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独身女は欲と嫉妬で出来ている

結婚して8年ほど不妊治療⇒昨年妊娠・出産した友人がいる。
不妊治療を夫婦で頑張っていたのを知っているし、何度も挫折したり、周りの子供がいる友人たちに嫉妬していたのも知ってる。彼女から妊活についての話を聞くたび、私は心から「子宝に恵まれますように」と願っていた。

彼女は私の2つ年上。既婚者で家には愛してくれる旦那さんがいる。彼女には友人も多いし、コミュ力も高い。何事にも興味津々で積極的。料理上手。男性女性ともに好かれるタイプ。家族想い。

一方の私はというと、彼女の真逆なのである。
独身・実家暮らし。友人も片手で数えられるだけだし、人見知り。すべてが面倒くさいと感じている超インドア。実家なので料理もしないし、誰かに愛されたことなんてない。家族がいるじゃんと言われそうだが、そうじゃない。家族の愛はほどんどの人が感じたことがあるだろう。私が欲しいのはもう一つの愛なのだ。あなたならわかるでしょ?

彼女の妊娠が発覚したとき、素直にうれしかった。メッセージアプリで連絡してくれたのだが『妊娠した』という文字をみて不覚にも泣いてしまった。某ファストフード店での出来事だった。

ブーケをもらった時以来のうれし涙

今から10年ほど前、当時勤めていた会社の先輩の結婚式に出席した。披露宴には何度か出席したことがあったが、挙式から参列させてもらったのはこの時が初めてだった。

パイプオルガンの演奏とともに新郎新婦が入場してきたときにはすでに涙が止まらず二人の姿をはっきりと見ることはできなかったが、神聖な空間でお祝いできたことは貴重な経験だった。新郎新婦の親族しかいない中、堂々と参列した当時の自分を褒めてあげたいと強く思う。

その後の披露宴が終わると会場の外でブーケトスがあると知ったのだが、驚くことに、周りには既婚者と子供たちばかり。独身女は私だけだったのだ。こんなに惨めなことがあっていいのだろうか?周りから可哀そうな目で見られていると思うと早くその場を立ち去りたかった。少人数の結婚式にこんな罠があるとは思わなかった。

ひとりでブーケトスなんて絶対に嫌だ。と思っていた矢先、「このブーケを渡したい人がいます。まりさん、次はまりさんが幸せになってね。」と友人(新婦)が私を指名したのだ。ブーケトスならぬブーケパス。まさかの展開に一生分泣いたかと思うほど涙が出た。カメラを持ったのおじさんが写真撮影しに来たがそれどころじゃないくらい顔がクシャクシャになっていた。

そのブーケは数日で枯れてしまい、私に幸せが訪れることもなく10年が経とうとしている。残念ながらブーケパスの効果はなかったようだ。

友人の幸せを素直に喜べない

ブーケパス以来、久々のうれし涙は意外とあっけなく涙が止まった。ファストフード店という場所だけに多少こらえた部分はあるが、あの時と比べるとかなりあっさりしていたのだ。

理由は単純。私自身妊娠した経験がないから共感できないのである。同じ女性、同じアラサーだが、さすがに妊娠したことがある人とない人とでは感情に差が出ることは仕方のないことだと思う。彼女が長きにわたる不妊治療の末に授かった命はとてもすばらしく奇跡だと思うが、それを自分のことのように喜ぶことは正直私には難しかった。

表には決して出したことはないが、ここだけの話、周りの幸せを素直に喜べないのである。表面上では「私はあなたが幸せでいてくれてうれしいよ。その幸せが続きますように。」なんて言っていても、心の中では「なんでいつもみんなばっかり楽しんでるの?私は何を楽しみに生きていけばいいの?」なんて自問自答している。

性格悪いと思われても仕方がないのだが、おそらくこういう性格の人は他にもいると私は信じている。人間、欲と嫉妬の塊だと思っているからだ。ただ表には出さない(出せない)だけで、本当はメラメラと嫉妬の炎を燃やしているのだろう。

きっとあなたの身近にもこっそりこういうタイプの人間がいるはず。
もしかしたらあなた自身がそうなのかもしれない…。

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