自分とか、
東洋哲学の本を読んでいる。
妻とご縁があって、サイン入りで頂いた本で、僕もとても気になっていたので届くのが待ち遠しかった。
ワンネス的考え方の入口として、自分自身と腸内細菌、みたいな捉え方をしてきた。自分が自分の命だと思っているもの、自分の体だと思っているものは、数多の命の群生で成立している。
それはもしかしたら、地球にとっての僕らが、僕らにとっての腸内細菌と同様なのかもしれない。ガイア理論ってそんな考え方だっけ?なんてたまに思ったりしていた。
それでも、あなたは私で私はあなた、あるいは動植物、モノたち、宇宙と一体…と言われるとピンとこない感覚があったのが正直なところだ。
だけれど、本書で仏陀と龍樹の章に触れ、代謝する僕らの命と、その物質がかつて他のものであったこと、そして僕らから出ていったものも形を変えて何かに取り込まれ、別のものになり続けていることとの関係性を思い、万物の流転と、在り続ける構成要素と、全ての繋がりを想起すると、そんなに抵抗感なく「そういうものかもな」と思えたところがある。
全てがフィクション。
でも、そのフィクションの中で満ちた気持ちで生きようと思うなら、仮観も蔑ろにせず中観にスタンスを据えて、投げやりにならないことが大切だなぁと思う。世界の肯定、長らえたい現世、道のスタンス。
空の話の三つのシーン、面白かったな。
僕個人としては、ここの話とは別に「幽霊」のたとえがしっくりきている。
存在するけど、実在はしない。
あるけど、ない。
「空(そら)」もそうだし、ドーナツの穴もそうかな。
概念としても、物理現象としても、存在はするのだけれど、実体をとらえてみよ、のなると、そうはできないものたち。
あるけど、ない。ないけど、ある。あるとないを没説した世界観。空(くう)。
思えば妻とのなれそめも、空(くう)の話をして意気投合したからだった。
4月に入って以来、こんなに腰を据えて本を読めたのは久方ぶりのことで、貴重な休みをつかってでも没頭したいと思える本に出会えたのは幸せなことだなと思う。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました!
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