ハーモニック・ドライブ(6324)についてのメモ(1)

 この会社はなぜいつも景気回復局面になるとまだ業績が悪いうちから割高に買われるのか疑問に思っていたが、このものづくり太郎氏の動画を見て氷解した。1:25くらいから9:53までが同社の製品のハーモニックドライブについての説明。要は、非常に革新的な歯車だということ。

で、ハーモニックドライブ歯車は何がいいのかというと、

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とにかく小さいらしい。で、何に使われているかというと

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小型の産業用ロボットにはほぼ間違いなく複数個使われているらしい。要は小型のロボットが1台売れるなら、その数倍ハーモニックドライブが売れる、ということ。

というわけで、四季報 ONLINE より。

【特色】精密制御減速装置が主力。減速装置に各種駆動装置組み合わせのメカトロ製品を柱に育成強化【連結事業】減速装置75、メカトロニクス製品25【海外】63 <20・3>

「精密制御減速装置」とか言われても門外漢にはよくわからないが、ものづくり太郎氏のビデオを見ると、その重要性がよくわかる。要は、軽くてコンパクトで性能のいい歯車ということだ。海外売上比率が63%。円安メリット大の会社である。

業績を株探から

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JQ市場上場企業ながら意外と社歴が長く、履歴がたくさんある。これを見ると、平常時は、営業利益率は20%台あり、また、ROE も二桁の業績をたたき出す会社ということ。リーマンショックの時も、東日本大震災の時も黒字維持。ただ、直近2期は前期は赤字だし、今3月期もコロナ禍で最終黒字化がやっとというところ。直近の四半期も

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20.10-12 期は黒字化はしたものの、営業利益率は2.2%で20%台には程遠い。業績不振である。しかし、年足はこうなっている。

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昨年のうちに業績回復を先取りして上々来高値を更新していたのである。こういう会社を手掛けるのは筆者には難しいと思えるが、深押しするような場面があれば拾う、という姿勢かなあ。

財務を見ておこう

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有利子負債倍率は0.1台と低く、自己資本比率も 70%台と、少々の赤字ならびくともしないほど安定している。

競合については、中国勢が追い上げてきているという記事もあるが自分にはよくわからない。昨年の2月の記事を見つけた。

ただし、世界減速機市場の75%をナブテスコシャとハーモニック・ドライブ・システムズが独占しているという情報は2014年の話です。よって、根拠とした数字としては2013年以前のデータを基にしています。
中国の減速機メーカーは、2013年から減速機市場に本格参入をしており、現在の日本メーカーの世界市場における占有率は、低下したと考えられます。

5月に発表される本決算で、22.03期の見通しがどうでるかを見る必要は少なくともあるかなあ。競合関係など、もうちょっといろいろ調べる必要はありそうだ。

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