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[GENDA]M&Aに向けた公募増資に関するまとめ

2024年8月5日に株式会社GENDAは「よくある質問と回答(2024 年8月)」と題して、2024年7月16日に発表した公募増資に関するQ&Aを公表しました。

本記事では、同社の上記資料から、M&Aに積極的に取り組む企業が学べるポイントをご紹介します。

公募増資の背景と目的

  • GENDAは、M&Aを成長戦略の核としており、今回の公募増資は、M&A戦略を加速させるための資金調達を主目的としています。また、財務基盤の強化株式流動性の向上も重要な目的として挙げられています。

  • 公募増資により調達した100億円は、今後のM&A活動に充当される予定です。GENDAは、上場後のM&A案件ソーシング能力が強化されており(前期1年間で170件だったソーシング件数が、今期は開始3ヶ月で既に99件に達している)、豊富な資金を元に、今後も積極的にM&Aを推進していく姿勢を示しています。

  • GENDAは、Cash EPS(一株当たりキャッシュフロー)の希薄化を最小限に抑えながら、公募増資を実施しました。発表時の株価水準が上場来最高値圏であったこと、海外機関投資家からの大幅な超過需要があったことなど、好条件での資金調達が可能となりました。

    • 具体的には、発表時の株価水準は上場来最高値を2営業日連続で更新した7月16日の引け後であり、希薄化の最小化が可能なタイミングでした。また、発表当日の夜時点で既に海外機関投資家からの大幅な超過需要を形成しており、新株発行による株式数の名目的な希薄化率は約7%でしたが、翌営業日の7月17日の株価終値は▲2.5%の下落に留まりました。

  • 調達した資金を効果的に活用し、Cash EPSを向上させることで、株主価値向上に繋げることが期待されます。GENDAは、調達した100億円を全て今後のM&Aに使用し、過去の資金調達の返済など、連結キャッシュフローを増やさない方法では使用しないことを明言しています。

*Cash EPSについては、下記の記事をご確認ください

M&A戦略の強化

  • GENDAは、上場後、M&A案件のソーシング能力が大幅に向上しています。取引金融機関約50社、M&A仲介業者約100社から、毎日潜在的なM&A案件の紹介を受けています。前期1年間で170件だったソーシング件数が、今期は開始3ヶ月で既に99件に達しており、これは上場効果によるものだとGENDAは分析しています。

  • 今回の公募増資により、GENDAはM&Aを実行するための資金的な制約から解放されました。IPOで調達した資金は設備投資向けでありM&Aには使用できなかったため、M&A資金として自由に使える資金を豊富に持つのは今回が初めてとなります。これにより、M&A戦略を更に加速させ、企業価値向上を目指すことができます。

  • GENDAは、株式交換や株式交付によるM&Aも視野に入れており、成長戦略を柔軟に進めることができます。通常の公募増資では、投資家保護の観点から新株発行が制限されることが多いですが、今回のGENDAの公募増資では、「株式を取得対価とするM&A」を行う場合に限り、公募増資完了後の発行済み株数の5%までの新株発行を許容するストラクチャーとなっています。

財務基盤の強化

  • GENDAは、公募増資により純資産を約200億円から約300億円へと1.5倍に増加させました。これにより、財務基盤が強化され、社債発行などの資金調達手段の選択肢が広がります。

  • また、借入余力も大幅に改善されました。GENDAは、Net Debt / EBITDA倍率を借入余力の目安としており、今回の公募増資により、この指標が改善されました。試算では、今回の公募増資で得た資金100億円により、追加的に550億円の有利子負債が調達可能となる計算となります。

  • 具体的には、金融機関との議論の中では Net Debt / EBITDA 3.0x が借入余力の目安とされており、足元の同指標は 2.0x でしたが、今回の公募増資によってこれが大きく改善されます。

株式流動性の向上

  • GENDAは、株式分割に加え、公募増資における株式売出しを通じて、株式流動性の向上を図りました。IPO後の株主の大部分が長期保有を前提としていたため、株式流動性が課題となっていました。具体的には、「吉村英毅・ミダス B 投資事業有限責任組合」が約 38%、「ミダスキャピタル G ファンド有限責任事業組合」が約 5%、当社役職員合計で約 24%を保有しており、IPO時の株主も長期保有を前提としていました。

  • 今回の公募増資では、既存株主であるミダスキャピタル G ファンド有限責任組合の一部が株式を売却し(1.5%、約 20 億円)、新たな投資家の参入を促しました。これにより、機関投資家などからの投資を促進し、株主層の拡大が期待されます。結果的に、足元で取引高は有意に増加しており、流動性の向上に伴い、中長期的にはセカンダリーマーケットでの大型の機関投資家の買い付けの素地も整えられたものとGENDAは考えています。

まとめ

株式会社GENDAは、今回の公募増資を機に、M&A戦略を更に加速させ、企業価値向上を目指します。調達した資金を活用し、積極的なM&Aを展開することで、成長を加速させていく計画です。また、財務基盤の強化や株式流動性の向上にも取り組み、持続的な成長と株主価値向上を実現していきます。

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