社のシールを貼っただけ、取扱説明書も英語と中国語といった今にして思えばとてもひどい状態でした。

にもかかわらず「認知さえされれば絶対に売れる!」と根拠のない自信から売り上げもないのに分不相応の展示会に出展したり、その展示会では同業他社から「よくこんな商材を勝手に売ってるなぁ、業界を乱すんじゃないぞ!」などと脅されたり、結局1年目の売り上げは数十万円でした。
2年目、東急ハンズ池袋店で初めて製品を置いてもらえることになりました。週末には土日の二日間、私自身がエプロンを着て店頭で実演販売を行いました。残念ながらハンズ池袋店は昨年閉店してしまいましたが当時のことは今でも懐かしく思い出されます。

その後、ラッキーにもNHKの「まちかど情報室」で製品を取り上げてもらったりと少しずつですが取引先も増えていきました。
黎明期のエポックメーキングな出来事としては設立3年目、某大手コーヒーチェーンとのOEM事業です。

結果を先に書くとこれは大失敗に終わりました。あまり詳しくは書けないのですが一言で言えば会社の実力不足、お客様に大変ご迷惑をかけてしまいました。また経営的にもダメージが大きくその後は売り上げも低迷し、月を追うごとに資金繰りにも困るようになりました。

そして2011年3月11日、東日本大震災。

続く

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