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パフォーマンス・音楽・アートの扉_culture

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身体という物質性、知覚の直接性に興味があります。 目と耳、そして皮膚感覚。 それら刺激に満ちた世界。
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#金沢21世紀美術館

【美術評】 ダグ・エイケン『 i am in you』金沢21世紀美術館

ダグ・エイケン『i am in you』(2000年) 中央に1つ、周辺に4つのスクリーンで構成された映像インスタレーションである。 アメリカ郊外の日常的な風景が映し出されている。タイトル『 i am in you』は英語的に日常的な表現なのか、それとも詩のような表現なのか、わたしの英語知識では判然としない。 「わたしはいる、あなたの中に」 わたしという存在はあなたの中に本当に在るのだろうか。そして、在るとすればどのように在るのだろうか。物語の登場人物は少女のみ。そのほか

【美術評】 原田裕規『Waiting for』についてのレポート@金沢21世紀美術館

写真=金沢21世紀美術館 以下の文は金沢21世紀美術館|アルベルト14で開催されている原田裕規『Waiting for』の映像作品についてのレポートです。 会期:2021.6.15〜2021.10.10 (レポート1) 荒涼とした風景がゆるやかなカメラ移動で映し出される。湖や草木もまばらな彩度を落とした地上の風景。水や草木といった有機物は存在するものの、人間はおろか動物でさえ生きてゆけるのだろうか不明な大地。大気の移動を感じさせる風の音はあっただろうか。思い出そうとして

【美術評】 エリプシス|フィオナ・タン『セブン Seven』(金沢21世紀美術館)

金沢21世紀美術館で開催された フィオナ・タン Fiona Tan《エリプシス ELLIPSIS》展 《エリプシス ELLIPSIS》が開催されたのは2013年8月3日〜11月10日。 フィオナ・タンの映像作品に興味を覚えるわたしは、金沢まで見に行くことにした。 本題に入る前に展覧会カタログについて。 わたしは気に入った展覧会のカタログは購入することにしているのだが、その時はどういうわけか買い忘れてしまった。それからしばらく経ち再び金沢を訪れたのだが、カタログはすでに完売