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ある日の尾鷲

自然環境リテラシープログラム・尾鷲第1回 11/20.21

はじめまして。
三重大学生物資源学部2年ののまです。

昨年度の自然環境リテラシー学実習に受講生として参加し、今年度の自然環境リテラシー学プログラムには学生スタッフとして参加しています。

この記事では今回のプログラムで記憶に残っている出来事について、ランキング形式で紹介していこうと思います。
(口調や順番がうろ覚えな点はご容赦ください。)


それでは第3位から!

第3位
「はじめてならでは」

ランキング第3位では、1日目の昼食後の出来事を紹介します。

    ガイダンスを受ける受講生の皆さん


尾鷲に到着し、昼ガイダンスや昼食を終え、各自カヤックの準備をすることになりました。

受講生達の様子を見に行くと

「先輩、今日は海に落ちますか!?」
「服は?水着と短パンだけで良いですか?」
「ウィンドブレーカーだけで大丈夫ですか?もっと何か来た方が良いですか?」
「スマホは!?スマホはどうすべきですか?」

てんやわんやです。
なんかリテラシーっぽくなってきましたねぇー、としみじみしつつ
「大丈夫なんじゃない?まぁ落ちてもなんとかなるさ。」
「今はあったかいけどどうだろうね。とりあえず風除けは持って行っときなよー。」
「寒くなるかもねぇ。」
「スマホは海水で濡れたら終わるから、死ぬ気で守った方がいいよー。ジップロックは信じない。」

と、めちゃくちゃ適当な返答をしました。
(受講生の皆さん、すみませんでした。)

私の適当なアドバイスが役に立つわけもなくその後も
「寒いかな!?けど、今日もし濡れたら明日の服がない!」
「俺はもうスマホは置いていく!」
「下は?短パン?ジャージ?どうする!?」

とあーだこーだと皆で相談しながらカヤックに乗る準備をしていました。

その後、なんとかそれぞれが満足のいく装備で時間通りに集合し、無事出艇。

  各々悩み抜いた装備で川を漕いで行く皆さん

実際にカヤックを漕いで、海の上での感覚が分かったのか次の日はてんやわんやすることなく、スムーズに装備も決まり、出艇していました。
初めてならではの会話だったんだな、もしこの子達が来年スタッフをするのなら私と同じようなことを思うのかな、と少し感傷に浸りました。

以上、第3位「はじめてならでは」でした!


第2位
「1年の差?」


続いて第2位では2日目の朝の出来事を紹介します。

夜レクチャーに来てくださった尾鷲市役所の方々に黒の浜の日の出はすごいとおすすめされた事もあり、

明日は日の出みるぞー!

