大有機(4187)に関するメモ(2)

前日のエントリーで大阪有機化学工業についてのメモを残した。

筆者は文系なので、同社の業績、財務の履歴の優秀性はわかるものの、有機化学については疎い。そこでちょっとググってお勉強。

有機化学は、一般の人には低い知名度を持ちながら、薬・理・農・工学部にまたがる理系一大分野のひとつ

ほう、そうなんだ。

有機化学とは、文字通り「有機化合物」を対象とする学問です。炭素を中心とした化学であり、我々の体を構成するタンパク質もまた有機化合物と言えます。対して、「無機化合物」は主に金属等を指します。「有機物」というと生き物のイメージですが、実際の有機化合物は生き物とも限りません。
有機化学は、これらの化学物質を作り、解明し、安全に取り扱うための学問
実際、普段行っているのは物質を混ぜたり加熱したり...そんなことの繰り返しです。天然にあるものをどうやって人工的に作るか? 新しい反応を開発できないか? 新しい物質を作れるか? これが大学で私達が行っている実験の中身です。
企業においては、これらに加えて、作られた料理をどうやってたくさんの人に提供するかを練ります。言い換えると、小さなスケールの実験を「産業に落とし込むこと」が有機化学の最大の目標です。産業へと落とし込むには、原料価格や反応の収率、作業する上での安全性や環境への配慮など、様々な項目をクリアしなくてはなりません。この目標のため、日夜有機化学者は心血を注いでいるのです。
もしも自分の開発した手法が産業界で役に立ったら?それはこの上なく誇らしく、わくわくすることだと思います。

なるほど、なんとなくわかったような気がする。

ここで、大阪有機化学工業の公式ウェブに戻り、歴代代表のページを見てみよう。

歴代代表者のご紹介

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そうか、2代同族経営が続いた後、同社の中から代表が決まってきたのか。同族経営者の任期は長いが、前社長の上林氏の任期は3年であった。とすると、一族経営のトップダウンでなくても、好業績を続けられる組織体制が整っていることが想像される。

創業者の鎮目達雄氏については、大阪工業協会が偉人伝を残している

日本で初めて「アクリル酸」の国産化に成功
昭和40年代に入ると、優秀な人材の獲得に力を注いだ。それは、新製品の開発や業容拡大には、常に時代の先を見据えるセンスと最先端の知識を持った人間の力の結集が必要だと確信していたからだった。加えて、入社後の教育体制についても、社内講師による実務研修やOJT制度、関連工場への見学会などを早期から導入しており、現在に至るまで充実した内容を提供し続けている。また、全社一家族という考えのもと、戦後22年という早い時期から、春は日帰り、秋は一泊の慰安旅行を行っており、働きやすい職場環境づくりを促している。同社70周年誌に掲載された従業員の方のコメントからは、同社の家族的な居心地の良さ、そして自分の子供に対するような慈愛に満ちた厳しさが、今なお会社に息づいていることが読み取れる。

なるほど、いい会社のようだ。

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