038

わたしが鏡の前に立つと決まって映り込んでくる同居人がひとり居るのだが、「悪いけれどその習慣はよしてくれない?」と言ってみても返事はなく改める素振りもまったくなかったのだが、どうしたわけかあるときからわたし自身が鏡に映るようになり、同居人はとうとうこの世から姿を消してしまった。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?