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M&Aの基礎知識

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前向きな経営戦略としてのM&A、IPOや廃業との比較

2018年3月のスタート以来、M&A BANKではM&Aについて様々な形で発信してきましたが、ここで改めて、なぜ経営者の皆さんがM&Aについて知っておくべきなのか、M&Aの意義とはなんなのか、まとめてみたいと思います。 そもそもM&AとはM&Aは”Mergers and Acquisitions”(合併と買収)の略語です。 そのため、本来であれば買い手が主に用い、売り手は”M&Aされる(買収される)”と受け身形で使用する単語です。 ところが日本のビジネス界(特にベンチャー界

経営者のタイプ別M&Aの活用法

今回は、M&Aの中でも‟売却”についてのお話です。 M&A BANKではこれまで売却を経験されたゲストを多くお迎えしてきましたが、同じ経営者でもタイプは様々でしたし、M&Aをする理由やその後のキャリアにも枝分かれする部分があるなと感じてきました。 今回は‟経営者のキャリアとM&A”をテーマにひとつまとめてみたいと思います。 ビジネスの成長フェーズと経営者に求められるスキルビジネスには‟導入期”‟成長期”‟安定期”‟衰退期”といったライフサイクルがあり、特にそのうちの成長段

M&A後の経営者のキャリア 具体事例10

前回の「経営者のタイプ別M&Aの活用法」では、売却後の経営者のキャリアとして‟引き続き経営する”‟得意なフェーズの経営に注力する”‟投資家になる”の3種類をご紹介しました。 では、具体的にはどんな事例があるのか? これまでのM&A BANKのゲストのキャリアを分類してみましたので、気になるケースはぜひインタビュー本文もご覧ください。 ・引き続き経営するリソースやスキルの問題で苦戦していて、それらの問題を解決できる尊敬できる買い手候補が見つかった場合、M&Aで買い手企業傘下で

資本政策の後悔と反省

いつ、誰に、いくらで、何株割り当てるかを考える‟資本政策”。 資金が豊富でない創業者なら基本的に持ち分は減る一方。「まずい」と思ってから株を買い戻そうと思っても、同意を得るという点でも資金を準備する点でも回収は難しいため、初期の判断が原因で思うように経営ができなくなり、長期間苦労するケースも少なくないようです。 M&A BANKのインタビューでも、売却後の2周目の経営では1周目の反省を活かしているというお話が度々出てきました。 今回はそれらのノウハウをまとめてみたいと思いま

M&A 売買交渉の事例まとめ

あらゆる売買で共通することですが、売り手は高く売りたい、買い手は安く買いたいものです。 M&Aの交渉にあたり、どんな工夫をして臨んだのか、相手からどんな交渉をされたか。 これまでのゲストがシェアしてくださった事例や知見をまとめてご紹介します。 売り手の工夫少しでも高く売りたいのであれば、やるべきことは大きく次の三つです。 ・魅力をわかりやすくアピールできるようにしておくこと ・その事業を欲しいと言ってくれる会社を見つけること ・相手に合わせたアピールポイントを加えること

売却するタイミングの決め方ーざっくりつかむM&A①

売却を急いでおらず、「ベストなタイミングでしたい」なら 内部環境と外部環境の両方を考慮して決断しましょう。 この記事は、 「いつかM&Aイグジット(売却)をするかもしれない」 「とりあえず最低限のことだけ知りたい」 「M&Aの全容をざっくり把握しておきたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第1回です。 ▼予定コンテンツ▼ 1. 売却するタイミングの決め方 2. M&Aの進め方:全プロセスと個別相対方式/入札方式 3. 売り方:売却スキームの選び方 4. 売却戦略

M&A(売却)の進め方:全プロセスと個別相対方式/入札方式ーざっくりつかむM&A②

時には10段階に分けて説明されるM&Aのプロセス。 「何も考えずに買い手に合わせて話を進めると不利な交渉になるので、 3つの観点からステップが追加されている」 と考えると、流れが頭に入ってきます。 この記事は、 「いつかM&Aイグジット(売却)をするかもしれない」 「とりあえず最低限のことだけ知りたい」 「M&Aの全容をざっくり把握しておきたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第2回です。 ▼予定コンテンツ▼ 1. 売却するタイミングの決め方 2. M&Aの進め

