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実務者であり、買い手でもある司法書士法人【ライズアクロスG・髙橋CEO】|Vol.282-285

今回のゲストは、35歳にして6つの事業会社を経営する、司法書士でありグループCEOの髙橋氏。
司法書士と言えば会社設立やM&Aの実務者としてのイメージが強いですが、氏が経営するライズアクロスグループは、M&Aが一般的でない司法書士業界でなんと5度の買収を行っていると言います。
なぜ司法書士業界ではM&Aが一般的ではないのか、一般企業のM&Aとはどういう違いがあるのか、詳しくうかがいました。

▶髙橋CEOの出演動画 一気見はこちらから◀

■髙橋 圭氏 ライズアクロスグループ グループCEO/司法書士
1984年山形県生まれ。青山学院大学法学部卒業。2007年司法書士試験に合格後、都内司法書士法人にてパートナー司法書士として勤務。2016年、独立し自らが代表を務めるライズアクロス司法書士事務所を創業開始。2018年には「よりお客様の広範囲にわたるご要望にお応えするため」ライズアクロスグループを組織編成、グループCEOに就任する。現在は虎ノ門本社、世田谷支店、新潟支店、札幌支店4拠点、総勢90名の専門家スタッフの中心として、グループ全体を支えている。

#282  3年半で5度の買収、司法書士法人から士業ファームへ

35歳の司法書士代表が経営する、珍しい大規模ファーム

司法書士法人を中心に6つの事業会社を運営
土地家屋調査法人、行政書士法人、不動産鑑定事務所、コンサルティングなど
札幌・新潟・虎ノ門・二子玉川に拠点を置く

成長率は業界一⁈ 3年で社員80名超え
2016年に3名で創業、今は内定者を含めて35名の司法書士を抱える

M&Aの実務者だが、3年半で5度の買収も

司法書士の業務と相性のいい事務所を買収
最初は発注先だった土地家屋調査士事務所を買収
2件目は後継者のいない司法書士事務所。支店長を派遣

税理士に比べ、M&Aが一般的ではなかった司法書士業界
顧問業務を主に行う税理士とは違い、司法書士・土地家屋調査士はスポット契約
売上の1年分が相場の税理士事務所より高いバリュエーションがつくことは少ない

司法書士・土地家屋調査士業界ではM&Aがまだまだ一般的ではない分、前例も、買い手となる会社も多くないのだそう。



#283  これから増える?司法書士事務所のM&A

士業も他人事ではないM&A

M&A市場が成熟、士業に特化した仲介も出てきた
ライズアクロス社も紹介を受けて買収した案件もあるそう

司法書士事務所、土地家屋調査士事務所の買収のポイントは

買い手が重視するのは“従業員”
合格者が10年強で2/3に減っており、採用が難しくなっている
M&Aは即戦力になる司法書士を確保するのに有効な手段

Webの集客ノウハウがないなら‟法人の取引先”が重要
債務整理系業務に重点を置き、Webで個人の顧客を集めている司法書士事務所も多い
取引先が法人だと、M&A後も安定した取引が続きやすい

士業事務所のM&Aはたいてい規模がそこまで大きくなく、DDというほどの大がかりな作業が生じないことが多いんだとか。



#284  司法書士事務所の売り方4パターン

士業の事務所のM&A、スキームは?

司法書士事務所の多くは個人事業(ただし、株式会社も別である)
法人もあるが、法人化が認められて10年強で、売却ニーズはまだ多くない
多くの事務所が税金や社保の都合で、株式会社を別で作っている状況

売却益の受け取りスキームは大きく4つ
個人事業主から司法書士法人へ事業譲渡(総合課税、最大55%)
株式会社の株の譲渡(分離課税、20.315%)
退職金として支払い(退職控除で約20%)
役員報酬・業務委託費として長期にわたって支払い



#285  売却することを従業員に伝える理由

士業のM&A、PMIは成立‟前”に終わってる?

士業のM&Aは、取引先や従業員の引継ぎが大前提
M&A検討段階から従業員とも信頼関係を築く必要がある
一般的には取引実行直前に社内へ通告することが多いので、その点では特殊

高橋代表が買収を行った際は、検討段階で売り手側従業員とときには1対1の面談を設けてM&A後の話をしていたそうです。

零細企業同士のM&Aは、数字より‟思い”が大事
初っ端からトップ面談、そこでの思いの共有が数字よりも重要
オーナーの一番の要望は「社員を大事にしてほしい」

将来的な独立のために資格を取得している人が多いため、司法書士業界は離職率が高め。
それにもかかわらず、ライズアクロス社は3年半で一人という異例の退職数の少なさ。
社員を本気で大切にすることでモチベーションも上がり、仕事もうまくいっていると体感しているそうです。



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