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パフォーマンス・音楽・アートの扉_culture

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身体という物質性、知覚の直接性に興味があります。 目と耳、そして皮膚感覚。 それら刺激に満ちた世界。
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#音楽批評

【ライブ】 ドラムデュオ〈ダダリズム〉。京都のライブハウス「外 soto」におけるライブ

(写真=Arts Support Kansaiより) 以下の稿は 《ケンジルビエン(KEN汁ビエン)Kenjiru Bien〜異能の身体〜》 の後編として書かれています。 スリーピースバンド〈空間現代〉の運営する京都市左京区鹿ケ谷法然院西町にあるライブスハウス「外 soto」。 彼らが作り出したこのライブハウスは、関西圏に新しい音楽シーンを引き込むエキサイティングな場として注目を集めている。 ドラムデュオ〈ダダリズム〉の「外 soto」での初ライブは、2016年9月から始

【音楽評】 寒川晶子〈ド音ピアノ〉ド音という停止でも前進でもない多音、そして七里圭作品

七里圭監督が〈音から作る映画〉の一環として製作した『サロメの娘』。 音から作るとは、文字通り、はじめに音があり映像が後にある、という意味だ。 通常ならはじめに映像があり、その後に劇伴が制作される。劇映画に限らず、テレビドラマやドキュメンタリー作品でも、音楽は後にくる。 ところが、七里圭監督はそのことに疑問、いや、疑問というよりも違和感を覚えた。映画にはサイレントからトーキーという歴史があるのだが、いつの間にか音は映像に凭れかかり、その結果として映像に回収されるようになった。