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3年ぶりの海外出張記〜暗雲立ち込める45678日目〜

コーヒーブレークで食事を済ませる女

今日から学会。飲みすぎたのか昨晩よく眠れず、朝寝坊してしまった。そのまま発表練習をして会場に向かい、発表を済ませると午後3時。空腹。しかし国際学会は大抵の場合、coffee breakと銘打ってコーヒーとお菓子を振る舞ってくれる。この日も食べ応えのあるクッキーが出ていてありがたかった。

PCR検査予約はミッションインポッシブル

開始早々に自分の発表を終え、晴れてお仕事完了となった私の次なるミッションは、PCR検査の予約だった。2022年5月時点では、帰国の前にPCR検査が義務付けられている。計画的な人々(含・上司)は日本にいる間に予約を完了していたが、世の中そんな人ばかりではない。上司が予約したクリニックは満員、他にも政府の提供しているリストの上の方は既に埋まっていた。下の方までクリックして、やっとこさホテルから徒歩で行ける範囲で良さげなクリニックを見つけて申し込みを完了。

さて世の中には私の上司ほど計画的な人もいれば、私よりもさらにズボラな人もいる。一緒に来ていた日本人のBさんは、帰国前にPCR検査が必要なことも知らず、みんなに言われて慌てて予約した検査がPCRではなく抗原検査だった。危うく日本に帰れないところ。気づいてあげた私はお手柄だ。

ウェルカムレセプション

学会のウェルカムレセプションがとても豪華だった。見渡す限りのオーシャンビューにお料理にビール。そして唐突に始まる伝統芸能の披露。太鼓を叩きながら出てきた3人組のうち一際大きい男性は、2発目でバチをへし折って吹っ飛ばしていた。

バチを折った人は足も折れていた

嫌な予感

学会2日目。聞きたい講演が早めに終わり、飲み会に誘われたが体力の消耗を感じて断り、帰路についた。ホテルに着くと喉になんだか違和感。中日なので洗濯をしようと思っていたが、疲労感でそのまま寝てしまった。夜中にノソノソと起き出して、洗濯はおろかシャワーも諦めて、コンタクトを外して本格的に眠りについた。

嫌〜な予感

学会3日目。この日は途中からサボってサイクリングに行く約束をしていたが、朝起きるとかなり喉が痛い。学会だけなら行けなくはないが、サイクリング仲間にこの喉の何かをうつしてしまうと大変だなと思い、1日休むことにした。風邪なら1日寝れば治るだろう。

洗濯だけはしたかった

休んでる間に洗濯ぐらいしようと思った。ホテルのランドリーコーナーは、ランドリーカードを$5で買わされ、最低$10チャージしないと使えなかった。初期投資1700円。と思いきや、洗剤も必要だった。洗濯物を抱えながらスーパーへ向かう。洗剤も900円くらいした。

2600円も前払いしたのに、ホテルに戻ると洗濯機を回すパワーは残っていなかった。大量に陳列された商品に酔ったのか、とにかく気持ち悪く、再び眠りについた。

嫌な予感は確信へ変わりつつ

一晩寝ても、喉はまだ痛かった。頭も痛く、咳も出るようになってきた。調べれば調べるほど状況は黒に近いグレーだ。

ぼる塾の酒寄さん

もはや寝過ぎて眠れず、ベッドの上で所在なく携帯をいじって時を過ごした。ぼる塾の酒寄さんのnote記事「育休中に相方がめちゃくちゃ売れた」を読んでとても面白かったので、酒寄さんの記事をひたすら遡って読んだ。ぼる塾のお笑いが見たくなった。短時間にイイネを押しすぎたらしく、途中からイイネが押せなくなった。

いいねに上限があると初めて知った

PCR検査

もしかしたらただの風邪かもしれないという一縷の希望を持ち、予約してあった帰国前PCR検査へ。2日半寝ていたからか、歩くだけで腰が痛い。フラフラになりながら検査を受け、薬局で喉飴とバナナを買って帰った。帰ってきて息も絶え絶えになりながら、陰性だったとして日本に帰る体力があるのだろうか、と不安になった。結果は明日の夜メールで来るらしい。

仲間意識

翌朝も咳と共に目覚めた。一緒に来ている日本の仲間のうち、1人が陽性判定を受けたと連絡があり、不謹慎ながら少しホッとした。仲間がいた方が何かと心強い。連絡をとると「まずは加入している保険会社に連絡した方がいいですよ」と教えてくださった。仲間は神様だった。

また、日本では考えられないことだが、こちらでは陽性になってもホテルは普通に予約して泊まれば良いし、マスクして買い物も可能、さらには1人なら外食してもOKとのこと。これもありがたい情報だった。そりゃ感染も広まるわ、という気持ちにもなったが…。

高い保険に入っておいてよかった

結果はまだ来ていなかったが、十中八九陽性だと確信していたのと、すぐ翌日が帰国予定日だったので、元気のあるうちに保険会社に電話した。コロナ禍の出張ということで、普段ならクレジットカードの付帯保険で済ます所を、ちゃんとした保険に加入していた。陽性だった場合は、延泊のホテル代や飛行機の変更手数料など全て補償されると聞いて一安心。

涙のうどん

この三日間、オレンジジュースとバナナ2本、ヨーグルト2個だけで生き延びた。食欲が全く湧かなかった。流石にこのままじゃ死ぬと思いつつも、せいぜいお粥かうどんくらいしか食べられそうにない。心配した上司からメールが来ていたので「お粥かうどんが食べたいですが、お店がなさそうです。」と返信してグースカ寝ていたところ「ここの日本食屋さんでうどんのメニューがあります」と地図を送ってくださった。ちょっと泣いた。私は迷惑をかけてばっかりなのに、上司は本当に優しい。

教えていただいたお店に入り1番オーソドックスそうなメニューBeef Udonを注文。久しぶりの温かい食事は沁みた。ブロッコリー、赤ピーマン、もやし、わかめ、玉ねぎ、セロリ、ニンジンと豊富に野菜が入っていて、味は…?と思う部分もあったが、栄養満点でありがたかった。

セロリだけは勘弁してほしかった

Positive Results

うどんを食べ終わる頃、スマホを見ると「Positive Results」というタイトルのメールが来ていた。覚悟はできていたので驚かなかったし、それほど落ち込まなかった。こんなつもりで書いていたわけじゃなかったんだけどな。と思いながら、海外出張記、延長戦に入ります…

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