見出し画像

40台半ば。ある日、ひとりでスイスの山に登ることにした Day −0.5 ~ぜんぜん宿やってないじゃん!~

Day -1はこちら


別にスイスだけじゃないし、山登ってただけでもないんですが、昨年の初夏、たまたま突然2週間休めることになって、「奥さん置いて一人で好きなことしました」というのを振り返る自己満足シリーズです。だって、コロナだし、旅が恋しいからさ。

Day -0.5

とりあえずヨーロッパ行きのチケットは取り(マイルなので直前までキャンセル可)、メインのコースを決めるためにまたググります。

この時点で本命はツール・ド・モンブラン。ケーキのモデルになったことで全日本的に有名なモンブランの回り150キロを2週間(標準)かえて回るという絶景コース。

画像1

モンブラーン

急げば10日くらいで回れそうだし、宿はだいたい5キロ毎にあるので安心、さらに途中で街に降りてしまってそのままリタイアすることも容易らしい。(山登りにおいて途中でリタイアできること重要です。怪我したあと、街に出るまで何十キロも歩くと本当に辛いので。)

「もうTMB(※)1択!」

と、心を決め、更なるディープ情報探索へと進みます。

※TMBとはtour de montblancの略で、サイトとかだとほぼそう略されてる。もう頭の中は「つーるどもんぶらん」ではなく「TMB」なのである。

TMB界隈では「決定版!」と言われる英語のTMB本「Tour Of Mont blanc Complete two-way trekking guide」を買い、読み進めるほどに興奮は最高潮。「1日に15kmは歩けるかなぁ。安全を見て10 kmごとに宿をとるかなぁ」「そもそも宿は予約しないとまずいかなぁ」「この宿はご飯美味しそうだなぁ」などと妄想Maxです。(帰任前だというのにほぼ仕事が手がつかなかったことは言うまでもない。いや、もう帰任直前で残務は全て終わっていたに違いない。)

いよいよ実際の計画をたてる段階で重要になってくるのがTMB公式サイトです。(TMBって、入ってるでしょ?)

画像2

au tour du mont blanc

このサイト、道中の諸々、注意点、見所から始まって、そのまま宿の予約も取れるという優れものです。なんとなく宿の状況を見ると「Open」とか「365」とか書いてあって、まぁ大丈夫そうな感じ。でも、なんだか「Open middle of June」とか「Not decided Yet」みたいなのも多い。「すでに5月も末にかかろうとしてるのに『まだ決まってねー』って、おかしくね?」「じゃ、空いてる宿はなんなんだ?」と、場所やら何やらを調べていくと通年営業の小屋はどれも町よりにあって、「山小屋」というよりも、「山に登るときに前泊するホテル(なんだったら車で行ける)」であることが発覚。

そう思って調べると山の中の山小屋(まぁ、山小屋はいつも山の中だけど)という山小屋は全部6月初旬は空いてない。

どうも日本アルプスなどと同じく、6月くらいまでは雪が全然残っていて、6月中にルートの除雪をして7月からの本格ハイキングシーズンに備えるのがアルプストレッキングルートの基本らしい。よって、オープン時期はなんとなくぼかしていて、雪解けが遅ければオープンも遅れ、早ければ早める的な自由気ままなヨーロピアンスタイル。

「頑張って『前泊ホテル』間を1日で移動する?」と思って見たものの絶対無理。かと言ってテントで間を埋めるにもテント持ってないですし、使ったことないですし。

「全然TMBできねーじゃねーか!」

と、涙したのが出発10日ほど前の5月21日くらい。

(続く)

しがない(ほぼ)無職の中年ですが、サポートしていただけたら喜びます。