人を、暮らしを、観る。丁寧に。
本noteの建て付け
このnoteは、2023/9/20に、宮本さんと対談させて頂いたラジオコンテンツを書き起こしたものです。
適宜、読みやすさを考慮し表現の加除を行なっている旨、ご容赦ください。
【ラジオのURL】
https://stand.fm/episodes/650a6d94a08a0c412c282601
※ stand.fmアプリをダウンロードいただくと、バックグラウンド再生が可能となります。記事と合わせてお聴きになりたい方は、そちらがオススメです。
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月刊 コーチング
先月行った対談「食えるコーチになるには?」の反響を受け、シリーズものとして毎月ラジオ収録をお届けすることにしました。
ー 僕の身近なところでは、この対談をきっかけにコーチングやサービス提供の探求にあたっての「共通言語」が生まれています。目線を合わせながら情報交換・探求をできるようになったのが嬉しいですね。
コーチを業としてやっていくことを考えた時、切り口・要素・やること・考えることが膨大にあって、「正直何をしていいかわからん!」となることも多くて。
前回、体系的に語って頂いたので、コーチたちとお話しする際の目線あわせができるようになりました。
1 クライアントさんが欲しい!
Giveとクライアント契約の間の溝
ー クライアントさんと出会うための活動をしていく中で、Giveを意識しながらアウェイでの機会創出をする。でも、そこから「クライアント契約に繋がる」ところには、なかなか辿りつきません。
人のお役に立つ場を作ったり貢献したりすることと、そこから「お客さんになります!」となる状態への橋渡しについてのお悩み相談がありました。
青写真の無さ、解像度の低さ
ー 僕がご支援している中でも、「青写真がない・解像度が低い」状態にあることが多いです。「目下のやりたいこと」に飛びついていて、その先「どういう状態になりたいのか」がない・解像度が低い状態で、すごくもがいている人が多い気がします。
ー 資格を取れたらプラットフォームに登録できて、「さすればクライアントさんと出会えるぞ」という青写真を描いている方も少なくないと思うのですが、(それだけでは)そんなに甘くないなぁという実感があります。
「Giveからの有償化」の具体論:需要と供給バランス
今までのお客様との世界観・新しい世界観
ー 「単価を上げて次のサイクルに行きます」となった時に、今まで5百円で買って下さってたお客様に「千円」でも欲しい、って言ってもらえるかも重要だと思っていて。
テーマが変わったり、前の価格に対する満足度だったりといったこともあるかもしれないんですけど。
単価を上げたことにより離れていかれるんだったら、サービスの見せ方だったり、提供する価値が変わらないと「自然にはその次の金額で買ってもらえるようにはならないんだな」という気づきにもなる。
届けていきたい相手のお財布・顧客像も合わせて変わっていく。新しく出会う方に新しい価格で、というだけの目線ではなくて、今までご一緒していただいた方にとって新規の価格ってどうなのかっていう目線も大事な気がしました。
コーチングサービスが機能するまでのグラデーションと価格設定
ー クライアントさんの「慣れ」の影響もあると感じました。「行動と学習」慣れもそうだし、セッション中の「体感覚を用いる」といったことも。
初めてコーチングに触れる人にとってはアドバンスドな関わりも含めて、「最初から全部フルでできたら大きな変化につながる」ので、高い金額でも成り立つのかもしれないけれど・・・。
クライアントとしてビギナーの人にとっては、「最初からそこまでできないのに、その価格なの?」というところもある。クライアントさんの変化力・コーチングを使いこなせる力のようなものによってくる。
価格設計は、クライアントさんとの関係性の築き方も含めて、すごくグラデーションがあり、難しくて、面白いなって思いました。
そのGiveは「お金を払ってでも欲しい」ものか?
ー クライアントさんご自身とその生活環境にどんな変化が起きていくのかに対して興味を持てるか、ということがとても大切。
セッションだけやって「バイバイ、終わり!」では無いからこそ、適性が必要だなと感じます。
ー 先ほどの「需要と供給」の話もそうなんですけど、コーチはコーチで自分の暮らしがあるわけで。
コーチの暮らしを経済的に成り立たせているリソース(可処分時間・枠)を、「あなたのためにあけて、役立てたい」という提案であり。
クライアントさんとしても「あなたの可処分時間を私のために頂きたい。お金を払ってでも、自分の挑戦に使いたい」と思ってもらえる関係性をつくる。
ここにも、中動態的なものを感じましたね。
「これだけはやっちゃいけないよね!」な関係性
金額の内実を、相手と一緒につめていける関係性
ー 若干耳が痛いな、と思いつつ(苦笑)。「その金額に変わることの内実」ですよね。
クライアントさんとの関係性の中で、目線合わせをしながら変えていく、という捉え方が必要ですね。
ー そうですよね。価格が変わるのは新しい提案であって、それに対してお客さんからも逆提案があって。
お互いに歩み寄るスペースがあって然るべきだなと思いました。
「社会においてのサービス」としてのコーチング
ー 自分の生活環境を整える瞑想アプリみたいな月額サブスクのサービスが、突然「来月から2倍になります!」っていきなりなったら「じゃあやめるわ」ってなりますよね。
今まで続けてきて下さったお客様にとってはそういうインパクト、ありますよね。
ー Giveの質、というところで「クライアントさんがお金を出してでも欲しい」ようなGiveを届けられているんだろうか?と自問することも大切だなと感じています。
ともすれば、「こんなにGiveしているのに、なぜ返ってこない・・・」という独りよがりな状況に陥ることもあるなぁと思っていて。
自分はその金額で買うだろうか?あるいは金額から逆算したときに、その金額を支払って買うものは何か、得ようと思っている便益は何か、「お金を出す側の視点に立ち返る」ことも重要だなと感じました。
お客様一人一人の文脈に応じた価格
ー 僕も去年、適応障害になり休職を余儀なくされた中で、ただ話をできる・聴いてもらえる場からもらってきたものが大きかったです。今はその恩送りをする場を持ち続けている感覚、あるなぁって思いました。
ー 大胆に見せていても実は繊細な宮本さんの繊細さが現れてますね!