と受講生の皆さんは意気込んでいました。

ですが、焚き火のぬくもりや、久々の友達との会話など、色々な要因が彼らを引き止め、誰も焚き火から離れようとはしませんでした。

  焚き火で暖まる皆さん。冬の焚き火は至高


日の出を見るためには6時ごろには起きなければいけません。

はじめてのカヤック、はじめてのキャンプと慣れないことの連続で疲れただろうし、多分誰も起きれないだろうと思っていました。

ところが次の日、私の予想は見事に裏切られます。


まだ夜の明けていない、薄暗い時間に私は寒さで目を覚ましました。
ずり落ちていた布をかけ直し、再び眠りにつこうとしたその時、外から声が聞こえました。

「さむすぎるー。」
「日の出まだかなー?」
「けどあんまり眠くないなぁ。」

男の子の声です。

  朝起きて日の出を見る受講生。私は爆睡中

起きたんか、元気だなー、やっぱ1年の差って意外とでかいんかな、などと思いつつ、外から微かに聞こえる声を睡眠導入BGMにして私は再び眠りにつきました。

その後もなにか色々話していたように思いますが、どこからが私の夢なのか曖昧で覚えていません。

起床時間になり、朝ごはんが置いてある方に行くとすでに何人かの受講生が朝ごはんを食べていました。

「日の出みれたの?」
「はい。」
「起きれたのすごいね。寝てたわ。」
「寒すぎてあんまり寝れなかったのもあって、意外とすんなり起きれました。」

なるほど。寒かったのか。

他の人も皆寒さで眠れなかったと言っていたので、今回皆が早く起きられたのは、寒さによる浅い眠りのおかげだったのかもしれません。

また、私も寒くて目が覚めましたが、すぐ二度寝したので、これは若さとかではなくただ私が出不精で朝に弱いだけ、と逆に現実を突きつけられた朝になりました。

以上、第2位「1年の差?」でした。

「尾鷲のシンボル」

第1位を紹介する前に、ランキングとは関係なく、私がどうしても記事に残したい話をさせていただきます。

それは尾鷲の発電所の煙突についてです。

尾鷲のシンボルとして長い間そびえていた尾鷲の発電所の煙突は昨年から解体が始まり、今では土台だけになっています。

昨年度のリテラシー実習2日目に、私ははじめて海から尾鷲の発電所の煙突を見ました。
海から見るその大きな煙突は

私は今、尾鷲の海にいる。


と実感させてくれ、リテラシー尾鷲回でもっとも印象に残った景色になっています。

その後、NELC(自然環境リテラシークラブ:自然環境リテラシー学を学んだ学生が年間を通して活動するサークル)の活動で何度も尾鷲の海を漕ぎましたが、いつも尾鷲の煙突は私にとって特別な景色でした。特に熊野海道では長い距離を漕いだ後、ようやく見えた煙突は、
ああ、やっと知っている海に帰ってきたんだ
と大きな安心感を与えてくれました。

 熊野海道で見た尾鷲の煙突。最高の2ショット。


また、山から見た尾鷲の煙突も記憶に残っています。
昨年度の春に尾鷲の子供達(寺子屋キッズ)と一緒に山に登った時、すでに解体工事が始まっており、定期的にドーンッ、と煙突を解体する大きな音が聞こえていました。
それでも山の上から見る煙突は尾鷲のシンボルとして、堂々と立っていました。

      山から見た尾鷲の煙突

ああ、もう次来る時にはこの煙突はないかもしれない。

そう思い、高所に少しビビりながらも、煙突の姿を目に焼き付けました。


そして、今回久しぶりに尾鷲へ来て、煙突を見ました。

    哀愁ただよう解体中の尾鷲の煙突

すでに上の部分は解体され、残りわずかに足が残るばかりです。

寂しい、とまず思いました。
ですが、それと同時に解体が進み、近代芸術のような姿になった煙突を見て、

この跡地にはどんな未来ができるのだろう。

とワクワクしました。

知っている景色がなくなるのは寂しいものですが、そこから新しい景色ができていくのを見られることは、とても光栄で、素敵なことです。

今後、尾鷲のシンボルの煙突がどう変化していくのかを尾鷲の海から、そして山から見ていきたいです。


…さて!お待たせしました!
皆さんお待ちかねの第1位の発表です。

第1位
「修羅場」

映えある第1位は、2日目のお昼ご飯の後の出来事です。

その日は朝、黒の浜を出てから、ずっと私が船団の先頭を務めていました。

その時、私は朝から飛ばしすぎて後ろを置いてけぼりにしたり、船団を分断させてしまったりと色々とやらかして少しへこんでいました。

大渡鹿の浜でお昼ご飯を食べ、再出艇。
少し波が荒れていたこともあり、出艇は学生スタッフが押して手伝うことになり、私は1番最初に皆さんの手本として、出艇することになりました。

       白波立つ大渡鹿の浜

目の前には大きな波、後ろには後輩。

失敗したら、一生の恥。

口ではこわいー、と軽く言っていましたが、
もう頭の中はパイレーツオブカリビアンの曲がガンガンに流れ、いざ戦いへ!というレベルに緊張していました。

武者振るいしている私を、今回のリテラシープログラムのガイドさんである、シーカヤックステーション小山ハウスの森田渉さんが波のタイミングを見て思いっきり押し出してくれました。

    出艇を手伝ってくださる森田さん


波に突っ込んで行き、ただただ漕ぎまくります。

がむしゃらに漕ぎまくり、気づいたら目標の黄色い浮きのところについていました。

少し放心した後、

ああ、私はやり切ったんだ。耐えたー。

じわじわと実感が湧いてきました。

  全員無事出艇。笑っているが修羅場の直後。

受講生には余裕そうに
「大丈夫だった?」
「誰もこけなくてよかったねー。」

などと言いましたが、1番緊張していたのは私だったかもしれません。

今後はもっとスマートに出艇できるよう、練習しようと思います。


以上、第1位「修羅場」でした!

最後に

今回のプログラムは私が今年度はじめて学生スタッフを務めた回で、慣れないことも多く、手間取り、迷惑をかけた場面もありましたが、全体的にはしっかりとコミュニケーションを取ることができたので、スタッフ1回目としては及第点だったのではないかな、と思います。

      尾鷲回の受講生の皆さん。
    これからもよろしくお願いします。


これからも私は色々なプログラムに参加し、また記事も書いていくので、どうぞお楽しみに!


最後までお読みいただきありがとうございました。

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