部署の立ち上げに関わった話 最終話

さて、そんなこんなで人事発表まで後2週間というところで異動が決まったわけですが、ここからの2週間、メンバーには誰一人として異動の事実を言っていませんでした。

というよりかは、口封じされてました。

それもそのはず、人事情報はトップシークレット。
万が一漏らせばコンプライアンス的に危なくなる。

とはいえ、人事発表の前にはメンバーに知らせるだろうと思ってました。

この2週間の間にも、新規の電話がけをフツーにしてたり、訪問やアポにも行ってました。

めちゃめちゃ心ここに在らず状態でしたが。

異動の事実が内密になっている状態の中で、仕事をするのは仲間を裏切っているのではないか。

「4人で支社立ち上げよう!頑張ろう」

という言葉を聞くたびに、胸が痛かった。

「その4人には私はいない。どうしていれないのだろう」

そんな悶々とした中、人事発表がやってきます。

私はソワソワしながら残していくメンバーを見ていました。

人事発表が終わって

チームの朝会。皆沈黙。
直属の上司が「何、この空気。」
メンバー「いや、そりゃそうなりますよね。」
半ば喧嘩腰でそう言っていました。

「4人で」支社を立ち上げる
「4人で」新規営業頑張る

何かにつけて、全部「4人で」してきたことが、全て「3人に」なる。全て足りない状態になるのです。

人事発表があった日、職場近くの大衆居酒屋で4人で飲んでいると、メンバーが呼んでくれた、別部署の上司が来てくれました。
当時同じフロアで仕事をしており、人材育成の部署の責任者の彼は、元々サービス業の人事部長の経験を持つ人でした。

彼が一言「今回の異動について率直に教えて。どう思った?」

「嫌だなって思ってました。人事が嫌というよりも、みんなに言えなかった2週間が本当にしんどかったです。裏切りながら仕事をしているようで。」

メンバーにも、別部署の上司にも気持ちは伝わっているようでした。

そして、メンバーは「アルバイト・パートの知識をつけて戻ってきてよ。それまで頑張るよ。」と言ってくれました。

そして、会社が長期休暇に入るまでの1週間の間に机上での引き継ぎ、異動後2週間で訪問による引継ぎを全て完了させ、次の部署の本格的な業務に取り掛かることになります。

その後のチームは、私が抜けた後、さらに団結を深め、私が置いて行った数字とメンバーの頑張りもあり、次の四半期で利益目標を達成。

大きな売り上げを見込めた顧客(後一回お伺いすれば受注になった)を引き継いだメンバーはその四半期で、あわやクラス別ランキングで1位になろうかというところまで来ました。
(2位になった時、あんだけ大きなお客さん引き継いだのになんで一位じゃないんだよ笑って言ったのは内緒です。)

しかし、その4ヶ月後、1人のメンバーの退職、それに伴う補充をすることなく、チームは消滅しました。

担当エリアの維持の条件が営業3人以上なので、2人になってしまった以上仕方がないことなのですが、
「立ち上げは歓迎!でも結果が出なければすぐに潰す。」

そんな印象をうけました。

でも、この経験は本当に無駄じゃなかったなと思います。
困ってる社長にもいっぱい会えたし、思い入れのあるお客様も増えたし、一緒に仕事したいメンバーと仕事できたし。

投資してくれた会社にも感謝はしています。
でも、愛社心(?)が大幅に減ったのも事実です。


こんな感じですかね。
いかがでしたでしょうか?なかなかまとめきれなかったですが。

楽しみに読んでいただければ幸いです。


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