そういう細やかな配慮が、人を惹きつける一つの要素だな、と感じました。
2 メンタルヘルスとコーチング
ー コーチングとセラピーの領分をどう分けて学習していけばイイんだろうか?不用意に足を突っ込んじゃうの怖いなぁ、という話をいただきました。感情を扱うシーンで、本来は医療的な専門家の治療が必要な領域に踏み込んでしまう可能性もある。
そういう、メンタルヘルスとコーチングのオーバーラップするところの危険性について、お話を伺っていきたいと思います。
ー 僕がやっている時もそれだなって思うところがあります。というのも、表情を見ていればいつもと違うしんどそうな状態がわかることもあるし、「そもそも寝られていますか?」とか、「体調不良じゃないですか?」みたいな問を、確認として入れることが結構あって。
「今すぐ寝た方がいいんじゃない?」と、セッションをそこで終わらせたこともあります。そういうところの、身体にきている不調・疾病的なところを「あるんだ」とわかっていないといけないというか。
「トンカチ持ったら全部が釘に見える」みたいな、「これもコーチング的に解決できる問題なんだ!」という捉え方を全部しちゃうみたいな。そういう危険性に対するアンテナを持っていなきゃいけないよな、と感じますね。
メンタルヘルスとグレーゾーン
「コーチングの使い方」を学ぶ機会がある社会
ー ありますね。過剰適応は特に、そういうタイプのクライアントさんもいらっしゃるから。最初の握りで伝えていたとしても、大いに起こりうる。「Co-Activeな関係だから、言ってね」と伝えてあったとて、「言えるかどうか」は別。
高等テク的な関わりをセッションの都度、コーチ側からも気づき、出し、グランドルールとして「ちゃんと安心なんだ」というところのアウェアネスを高めて頂くような関わりが、とても丁寧に発揮される必要があるなと感じました。
※ 参考
ー 普通にある話ですよね。普通にある気遣いというか、わざわざ言わないよね、というのが大多数だと思います。
ー そういう機会の創出にすごく興味が湧いてきました。
ー すごく広がりのあるお話ですね。かつ、コーチとしても「クライアントさんの教育をする」ところも、選ばれるサービスとして必要なことかもしれないけれど、もっと(社会として)出来ることがありそうな可能性を感じました。
今月のおすすめ本
今回の収録の内容に役立つ本を、宮本さんにおすすめして頂きました。
(1)物語思考
「なりたい状態」から逆算して今日の行動を選んでいくメソッド。「何をしていいかわからない」状態から脱する足掛かりに。
(2)自尊感情の心理学
今回取り扱ってきた「過剰適応」の話や、ポジティブ心理学からくるウェルビーイングについても触れられています。
(3)ビジネスモデル YOU
自身の「コーチングサービス」を整理するのにとても役立つフレームワーク。考えること・やることを俯瞰できるので施策迷子になりづらくなる。
収録を終えて
参考note
コーチング・コーチングサービスにおける、スジのいい努力とは?という問が湧いてきました。
終わりに
月刊コーチング 9月号。いかがでしたでしょうか?
コーチとしてどう生きていきたいかの青写真、クライアントさんのリアルな暮らしに対する想像力、対峙している目の前の違和感に気づくこと。
抽象度の高い俯瞰的な話から全体像を捉えつつ、個別具体的なお困りごと・シーンにおける着目点も掘り下げながらお届けさせて頂きました。
ぜひ、お読みになった感想・ご意見・ご質問等、メッセージを頂けると嬉しいです。
また、収録テーマも随時募集しておりますので、お気軽にリクエスト下さい。
それではまた、10月号でお会いしましょう!
付録(仮)
note版をご覧頂いた方向けに、有料コンテンツを追加する構想を検討中です。「読んだ!参考になった!」で終えてしまうのはあまりにも勿体無い。
具体的なアクションや、プランを思い描いてみたい・それを僕達や他のコーチにシェアしてみたい。
そんな「具体実践」を分かち合うコミュニティや企画はどうだろうか、と思案しています。ぜひここにご興味があるようでしたら、その旨メッセージを頂けますと幸いです。
反響
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
どこか「仕方ない」と自分の生を諦めていた僕が、人生を取り戻したのは、自分の願いを知り、これを指針に生きることを選び、行動を重ねてくることができたからだなと実感します。
コーチングを学んだことで、僕の変容は加速しました。
労働観が変わり、人生観が変わり、生きる質感が変わった。その感動を届けたくて、コーチの仕事をしています。
そんな僕の挑戦の原点にある想いを綴ったnoteはこちら。
コーチングに触れて、ガラリと人生が動いた話はこちら。
「居場所で人を自由にしたい」想いをインタビュー頂いた動画はこちら
🔸サービス紹介
ご自身の価値観を整理したり、居場所を探していくための構想を、「喋りながら考えてみたい」という方向けに、頭の整理にお付き合いするサービスを提供しています。
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現在はご紹介のみで承っておりますが、ご興味のある方はお問い合わせいただけますと幸いです(公式LINE)。
🔸公式LINE
また、直接まーと喋ってみたいぜ、という方は、気軽にLINEで話しかけてもらえたら嬉しいです(公式LINE)。今は平日10時~14時くらいの時間に話せることが多いです。
「あなたの物語に共に出会う嬉しいその瞬間」を、今から僕も心待ちにしております。