売却スキームの選び方ーざっくりつかむM&A③

M&Aのスキームは大きく7種類あるうえ、 さらに細かい条件があったり、工夫ができる部分もあったりで 違いを正確に把握するのは大変です。 専門家とベストな設計を相談できるよう、 まずは大まかな特徴と、スキームを選ぶ際の観点となることを把握しましょう。 この記事は、 「いつかM&Aイグジット(売却)をするかもしれない」 「とりあえず最低限のことだけ知りたい」 「M&Aの全容をざっくり把握しておきたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第3回です。 ▼予定コンテンツ▼

評価を上げるためのセルサイドDDーざっくりつかむM&A④

M&Aを検討している方なら、”DD”と聞けば 「買い手が行う調査」をイメージされるでしょう。 しかし、「買い手がすることだ」と悠長に構えていると アラばかり指摘されることにもなりかねません。 それを避けるためには、売り手側での事前のDDが必要です。 この記事は、 「いつかM&Aイグジット(売却)をするかもしれない」 「とりあえず最低限のことだけ知りたい」 「M&Aの全容をざっくり把握しておきたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第4回です。 ▼予定コンテンツ▼

M&Aの金額の決め方:企業価値評価とプロジェクションーざっくりつかむM&A⑤

M&Aの金額の決め方に正解はなく、 ある意味お互いが納得さえすれば、どんな決め方でも成立します。 ただ、買い手と売り手の想定額に大きな差がある場合は 根拠をきちんと説明して、相手に納得してもらう必要があります。 売り手となる方は、できれば買い手との初回の面談までに 希望額を根拠を添えて伝えられるよう、準備しておきましょう。 この記事は、 「いつかM&Aイグジット(売却)をするかもしれない」 「とりあえず最低限のことだけ知りたい」 「M&Aの全容をざっくり把握しておきたい

理想的な交渉・やってはいけない交渉ーM&A交渉のポイント①

この記事は、M&Aの交渉にあたり、 「不利な条件を飲まされないようにしたい」 「交渉を優位に進めるために、何に気を付けるべきか知りたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第1回です。 ▼予定コンテンツ▼ 1. 理想的な交渉・やってはいけない交渉 2. 交渉が成立する条件 3. 交渉力・立場を強くする要因  4. 要望を通すための交渉術  5. M&A交渉の実際の手順とポイント 利益を守ろうとした結果、損をする?“交渉”と聞くと身構える人が多いのではないでしょうか。

交渉が成立する条件ーM&A交渉のポイント②

M&A交渉を控える方のための連載の第2回では、「交渉が成立する条件」を取り上げます。 交渉スキルのご紹介に入る前に、交渉が成立する条件を把握して、それが満たされるように意識していきましょう。 キーワードは「相乗効果」「優先順位」「即金」です。 この記事は、M&Aの交渉にあたり、 「不利な条件を飲まされないようにしたい」 「交渉を優位に進めるために、何に気を付けるべきか知りたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第2回です。 ▼予定コンテンツ▼ 1. 理想的な交

交渉力・立場を強くする要因ーM&A交渉のポイント③

M&A交渉を控える方のための連載の第3回です。 今回は「交渉力を強くする要因」を取り上げます。 特に売り手は交渉の際に弱い立場になりやすいため、その要因を理解しておき、交渉の際に意識的にふるまえるようにしましょう。 ポイントは、「別の選択肢」「相手の情報」、そして「演技力」です。 この記事は、M&Aの交渉にあたり、 「不利な条件を飲まされないようにしたい」 「交渉を優位に進めるために、何に気を付けるべきか知りたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第3回です。

要望を通すための交渉術ーM&A交渉のポイント④

M&A交渉を控える方のための連載、第4回です。 今回は「要望を通すための交渉術」を取り上げます。 ポイントは「他で譲歩すること」、「相手に言わせること」、「似た事例を探すこと」。 交渉の中で使えるフレーズも覚えておきましょう。 この記事は、M&Aの交渉にあたり、 「不利な条件を飲まされないようにしたい」 「交渉を優位に進めるために、何に気を付けるべきか知りたい」 という方に向けてお届けする全5回の連載の第4回です。 ▼予定コンテンツ▼ 1. 理想的な交渉・やってはいけな