見出し画像

個人で買収案件を探すときのポイント|M&A BANK Vol.150

案件探し、基本の第一歩

島袋
今日も日本創生投資の三戸政和さんにお越しいただきました!よろしくお願いします。

三戸
よろしくお願いします。パチパチパチ~

島袋
三戸さん、のってきてくださいましたね。
今回は案件の発掘方法について伺っていきたいと思います!

三戸
そうですね、案件探しには鉄板はないというのが答えなんですけど、どのレベルで探すかにもよりますね。

いわゆるサラリーマンが会社を買うレベルの零細中小企業の案件の場合は、総当たりでいろいろ見ていくしかないと思います。仲介とかファイナンシャルアドバイザーみたいに案件を持っている専門家がそこまでいないですから、1番候補があるのはネットですね。
トランビ(TRANBI)さんとかバトンズ(Batonz)さんみたいな、売りの情報をウェブに載せているところをまず見にいくのが基本かなと。

それこそオンラインサロンのメンバーもそこから案件を見つけているし、さっき話に出た26歳の彼も、トランビ(TRANBI)さんのウェブで見たというのがまずは入り口でした。

あとは事業引継ぎセンターといって、全国の都道府県の商工会議所の中に事業引継ぎセンターがあります。ここはどちらかというと公的機関に近いんですが、事業承継で悩んでおられるオーナーさんがそこに相談に行って、そこから買い手を探しが始まっていきます。
なので、そうところに行ってみるというのもまず入り口になると思います。


身近にあるものこそ望みがある

だけど、そういうところだと当然競争相手も出てくるし、初見でいきなり会社を見極めるというのは難しいかもしれないので、私がありえるなと思っておすすめしているのは、やっぱり「近いところ」ですね。
自分の会社の取引先とか、自分の親族旧知の知人とか、そういうところで広げていく。

M&Aすると失敗することもありますが、それって会社の中身を知らないから失敗するわけじゃないですか。
でも、10年来の付き合いの社長さんの会社を買う場合ってそんな変なことにならないでしょ。「こんなこと隠してました」とか、「僕の負債で連帯保証してたのに嘘をつかれて買わされました」なんてことは、ありえなくはないけど、相当可能性が低いじゃないですか。
それこそ完全に詐欺みたいなことにならない限り、なかなかない。
だから、既に知っている・付き合いのあるところに声をかけていくのがすごい大事だと思うんですよね。

我々ファンドはいつまでに投資をしてイグジットすると期間が決まっているから、ある意味スケジュールにそって投資案件を見つけて作業していかないとダメなんですが、サラリーマンが会社を買うということなら、「いい出会いがあったら買ってもいいよね」というレベルで進めていける。あんまり焦らずにやっていけばいい会社が見つかると思うんですよ。

「私は会社を買います」と、まずはフラグを立てることがすごい大事ですね。

島袋
買うってことをですか。

三戸
「私は事業承継したいと思っているので、もしそういうことを知っている人がいれば紹介してください」と、Facebookの自己紹介のところに書くとか、年賀状でもいいかもしれない。メールの署名でも、名刺の裏に書いておくのもいいかもしれない。何かの集まりに行くとき、毎回それを言っておくのも大事です。
そういうレベルのところが1番現実味があるもんですよ。

社長の友達は社長なので、自分の知り合いの社長に声をかけておけばいいんです。
その社長が売るわけじゃなくても、その社長が友達から事業承継のフェーズに入った相談を受けたときに「俺の知り合いでこういう奴がいたよ」と紹介してくれます。

ネットワークの中で情報を流通させていく、それがフラグを立てるということだと思うんですよね。
そういう社長の集まりに入って伝えると、けっこう早かったりするんですよ。

島袋
たしかにそういうところはありそうですね。なるほどなあ…

そろそろお時間になってしまいました。
次回からはファンドについて詳しくうかがっていきたいと思います。
それではまた、M&A BANKでお会いしましょう!


出演者

■三戸 政和:株式会社日本創生投資-代表取締役社長

日本最大級のベンチャーキャピタルにて国内外の投資先の経営に参画。その後、兵庫県議会議員を務める。2016年に中小企業向けの事業承継・事業再生専門の投資ファンドである日本創生投資を創業。ロンドンにて会社を立ち上げ、従業員へ事業を引き継いだ経験も。2018年、「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」を出版。

【株式会社日本創生投資とは】

「地方創生」「中小企業」「事業承継・事業再生」をキーワードに設立された投資ファンド。ベンチャーキャピタルやバイアウトファンド出身のメンバーで構成される。金融機関への借入返済がリスケ状態となり、事業価値が毀損している企業の抜本改革を得意とする。

■島袋直樹:IdeaLink株式会社-代表取締役

シリアルアントレプレナー。26歳でインターネット広告代理店を創業、年商20億円規模に成長させる。2016年に同社を分社化し、インターネットメディア運営を主体とするIdeaLink株式会社を創業。2017年12月、自社メディア5媒体を上場企業に事業譲渡。「事業は創って売る」をモットーとする。「会社は伸びてるときに売りなさい。」の著者。