ふわや_self liner notes

前作「うたた」を先生に見ていただいたところ「あなたは『まず言葉ありき』なのね」と言われたことがきっかけになり、じゃあ言葉そのものを映像で表現してやれ、と天の邪鬼な考えで作りました。
ふわふわ、ふかふか、という柔らかさや浮遊感を表す擬態語を映像で表現しようとしたのですが…成功しているかどうか。

当時(2008年)、自分の作りたい映像は合成やCGを使う方がいいんだろうな、と感じていました。
どうせやるのであれば、最初はあえて実写を使わずに映像トリックというようなことをやろう。
そうすればどのような部分に合成/CGを使えばいいか学べるのではないかと考えて、
実写でどこまでできるかの挑戦となりました。(やっぱり天の邪鬼)
結果、汚れとテグスを消すために3カット合成しましたが、他は全て実写です。
怪獣やヒーローの出てこない特撮みたいなものです(笑)
内容がそこまでトリッキーにならなかったと思うのですが、どう撮影したか想像してもらうのも楽しいかと思います。

合成した方が早いカットをいちいち撮影するため、撮影を手伝ってもらった仲間たちには苦労をかけました。(高橋君は100回以上毛糸を転がしました)
でも「どうやったら実写で作れるか」と撮影方法を考えて仕掛けを作るのは勉強になりましたし楽しかった。
撮影方法では、CMの商品カット撮影でやっていたことを応用しています。
でも透過光の白背景で白いものを撮ろうとしたり、反射しまくるガラス玉が出てきたりと技術泣かせのことばかり。
撮影兼照明部の助さんが「増谷さん(照明を担当していただいた先輩)、俺もうどうしたらいいかわかんないっすよ!」と言っていたのをよく覚えています(笑)
出演していただいた伊澤さんも、わけわからん撮影現場と下手な演出をよく噛み砕いて演じていただけて、有り難かったです。

音楽はmy ghostさんの曲を使わせていただきました。
タワーレコードでジャケ買いしたCDが内容も素晴らしくて、
当時始めたばかりのmy spaceで問い合わせて音源をいただきました。
風の噂でもう音楽活動はされていないとのことで、残念でなりません。
また音楽を作られるようでしたら一緒にもの作りをさせていただきたいと、願っています。

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