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ラクスルとの提携・出資話を徹底追及!【ペライチ・橋田社長】|Vol.382-385


ラクスルからの資金調達が話題になったばかりのペライチ社。大きなシナジーが見込める大企業との距離が縮んでいった経緯のほか、以前の資金調達であまり聞かないスキームを採用された意図についてもお話しいただきました。

▶動画の一気見はこちらから◀

ゲスト■橋田一秀氏 株式会社ペライチ 代表取締役社長
1983年東京都生まれ。東京理科大学工学部電気工学科修了。株式会社NTTデータに就職。1年半で退職し、株式会社うるるでほぼ未経験ながらエンジニアとして就職。4年3ヶ月の勤務後、株式会社ホットスタートアップ(現 ペライチ)を創業。2017年に新株予約権付社債、2018年に優先株での資金調達等の他、2020年9月に増資による4.9億円資金調達を行い、ラクスル社が既存株主からの譲渡含め合計で49%の株式取得を発表。

聞き手■冨岡 大悟 M&A BANK株式会社-代表取締役/公認会計士
KPMG/あずさ監査法人のIPO部、フロンティア・マネジメント株式会社でのM&Aアドバイザー業務を経て、オーストラリアに駐在。日系企業の海外進出支援、事業開発業務等に携わる。帰国後にTOMIOKA C.P.A OFFICEを開設。IdeaLink株式会社のCFOの他、上場準備会社を中心に3社の社外役員も務める。



【資金調達】ペライチ橋田社長が採用したスキームとは…〈No.382〉



ラクスルから大型資金調達、タッグを組んだペライチ


株式会社ペライチのサービス

誰でも簡単にウェブサイトを作れるサービス
ブラウザ一つあれば制作・公開が可能
決済機能やメルマガなど、マーケティング機能も揃う


以前の資金調達でも最適なスキームを駆使


新株予約権付社債(CB)のメリット

社債なので、バリュエーションを発行の時点で決めなくていい
優先株では必要な交渉時間をカットできる

新株予約権付社債(CB)を選んだ決め手
・うまくいけば優先株よりも高い評価になる
・うまくいく自信はあった
・株を渡すことによる希薄化も起こらない

優先株の場合につく条件の例
高いバリュエーションをつける代わりに条件がつく
・失敗しても投資分を取り返しやすくする(残余財産分配権)
・配当した残りの分配金から追加の配当を得られる(参加型)
M&Aイグジット時に影響が大きい




【こんなパターンも】大型出資はある繋がりから発展して起こった〈No.383〉



ラクスルからの出資、背景には天才的な布石があった⁈


もともと2020年内の資金調達は予定していた

まだ赤字の状況・キャッシュにも余裕がなかった
コロナの影響で売上も伸びたので、前倒しで行うことに

ラクスルCFO永見さんから出資の打診をいただいた
エンジェル株主でもあった永見さんから連絡があった
話の中で資金調達の予定を伝えたところ
ラクスル社からの出資のオファーをもらい、検討開始

資金調達はタイミングが重要
資金調達は調子がいいときに行うのが鉄則
追い風が吹いている時はもとの計画にとらわれずに決断する思い切りも必要

ラクスル社は出資元として理想的だった
ターゲット・登っている山が近い
ラクスルの成長過程を再現できる可能性を感じていた

「経営者個人から出資を受ける」という選択肢
永見さん個人~会社本体から出資を受けた経緯についてはこちら





【持株比率】外部株主に渡す割合・渡す株を決めたロジック〈No.384〉


「49%譲渡」決断までの経緯


先方の結論「やるならガッチリ」

最初は持分法の範囲外(20%以下)の想定だったが
大きな額なのにマイノリティ投資になるのは微妙
3割以上は持ってしっかり組むべきとの結論に

譲渡する株は?
もともと4割近かった外部株主が残ったまま増資すると
意思決定もしにくい
既存の株主にイグジットしてもらい、ラクスルに渡す形に

外部株主の比率、50%は超えたくなかった理由①
イニシアチブを渡すことになり、後戻りできなくなる
それ以上渡すとしても、一旦様子を見る期間を持ちたい
うまくいかなかった場合の想定もしっかり行った

外部株主の比率、50%は超えたくなかった理由②
役員3人ともまだまだやりたい意志があった
51%以上の売却は経営をやめるのに近いイメージ
役員の株の売却はごくわずかににとどめた

IPOは一番大事な目標か?
上場を目指すために出資してもらっていたが、一番大事なのは事業成長と認識
そのためには今回の合流は適切と判断し、決断した


金額の算出ロジックと根拠


評価は数字が見えやすいSaaSならではの指標

PSR=売上高×〇倍
売上高:直近月の12倍
倍率:SaaS経営の上場企業の指標から割引

シリーズBに入っていたことも重要
SaaSとはいえ起業初期段階は予測も安定しない
ある程度立ち上がっていた段階だったので
SaaSビジネスの評価指標を活用できた





【PMI】資金調達時に決まった〇〇〇〇が事業を更に成長させた〈No.385〉



DDをした人が役員に⁈ 実際どう…?


ビジネスDD担当者がフルタイムの役員に⁈
ビジネスDDを担当したラクスルのマーケティング担当
ペライチに契約出向、フルタイムで働く取締役COOに

願ったり叶ったりの役員派遣
半分近い株を渡す方針になったタイミングで役員の派遣について話が出た
ちょうど強力なメンバーを増やしたいと思っていた

もう一人もがっつり関わっている
社外取締役・白石氏はラクスル執行役員
元ペイパルジャパンCSO、管理系・決済に強い


提携の一歩目は早々に、ただし焦りは禁物


まずは提携の第一ステップを
急に統合したり計画を作ったりはしなかった
ユーザーやニーズの近さを実感できたので
まずはラクスルIDでペライチにもログイン可能に

東証一部企業のすごさを改めて実感
スタートアップマインドも忘れないラクスル
決断やアクションのスピード感もすごく、非常によい刺激を受けている

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