半導体業界と自動車業界の緊張関係

ロイターの記事が面白かった。

ドイツのフォルクスワーゲン(VW)や米フォード、ゼネラル・モーターズ(GM)などの大手はこぞって減産を強いられている。背景には、スマートフォンのような消費者家電のメーカーが半導体供給を「のみ込んで」いることがある。スマホメーカーは収益率が大きい高性能製品を買ってくれるため、半導体業界にとっては優先したい顧客だ。
自動車業界というものは何十年もカンバン方式で、ぎりぎりの量の部品をぎりぎりのタイミングで供給させることに甘え切ってきた。そうした自動車業界はもはや、半導体業界を意のままに従わせることができない。今回の半導体不足は、こうした2つの業界の食い違いをさらけ出した。
生産台数で世界2位のVWからの批判も、半導体メーカーにはほとんど効果がない。半導体メーカーにしてみれば、自動車メーカーこそ、販売が停滞するとすぐに注文をキャンセルし、販売が上向いてくると新たな生産への投資をすぐに要求してくる身勝手な存在だ。

なるほどねえ。確かに、自動車部品のメーカーは自動車の工場の周りに立地していることが多いけど、半導体の生産工場は必ずしもそうではないということか。

しかし、自動車産業がこういう状況で半導体不足が今年の半ばまで続くのなら、半導体の材料とか、製造工程で使われる薬液とかを作っている企業の業績はうなぎ上りなのではないだろうか。

2019年の記事でちょっと古いが日経新聞にこのような解説がある。

これらのプロセスでは、成膜工程の洗浄液や材料ガス、露光工程のレジスト(感光材)やフォトマスク、エッチング工程のエッチングガスなど多彩な材料が用いられる。世界の半導体出荷量に占める日本メーカーのシェアは1割に満たないが、これらの材料の日本企業のシェアは5割に達するとの試算もある。

日経平均が30年ぶりの高値を付けたことが今年の話題のひとつだが、半導体の材料の日本企業のシェアが高いとすれば、高値更新も納得感がある。

おおざっぱにいって、上記のような材料の製造に偏っている企業の株の押し目を拾い、吹いたら売りを繰り返していけばよいのではないか。多分、どこの工場もフル生産に近いことになっているような気がしている。そういう会社を探さなきゃ。

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