046

シャンプーを頭に塗りたくっている最中に肩を叩く者がいるので「いま忙しいの!あとにして!」と邪険にしたら「相変わらずヒステリーなんだな」と聞き慣れた声がしたので、まさかと思いながらも慌てて洗い流して後ろを振り向くと案の定先月亡くなった恋人だったのだが、驚くより先に「向こうは肉食べ放題だぜ、身体がないから太りようもねえし」という彼の言葉に目が眩んで「何でこんな変なタイミングに来るのよ」と不満を言いながらも喜んでこの世を後にしたのだった。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?