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旅の序章は、助走たっぷりめで。 【きっぷ1枚で日本横断:#0】

日本横断0日目、新宿駅から。

新宿駅南口に来ました

今日からいよいよ、日本横断の旅がスタートです。
厳密に言うと今日はスタート地点に向かうだけですので、スタートはしていないのですが、細かいことを気にするのはやめましょう。

日本一の駅と、日本一のスタバではじめよう

ここからすべては始まった

そんなわけで、現在時刻は朝7時半過ぎ。乗降客数日本一、いや世界一の駅として名高い新宿駅にやってきました。僕は夏休みに突入していますが、世間にとってはただの平日、駅は通勤通学の人たちで忙しなさそうです。

圧倒的大都会を感じる

今日の行程をざっくり説明すると、成田空港へ行って、新千歳空港に飛び、札幌まで行くという感じです。要約して仕舞えば一見何の変哲もない旅行の一部ですが、もちろん話はそんな単純ではありません。さっそく青春18きっぷの1枚目にハンコを押してもらい、最初の目的地へ向かいましょう。

日本一(?)のスタバ

この度で最初に乗り込むJRの列車は、最強線、いや埼京線の各駅停車。

新宿駅7:40発 埼京線 各駅停車 海老名行き(121M)

埼京のファーストランナー

埼京線に揺られることたったの4分、お隣の駅の渋谷に到着しました。というわけで、さっそく下車します。渋谷駅、来る度に思うのですが迷宮すぎませんか。この間覚えたと思った乗り換え通路が、次来てみたら無くなってたなんてことが頻発しているのは僕だけでしょうか。
さて、いきなり渋谷駅で降り立った理由はただ1つ。日本一有名だと僕が勝手に思っているあのスタバに行くためです。今回の旅は、全国のスタバ巡りを兼ねています。そんな旅のトップバッターを飾る店舗は、あの店舗しかないと前々から計画していたのです。

見つけやすいことこの上ない。ありがたい限り。

301店舗目 SHIBUYA TSUTAYA店 #2003

渋谷駅前のスクランブル交差点がテレビで放映される度に映っている、あのスタバです。これほどテレビ慣れしているスタバは他に類を見ないでしょう。…テレビ慣れしているスタバってなんだ?

そんなわけで、いつものコーヒー片手に、次に乗ろうと思っている列車の時間まで、スクランブル交差点を渡る人々を観察しながら穏やかな時間を過ごします。そういえばこのお店、ドリンクの販売がトールサイズ限定でした。東京駅のほど近くにある和田倉噴水公園店と同じですね。最初にメニューを見ずにショートサイズのドリップコーヒーを注文しようとして、店員さんから申し訳なさそうに「トールサイズしかないんですよ…」と言われてしまいました。300店舗も行ってるのに、その経験が全く活かせていません。店員さん、おそらく何百回と言ってきたであろうそのセリフをまた言わせてしまってごめんなさい。

積極的に逆走を決める

逗子、横須賀、スタバ巡り

さて、コーヒーを飲み終えたので渋谷駅に戻ります。次に乗りこむのは、湘南新宿ラインの普通列車。

渋谷駅8:24発 湘南新宿ライン 普通 逗子行き(2527Y)

念の為確認ですが、本日の行程はまず成田空港に向かうことが第1手。路線図を見ていただくとわかるのですが、この列車途中から完全に逆行しています。乗り間違えているわけではありません。確信犯です。

着いた

というわけで、終点の逗子駅までやってきました。途中で観光地として名高い鎌倉駅を通過してきましたが、平日でもたくさんの人が降りて行ったことに驚きました。その多くが外国人観光客の方でしたが、鎌倉のネームバリューの高さを感じずにはいられませんでした。でも、僕が今日向かう次の目的地はもう少し先です。逗子駅で少し下車して、駅前のスタバで2杯目のコーヒーをいただきましょう。

302店舗目 逗子駅前店 #531

ちなみに、スタバの店舗名の後ろにつけている数字ですが、これは日本国内で開店した順につけられる通し番号だそうです。逗子駅前店、意外と歴史深めですね。お店の雰囲気はとっても良かったのですが、なぜか人がとても多くて、座れそうにありませんでした。というわけで、テイクアウトします。

ここは逗子駅、まだ朝なのに意外と人は多かった

コーヒー片手に、先へ向かいます。次に乗るのは、横須賀線の久里浜行き。今まで乗ってきた列車は10両編成とか15両編成とかでいかにも都会的でしたが、ここからは4両編成。この辺りから外気温がどんどん上がってきて、ホームにいるだけで汗が吹き出してきそうになってきましたね。

逗子駅9:56発 横須賀線 普通 久里浜行き(983H)

10分ほど揺られて、横須賀駅に到着しました。駅を降りた途端、目には港が飛び込んで来ました。海が見える風景ってなんか良いですよね。この瞬間だけで、横須賀来て良かったと思えました。

海だ!

