技研製作所(6289)に関するメモ(1)

四季報 Online より

【特色】油圧式杭圧入引抜機等を製造。圧入工事は特殊工事特化など開発型企業に転換中。地下駐輪場も【連結事業】建設機械63(20)、圧入工事37(14)【海外】11 <20・8>

これだけだと、どんな会社かわからない人が多いだろう。今年の 3/11 に同社は公式ウェブをリニューアルした。3/11 のニュースリリースを見てみよう。

震災は図らずも当社の「インプラント工法Ⓡ」が認知される一つの契機となりました。防災、減災事業をはじめ、各種インフラ事業でも採用が進み、海外でも工法普及が加速しています。
5月初旬。衛星写真の場所で確認できたのは思った通り、鋼矢板によるインプラント構造の二重締切りでした。エンジニアはこの連続壁を目の当たりにし、小さくうなずきました。津波を正面から受け止めたにもかかわらず、ほぼ無傷で残っていたからです。この二重締切りは「拘束地盤免震※」を発揮して地盤沈下を防いだと考えられています。すぐ隣ではコンクリートの堤防が根こそぎ流され、住宅地の残骸が広がっていました。東日本大震災は奇しくもインプラント構造の粘り強さとフーチング構造の脆弱さを“実証”する形となりました。
震災を受け、当社は4月に「国土防災技術本部」を設立。7月には仙台市に「国土防災技術本部 復興支援室」を構え、東北でインプラント工法の提案を本格化しました。
無振動・無騒音、急速・仮設レス・高精度施工に粘り強さ―。復興支援室のメンバーは沿岸部を中心に関係機関を訪ね、インプラント工法の優位性を訴えました。しかし当時、被災地での認知度はほぼゼロ。11月までに約200機関を訪問しましたが、実績重視の発注者やコンサルタントに苦戦することは少なくなく、満足に話を聞いてもらえないこともありました。
無振動・無騒音、急速・仮設レス・高精度施工に粘り強さ―。復興支援室のメンバーは沿岸部を中心に関係機関を訪ね、インプラント工法の優位性を訴えました。しかし当時、被災地での認知度はほぼゼロ。11月までに約200機関を訪問しましたが、実績重視の発注者やコンサルタントに苦戦することは少なくなく、満足に話を聞いてもらえないこともありました。
国直轄の工事はその後、高知海岸の約14㎞の区間で行われ、2020年11月までに約4600枚の鋼矢板、8700本の鋼管杭を圧入し、完了しました。インプラント工法は粘り強い構造物を急速に造る工法です。長大な事業でもし別の構造、工法が採用されていたとしたら、おそらく今も工事は完了していなかったに違いありません。
復興支援室の設立以来、現在までに東北では防潮堤や岸壁の災害復旧工事を中心として108件※の工事でインプラント工法が採用されました。当時その優位性をなかなか理解してくれなかった現地の発注者やコンサルタントも、今では「インプラント工法」という言葉を使ってくれるようになり、工法の広まりを感じています。
フーチング構造の脆弱性に原発の汚染水問題―。私たちが訴えてきた脅威が次々に現実のものとなっています。近年は河川堤防の決壊が相次ぎ、毎年のように多くの人命が失われています。「堤防の中に土以外のものを入れてはならない」と定める国の「土堤原則」が大きな要因です。当社は以前からこの原則を転換し、「壊れない堤防」、すなわち責任構造物を造る必要性を強く訴えてきました。インプラント工法ならば、これを急速構築することができます。日本の災害史に残るあの日から10年の節目を迎えるに当たり、「国土防災企業」として成長を続けてきた私たちは引き続き声を上げ続ける決意を新たにしているところです。
私たちの提案でしか解決できない建設課題が世界には山積しています。「インプラント工法で世界の建設を変える」。それは世界の人びとの暮らしや積み重ねてきた文化を守るとともに、不合理な建設業界に新しい科学の風を吹き込むため、必ず成し遂げなければならない使命なのです。

すぐれて社会課題解決型の企業である。課題解決はよいのだが、利益は出ているのだろうか。業績を見てみよう。

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直近は8期連続営業利益率二桁。前期、減収減益となったが、今期は増収増益の見込みである。

財務を見よう

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有利子負債倍率は減少傾向であり、また、自己資本比率は最近は70%になっている。利益剰余金、自己資本も堅調に積みあがっている。まあ、ひとことで言って好財務といってよい。

年足も見ておこう。

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今は、上場来高値圏。これからさらに大きく飛躍するか、再び雌伏の時期が来るか、分かれ目のところである。2021年06期は最高営業益を出した2019年の半分程度の営業利益の見込みであるが、今年に入り先月に上場来高値を更新したのは市場の期待の高さの裏返しである。

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