コア(2359)についてのメモ(1)

四季報ONLINE より、同社の特色など。

【特色】独立系SI。車載やスマートデバイス向け組み込みソフトが主力。金融向けシステム等も強い【連結事業】SIビジネス54(2)、ソリューションビジネス45(16)、他0(26) <20・3>

長期業績を株探から。

画像1

お分かりであろうか。上場当初数年は ROE が高かったが、低迷期を経て、直近5期(今期見込み含む)は ROE が二桁、また、営業利益率も 2014.03 期の 1.72%を底として毎期改善し、今期見込みは 10% と二桁に上場来初めて乗る見込みとなっている。

ここ最近の収益力の改善について何か原因があるのかと思って、Ullet で役員構成を調べる。

画像2

代表取締役会長の種村氏が創業者。現在社長の松浪氏は、2014年4月から代表取締役社長執行役員となっている。就任当初はSIビジネス本部担当、先端組込み開発センターの最高執行責任者を兼務していたが、2016年04月より兼務を解除し、代表取締役社長に専任になっている。どうも、彼が代表取締役になってから収益力のアップが続いている。これは偶然なのだろうか。

松浪氏の前の社長が出した有価証券報告書と、松浪社長になってからの有価証券報告書の「対処すべき課題」を比較していくと顕著な違いがあるのがわかった。

2013.03期有価証券法告書

画像3

これが、松浪氏の前の社長名で出された、最後の有価証券報告書の「対処すべき課題」である。特段、数値目標のようなものは書かれていない。これが、2014年4月に社長に就任してから3年を経て会社全体をしっかり把握したと思われる松浪社長が出した2017年03期の有価証券報告書ではこう変わっている。

画像4

どうだろう、前に出した2013.03期の「対処すべき課題」と比べるとかなり違うことがわかるだろう。ここで、営業利益率8%以上、ROE 10%以上、自己資本比率50%以上、配当性向30%以上という目標とする経営指標が初めて示された。さらに、

画像5

とあるように、「SIビジネスからソリューションビジネスへと大きく舵を切る」ことが課題であり、「重点推進6分野」及び「コアビジネス」という戦略を設定し、「これまでの受託型ビジネスから提案型ビジネスへとビジネスドメインを変革することを進めて」とあり、経営変革を進めていることがはっきりとわかる。

昨年の11月に同社は2023.03期までを対象とした中期経営計画を出している。

第13次コアグループ中期経営計画

画像6

人材提供型(SI)からソリューション提供型へが課題として強調されている。

画像7

右下の円グラフ2つではっきりわかるように、ソリューションビジネスの方が利益率が高い。そちらの売上比率を高めていけば、営業利益率は売上がそんなに伸びなくても改善していく理屈になる。

画像8

2020.03期の有価証券報告書までは、上の2017年03期と同じ数字が目標とすべき経営指標として使われていた。従って、この中期経営計画によって、目標とすべき営業利益率を8%から10%以上(25%の改善だ)に上方修正し、最終的に12%に持っていくというのがこの中計の要点。

財務を株探より

画像9

自己資本は松浪社長就任の2014.03期の73億から、122億にまで毎年増えている。また、自己資本比率は60%台まで改善をしてきている。会社の財務内容は確実に良くなっている。

年足も見ておこう。

画像10

本日ザラ場ではまだ PER は15倍を割っている。本年中に上場来高値1943円の更新は十分あり得るのではと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?