さて、なぜ横須賀駅で下車したかというと、それは行きたいスタバがあったからです。駅前の国道を海沿いにしばらく歩くと、お馴染みのマークを見つけました。本日3店舗目のスタバです(異様なペース)。

あれか?
やはりそうだ

303店舗目 コースカベイサイドストアーズ店 #998

先ほど逗子でテイクアウトしてコーヒーをまだ飲み切っていなかったので、ここではアールグレイミルククリームドーナツをいただくことにします。
イートインのトレーを持って2階席へ上がると、そこには素晴らしい景観が。

全然人いなくてびっくり。写真は下手だがほんとはもっとキレイ。

しばらく時間があったので、ドーナツをつまみつつ、ゆっくりと海を眺めていました。およそこれから日本横断へ向かうとは思えないほど、穏やかな時間です。…忘れてました、そういえば僕、これから日本横断しに行くんでしたね。
冗談はさておき、旅本来のあり方すら忘れられるほど穏やかな時間が過ごせる良いスタバです。皆さんもぜひ行ってみてくださいね。

フィーの辺りに海が見えます。
コーヒーはフィーの双対ではないので注意しよう。

汗も引いてきたところで、せっかく横須賀まで来たので横須賀の繁華街の方に向けて少し街を歩いてみます。何の変哲もない街のように見えて、ところどころアメリカナイズされている様子が見てとれます。まぁ、何の変哲もない街なんてものは元来存在しないのですが。

商店街を抜けて、京急線の横須賀中央駅の方まで歩いてきました。横須賀の街は、JRの駅周辺よりも圧倒的に京急の駅周辺の方が栄えているように感じます。同じ「横須賀に来た」という経験であっても、どうやって来たかによってかなり街の印象が変わるんじゃないかと思わされるほどです。

横須賀中央駅周辺、栄えてるな

調べてみると、横須賀中央駅の近くにもスタバがあるようです。せっかくですので、本日4店舗目のスタバでコーヒーをいただくことにしましょう(狂気)。

こんなところにも発見

304店舗目 横須賀モアーズシティ店 #246

こちらのスタバ、窓際の席から京急線が見えます。どんなに無機質な街の光景でも、電車が見えるだけでちょっとワクワクしてしまうのは、子供心を忘れなさすぎでしょうか。さすが首都圏、時刻表を調べるまでもなく、京急線がすれ違うタイミングで写真を撮ることができました。成人男性1人で電車が来るのをスマホのカメラ片手に待ち受けている様子、ちょっと恥ずかしいので周りの人があんまり見てないと良いのですが。

撮れた!

助走は十分、スタートラインに到達

時刻は午前11時を少し回ったところ、気温もかなり上昇して来ました。ここからJRの横須賀駅まで戻るとなると、炎天下の中そこそこの距離を歩く必要があります。旅の初っ端から熱中症になってしまっては元も子もありませんから、ここは少しお金をかけて(といっても200円、関東の私鉄は良心的が過ぎるほどに安い)、京急線に乗り込むことにしましょう。

横須賀中央駅11:18発 京急本線 快特 京急久里浜行き

隣のYRPって何のことだ?

