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サイト売買市場で急成長したプラットフォーマー【HIT・海山代表】|Vol.269-272

今回のゲストは、サイトM&A市場に乗り込んで1年足らずで案件数・成約数ともにTop3に躍り出た「UREBA(ウレバ)」を運営する、株式会社HITの海山CEO。
2019年には別サービスを売却しており、島袋とも思わぬご縁がありました。
頭の切れる同氏が専門とするサイトM&Aのトレンド分析のほか、中学時代からの株式投資、25歳で起業して奥歯が割れる、などの気になるエピソードについてもうかがいました。

▶海山CEOの出演動画 一気見はこちらから◀

■海山 龍明 株式会社HIT CEO
グローバルコンサルティングファームであるDeloitteで戦略立案・経営改善プロジェクトに参画。2015年に株式会社HITを創業し、多数のWebサイトを運営。サイト売買においては、SEOや収益化のアドバイザリーを絡めた提案に強みを持つ。数千万円~数億円レンジの仲介も多数経験。


#269  サイト売買プラットフォーマーに聞く、自身のサイト売却経験

サイト売買のプロ、海山さんのこれまでの経歴

新卒でデロイトトーマツコンサルティングへ
グローバルプロジェクト、海外営業の立ち上げ、PMIなどを経験

2015年に起業、ノウハウを活かしてサイト売買も
自社でアフィリエイトサイトを10サイトほど運営
売買はさらに多く行った

サイト売買プラットフォーム「UREBA(ウレバ)」運営開始
2019年5月リリース、後発にもかかわらず案件数・成約数ともにTop3
参入が後を絶たない業界で、競合プラットフォームも売り案件として掲載する勢い

サイト売買の業者の中には、毎年新商品を紹介するサイトを36ヶ月回収の想定で売りに出す、中古ドメイン・バックリンクがついていることを伏せるなど、サイト運営の知識に欠けるように見えるものもあり、立ち上げを決めたとのこと。

実は同じ売却先、タイミングも近かった

HIT社は2019年12月、iid(イード)社にサイトを売却
島袋も2019年9月に同社へ不動産系メディアを売却している
ウレバにとってはサイトの買い手候補の顧客。直接買収オファーを受けた

売却したのは、グルメ領域で日本一と言われた集客サイト「めしレポ」
グーグル検索結果でTop10に入るアフィリエイト型グルメ情報サイト
食べログやぐるなびに月間10万人ほど送客、予約で成果報酬が発生

スタッフ数に対して抱えるサイトの数が増え、売却を決意
サイトは伸ばしきると運営コスト・工数が増える
10人ほどのスタッフでは抱えきれず、売却を検討

ちょっと特殊なスキームで事業譲渡

相場よりやや高い買い値+運営サポートつき
実は1年以上運営しておらず、いつ順位が落ちるかわからない状態だった
「DD中から業務委託で記事更新を請け負う」とイード社からオファー

初日で軽く合意してからトントン拍子、PMIもなし
基本的なプラグインで制作したWordPressのサイトだった
引継ぎのために売却先に出向くこともなく譲渡

嬉しい理由で頓挫しかけた瞬間も
グーグルのアルゴリズムのコアアップデートの影響で、ページビューが倍に
売上も、売却金額の算定基準だった値の2倍近くに伸びる

SEO的にいつ順位が下がるかわからない状態にもかかわらず、安定させるところまでを自社で引き受けたうえで買いたい、とイード社側からオファーされたHIT社。

上場企業では2か月かかると言われるDDの間、売ると決まったサイトを更新するモチベーションを保ち続けるのは難しいと感じていたため、オファーを受けることに。



#270  サイト売買プラットフォーマーに聞く、サイト売買のトレンド

サイト売買のあるある話

買い手がアフィリエイトに強いと、買ったサイトの収益力を上げられる
交渉力のある買い手は、そのサイトを特別単価で運営できる
買収を決めるタイミングでASPを巻き込んで、投資回収期間を短くすることも

*ASP
「アプリケーション・サービス・プロバイダ」の略。インターネットのクラウド上で提供されるサービスや、それを提供する業者のこと。ここではアフィリエイト広告の広告主とアフィリエイターを仲介するサービス・企業を指す。
*特別単価(特単)
ASPが公開している成果報酬ではなく、アフィリエイターがASPと個別に交渉して獲得した特別な成果報酬の単価のこと。
アフィリエイトの実績を持ち、ASPの担当者と直接つながっている買い手の場合、既に特単を持っている領域のサイトを買って収益をさらに伸ばしたり、売買のタイミングで特単の交渉をしたりすることが多いとか。

