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パフォーマンス・音楽・アートの扉_culture

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身体という物質性、知覚の直接性に興味があります。 目と耳、そして皮膚感覚。 それら刺激に満ちた世界。
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#美術評論

【美術評】 マヤ・ワタナベ 《Suspended States 滞留》 Part.1 『崩壊』

マヤ・ワタナベ『崩壊』9分ループ(2017) 映像インスタレーション 本作の映像インスタレーションは生と死へと向ける視点への接近なのだが、見ること自体への言及でもある。世界は視線によって分節化され、そのことで世界は意味の存在を現し、視線によって世界は解体される。 “マクロ” と “ミクロ” を同時に見ることはできないということ。 この稿では、本作を、眼・見ることの観点から述べてみたい。 “表/裏” 二面のスクリーン。”表/裏” と言っても、どちらが表なのか裏なのかは意味

【美術評】 ダグ・エイケン『 i am in you』金沢21世紀美術館

ダグ・エイケン『i am in you』(2000年) 中央に1つ、周辺に4つのスクリーンで構成された映像インスタレーションである。 アメリカ郊外の日常的な風景が映し出されている。タイトル『 i am in you』は英語的に日常的な表現なのか、それとも詩のような表現なのか、わたしの英語知識では判然としない。 「わたしはいる、あなたの中に」 わたしという存在はあなたの中に本当に在るのだろうか。そして、在るとすればどのように在るのだろうか。物語の登場人物は少女のみ。そのほか