8分ほど揺られると、終点の京急久里浜駅に到着しました。わざわざ京急と冠していますが、JRの久里浜駅は目と鼻の先。そこまで歩いて、青春18きっぷの使用可能範囲へ復帰します。ところで、今日の久里浜は文字通り雲ひとつない晴天です。京急線の赤い車体が青空によく映えました。

京急線の高架をくぐると、すぐにJRの久里浜駅が見えて来ました。久里浜も横須賀同様、JRより京急の方が駅前栄えてます。個人的には、"ターミナル"感があるJRの駅の方が好きです。

穏やかな駅前

さて、僕はなぜ久里浜駅に向かっていたかというと、もうすぐこの駅を発車する成田空港行きの列車に乗り込むためでした。

分かりにくいが、「成田空港」行き。

ようやくお目にかかりました、「成田空港」の文字です。そう、何を隠そう久里浜駅は横須賀線の終着駅。横須賀線から総武線、成田線に直通する成田空港行きの普通列車は、久里浜駅が始発なのです。最短経路で成田空港に向かうのは、面白みがないというか、青春18きっぷのポリシーに反する気がした(※もちろんそんなことは微塵もない)ので、せっかくならということで列車の始発駅までたっぷり助走をとり、成田空港へ向けて走り出そうと決めたのです。助走は大切ですよ、旅の序章なだけあって。
……僕の周りの気温が急激に低下したような気がしました。くだらないことを言ってないで、さっさと列車に乗り込みます。

久里浜駅11:44発 横須賀線 普通 成田空港行き(1182S/1183F)

僕が乗り込んだこの列車、成田空港に着くまでなんときっかり3時間走り続けます。この旅最初の長時間乗車ということで、グリーン車、奮発しました。1000円かかりましたが、このくらいは織り込み済み。

衣笠駅に到着。グリーン車の2階席、やはり視座が高い。
反対側に停まっていたこいつの読み方は「まし1ごうしゃ」。
アブラマシマシしか連想できないというあなた、多分野菜不足でしょう。
大船〜東戸塚で東海道線と合法的カーチェイス
(注:横須賀線は東海道線の停まらない東戸塚駅に停車するので絶対勝てない)
東京駅は地下ホームに滑り込む
成田エクスプレスに追い抜かれる。
あれ乗れば速いんだろうけど、青春18きっぷなので乗っちゃダメ。
都賀駅を超えたあたりから田園風景度が急上昇
佐倉駅を出発。
快適な時間をありがとう

というわけで、いろいろな駅を通りながら、列車は成田空港駅に到着しました。外国人の方でごった返していましたね。かなり活気が戻ってきているように感じます。さて、せっかく成田空港まで来たのですから、改札を出た僕の目の前にあるスタバに入らない手はないでしょう(絶対ある)。そういえば今日はまだちゃんと食事をとっていなかったので、ここでサンドイッチをいただきます。

305店舗目 成田空港店 #199

このお店で対応してくださった店員さん、ダンディな方だったのですが、前に並んでいた外国人観光客と思しき方にもペラペラの英語で対応し、サンドイッチしか注文しなかった不届きな客(?)の僕にも丁寧にコーヒーの試飲をくださいました。こんな歳の取り方をしてみたいなと思った今日この頃です。

レンチン中の1杯。

サンドイッチを食べ終える頃に気づいたのですが、今僕がいるのは成田空港の第1ターミナルで、今日このあと乗る飛行機はJetstar便なので、第3ターミナルまで移動しなくてはなりません。ターミナル間を無料で移動できるシャトルバスに乗って、第3ターミナルまで移動しておきましょう。

ここは第1ターミナルだった。国際色強め、とても賑やかな成田に一安心。
これに乗る。無料で移動できるのは大変ありがたい

本日はすでにオンラインチェックインを済ませてありますので、おもむろに保安検査場を通過したら、あとはテイクオフを待つのみです。このあと4泊するので重量制限に引っかからないかが不安でしたが、Macbookを含めて6.5kgほどに無事収まっており、セーフでした(7kgを超えると別途手荷物料金が取られてしまう)。ほっと一安心したところで、飛行機に乗り込み、北海道へ向かいましょう。ちなみに飛行機は満席で、座席も通路側でした(お金をケチって座席指定しなかった)ので、およそ写真は撮れていません。Jetstar、破格の安さですからね。頷けます。

成田空港第3ターミナル16:55発 GK117便 新千歳空港行き

この旅で度々訪れることになるであろう成田の第3ターミナル
あれに乗る。なお、ほんとに満席だった。

北の大地で、波乱の幕開け

北海道に着いてから、この日はいろいろなことがうまくいきませんでした。今振り返ると、まさに波乱の幕開けです。

あれ、もう札幌…?