なお、小さいASPは特にフレキシブルに動いてくれる傾向があるそうです。

サイト売買のトレンド

2018年、19年と相場は大きく落ちている
2017年までは、伸びているサイトなら赤字でも10億・20億で評価されることがあった
買い手がその後全く回収できなかったと噂され、市場が冷え込む

SEO系集客メディアの場合、今は「営業利益×15か月分」が目安
グーグルアルゴリズムのコアアップデートの頻度が上がっている影響
2~3年前と比べると半分以下

今も評価されるのは ①会員やファン ②SNSからのダイレクト流入 ③LINE@集客
LINE@会員は利用契約上事業譲渡できないが、LINE@側を説得すれば可能
YouTubeアカウント譲渡は基本NG、リスクを承知でやってしまう人もいるとか

買い手にとってはかなり嬉しい状況
検索順位・売上が落ちているサイトは安く買える
ドメイン載せ替え、自社メディアと統合、コンテンツを引き抜いて使う など

サイトM&Aでの注意ポイント

YMYL領域は、個人では勝てなくなる
誰が情報を書いているか、グーグルが見ている

交渉~譲渡完了までの変動・トラブルに注意
ウイルス混入や大きな順位変動があると、契約後でもなかったことになる可能性あり

契約後に契約時に聞いていた内容と実際のデータを照合する検証期間があるため、たとえ契約後とはいえ大幅に売り上げが落ちているようなことがあると、「この話はなかったことに」となってしまうんだとか…



#271  サイトを高く売るためにおさえるべきポイント

相場よりも高い評価で買収されるケース

まず、1000万円以上で買うのは上場企業など大手企業がほとんど
著作権などコンプライアンス面はきちんとクリアしておく必要あり
デザインも洗練されていないと、やり直しのコスト分評価が下がる

「集客ができているのに収益化出ていないパターン」なら相場は度外視
広告を張り替えたときに見込める利益で評価されるはず
利益が出ていなくても、売却に興味があるなら査定に出してみる価値はある

UREBAでも8か月余りで1000件ほど査定しているとのことです。

100万円以下の案件は、個人が買うことがほとんど
会社員による副業目的の購入が増えている
一人で20サイト近く売っていたり、買って売ってを繰り返すプロも

IT系のほか、商社・銀行マンなど、名だたる企業の会社員が登録しているとか。
仕事や趣味の延長のサイトだと運営しやすく、うまくいく傾向があるそうです。

あなたが注意すべきことは

買い手候補なら:「売上=営業利益」の個人サイトに注意
運営者の人件費が経費に含まれていないケースがある
人件費を経費計上すると、それほど利益が出ていないケース

売り手候補なら:「売りたくない時=一番の売り時」
売却を考えていなくても、とにかく一度は査定に出してみるべき
特に「一度も落ちたことがない人」は、その状態が永遠に続くと思いがち

ということで、一度M&A BANKも査定に出してみます。



#272  サイト売買プラットフォームが超速成長した理由

そもそも、なぜ参入からすぐ業界上位に入れたのか?

「独占掲載なら売り主の手数料 ¥0」で案件をかき集める
「5~10%を売り主・買い主両方からとる」の10年来の業界の基本を覆す
規模の大小を問わず、「とりあえずUREBAに掲載」という流れができた

1000万以下なら直接やりとり、それ以上なら仲介で請け負う
UREBA掲載で初日に5~10問い合わせ
大きい案件は買い手候補企業とのコネクションも使って売りに行く

気になる「起業して奥歯が割れた」話

25歳で起業、元手は中学時代からの株式投資で積みあがった3000万
ライブドア事件が起こる前、サイト「10万円から始める株式投資」の運営を開始
増えた資金で好きなことをやろうと起業する

「無料で見られるスマホ用ガイドブック」事業開始、気づけば借金1500万
FXで1500万円を失い、残りの資金で起業
話題になるも、オフラインのため広告を載せられず、丸20か月収益なし

ストレスで奥歯が割れるも、出資者が現れ収益化、回復へ
以前から相談していたグーグルの元お偉いさんから、出資のオファーをもらう
アプリの内容を出していたウェブサイトを収益化、一気に回復へ向かう

そんな経験を経て、今は右側の奥歯がインプラントだという海山さんが運営する「UREBA」。
サイト売買を検討されている方はぜひ一度覗いてみては。


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