まずは新千歳空港駅から快速エアポートに乗って、新札幌駅を目指します。もちろん、乗車券は新宿駅でハンコを押してもらった青春18きっぷを使用します。冷静に考えたら結構おかしな話ですが。

これからの旅の過酷さを物語っている
ここで乗り込むまでは良かったのだが…

新千歳空港駅19:06発 千歳線 快速エアポート191号 札幌行き(3943M)

先ほど新札幌駅を目指していると言いましたが、これはこの後の旅程に備えて、苗穂駅で銭湯に行こうと考えているからです。苗穂駅は札幌駅の1つ手前で、快速エアポートは停車しないので、新札幌駅で普通列車へ乗り換えておく必要があったのです。

しかし、目が覚めたら終着、札幌駅でした。おいおい。
午前中に助走をつけすぎて、体は思いの外疲れていたようです。しかも、札幌駅では苗穂に引き返せる岩見沢方面の普通列車が運休になったとのアナウンスが流れていました。おいおいおい。
というわけで、銭湯は諦めます。ただ、この後のことを考えると、衛生上流石にシャワーを浴びないわけには行きません。どうしましょうか。一旦頭を整理すべく、脳死で本日6店舗目のスタバに入ります(どういうことだってばよ)。

1回冷静になろう。
冷静になれば自分が今いる場所のおかしさに気づくはず。

306店舗目 札幌ステラプレイスセンター1階店 #451

本日4杯目だが、飽きない

ところで、僕はコーヒー代節約のためにOne More Coffee(ドリップコーヒーのおかわりが100円+税で楽しめるサービスのこと)を積極的に活用しているのですが、このお店でOne More Coffeeを頼んだ際、レシートを見て店員さんが「横須賀から来られたんですか?! 長旅ご苦労様でした…」と驚かれていました。まぁ、個人的にはこの反応はあるあるで、何なら長旅はこれからなのですが、店員さんのお心遣いにこの場でこっそり感謝をしておきましょう。

札幌駅は流石にでかい

頭を冷やしたところで、駅前の快活CLUB(ネットカフェ)に立ち寄り、シャワーだけでも浴びることにしました。いつもは大体入ってすぐにシャワーが浴びられるのですが、こんな日に限ってシャワーは大盛況、なかなか入れず大変でした。ドリンクバーで無料のジュースとソフトクリームをありったけ胃に流し込み、さっぱりしたところで快活CLUBを後にします。

あれ、旅立てなくね……?

さて、この後の旅程ですが、大通バスセンターから発車する夜行バスのオーロラ号に乗車し、8時間半かけて根室に向かいます。この夜行バス、普段は水、金、日の週3日しか営業していない珍しい夜行バスです。快活CLUBを出発した時点で、バスの発車時刻の40分前を迎えています。シャワーに手間取っていたらギリギリになってしまいましたね。急いでバスセンターに向かいましょう。しかし、しばらく歩いていて、徐々にある疑問が頭の中に立ち上がってきます。

ん〜と……バスセンターどこだ?

そう、バスセンターと思しき案内表示も見当たらなければ、そもそもバスセンターに向かっていそうな人影すらないのです。しかし、Google Mapを見る限りでは、もう近辺まできているっぽい。上の写真を撮ってる時点で、バスの発車まで残り20分を切っています。これはなかなかに焦ります。土地勘も人気もない地下街で道に迷う経験は、想像以上に心細いものです。

しかし、ここで1つラッキーが。突如地下街に、バスセンターの文字を発見しました。周囲には人っこひとりいませんが、ここは確かに僕が目指していた大通バスセンターです。こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが、分かりにくいったらありゃしませんでした。あ〜〜〜緊張した 笑 助かりました。

ちなみにこの写真を撮っている時点で、バスは発車5分前くらいだったはず。やばすぎ。

何とか命拾いです。ここで夜行バスを逃したら、幸先悪いどころか、今後の旅程で考えたくなくなるほどの玉突き事故が発生します。首の皮1枚、つながりました。そんなわけで、ここから夜行バスに乗り込み、日本横断の出発地点、根室駅に向かいます。出発する前からいろいろありすぎましたね。

3列シートで快適に過ごせた

ここまで読んでくださり、ありがとうございました! 明日からいよいよ本番です。目が覚めたら、最果ての地なのか。ワクワクしますね。寝付けるかな。

おやすみなさい。

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