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【コーチング】 食えるコーチになるには?

あなたの目に映る人に、今あなたは何をしてあげられるだろう?


本noteの建て付け

このnoteは、2023/8/16に、宮本さんと対談させて頂いたラジオコンテンツを書き起こしたものです。

適宜、読みやすさを考慮し表現の加除を行なっている旨、ご容赦ください。


【ラジオのURL】
https://stand.fm/episodes/64dc3044dba693d2dbefd296

※ stand.fmアプリをダウンロードいただくと、バックグラウンド再生が可能となります。記事と合わせてお聴きになりたい方は、そちらがオススメです。

宮本さんのご紹介

ICF認定資格PCCを保有するコーチ。最初の有料クライアントさんを得た2010年から、13年間コーチ業を担う。ファシリテーター、研修講師、組織開発コンサルタント、大学にてプログラム開発等を行なっている。コーチを軸にしながら、「いい未来をつくる場づくり」をしている人。


企画の背景


僕のこちらのツイートに結構な反響を頂きまして、


宮本さんから投げかけて頂いたものです。


「食えるコーチ」という状況が整うには、さまざまな要素がありそうだ。



学び始めのコーチが、クライアントさんと出会っていく構造


ー コーチングを学び始めてすぐに、クライアントさんと出会うために「noteやTwitterを始めよう、発信頑張らなきゃ」というチャネル育成に目が向きがちだなと感じます。


この辺り、宮本さんが感じていらっしゃる危機感はありますか?

あらためて聴きながら思い直してみた時に、もはや「それすらもプロセスなんだなぁ」と。


クライアントさんがいないと、コーチングがスタートしない。

「コーチングをできるようにするために、クライアントさんといかに出会うか?」というのも、コーチングのトレーニングの一環なんだなと。


CTIの基礎コースのマニュアルにも載っているくらいなので。


そこに向けて発信を始めようとする時に、「私はコーチとして、何者なのか?」が問い直されていく。



もはやそれすらもトレーニングだと捉えるならば、コーチという職業育成の「お客様の巻き込み度合いの高さよ…」、と。



これを裏返してみた時、業界としての質は上がらんよね。有象無象の発信者がたくさん出てきてしまうわけなので。




喩えていうならば、修行を終えていない寿司職人が、「寿司食ってください、寿司食ってください」と触れ回っているようなもの。


(その時のお客さんとしては)海のものとも山のものともわからないものを食わされて「これが寿司かぁ。不味ィなぁ。」ということが当たり前に起きている。


そんな中で、「でも、これが俺にとっての寿司道の始まりなんだ」みたいなことが起きている。



一応、ICF認定の資格制度があり、クライアント側が学習して「ICFの資格取得の有無の差は大きいよ」といった話が出てきたりしていくんだろう。「マッチングプラットフォームがあったら便利だよね、よく知らないし」とも。


こういうことが起きるのだと思うと、コーチングのトレーニングの一環に、「私はコーチとして何者か?」に気づくためのマーケティングやセールスをやらなければいけない、というプロセスがある時点で、コーチング業界の発展が阻害されるな、って、あらためて思った、って感じですね。


これって必要不可分なの?どうなの?代替手段ないの?を考えてみたくなっちゃいました。


ー そこは「悩ましいな」と思って。ICFの資格取得をするにしても有償セッションの時間が必要。一定の品質保証に至るまでのプロセスに、有償セッションの提供が組み込まれている。


例えばコーチングスクールのコミュニティが充実していれば、コミュニティ内でセッション機会を得て量稽古を積むことができるけれど、「すでに一定コーチングに興味がある人としか経験を積めない」というところに、限界を感じます


そもそも各人が「コーチングを学ぶきっかけとなった人たち」に価値を届けるには乖離があるな、と。


やっぱり、ゲリラ戦はやらない方が良くて。コーチング業界の価値も下げていくし。


急にコーチングのコの字もない人のところへ行って、「コーチングさせてください!」と、あまりコーチング能力の高くない時にやると、お互いに傷つく、というところもあるので。


完全ホームのスクールで練習するのと、アウェイですよね。


仕事の文脈で、コーチング能力を使える(でも、相手はコーチングを知らない)状態の中で、どこまで研鑽を積めるか。




だから、例えば研修業界や組織開発業界の2Bで新卒採用をされている会社さんにいてコーチングを学んでいる方は、営業文脈でも使いやすい。

提供商品の中でも例えば「1on1コーチング」の部分を代替します、といった場面でもやりやすい。


あとは人材紹介業・派遣業でスタッフさん・転職支援者であるときにコーチングスキルを使ってみるとか。

その他、対人支援業界の中でやるか、部下を持っていて1on1の中でやるかっていうのが、一番アウェイでの研鑽を積みやすい。



「コーチングを知らないけれど、コーチングスキルが求められている場所」をアウェイと定義するならば、アウェイで能力を高めることができるので、伸びるよなぁ、と思いますね。



アウェイの機会をつくるには

ー ここで気になるのが、仕事の文脈やマネジメントなど、すでに自分がいる場所やポジションがたまたまそういうところにある方にとっては、機会がすごく追い風になると思う。


でも例えば主婦の方とか、全然違う業界にいる方々が、アウェイに繋がっていくための次の一手が思い浮かばないケースもありそうだなと思うのですが、その辺りはいかがでしょう?


それでいくとやっぱ、「インビジブルコーチング」がどれくらいできるかだと思って。


「ここからはコーチング関係です」、と関係性を結んでから行うのが本来のコーチングではあるけれど、その前にもできることがある。


例えば恋愛関係で、「お付き合い」と「告白」。

関係性のど頭から告白して「付き合いましょう」、ではなくて、デートしたり、電話したり、LINEのやりとりをしたり。


「私たちって、なんかいい感じだよね?」となって、「じゃあ関係性をはっきりさせておこう」という一つのピークで「告白」、という流れがあると思うんですよ。



コーチングもこれに類するところがあると思っていて。



インビジブルコーチングで「この人を応援したい!」って決めたならば、いつもより丁寧にお話を聴いてみるとか、好奇心からの質問をしてみるとか。

「めっちゃ話聴いてもらえますね、マジで助かりますわ。なんかやってるんですか?」と言われるくらいまでやってみる。



「実はコーチングを勉強していて。売るつもりとかないんで安心してくださいね」


「30分集中してやるともっと、色々な気づき・発見があると思うんで、お時間もらっていいですか?」みたいな。



そういう会話が起きることを目指してやってみるといいんじゃないかな。まずは一人からでも。



誰が起点になっているかを問わない、パートナーシップの始まり

ー (コーチングの)意図的な協働関係が始まるのは宣言をしてからだけれど、そこに至るまでのパートナーシップは築けるはず。それもまたコーチのスキルですもんね。


マジでそうなんすよ。

「中動態(※)」という話にも繋がってくるんです。『ジェネレーター』という本に詳しく載っていたりとか、哲学者の國分 功一郎さんがよくお話をされていたりするものがある。


主体的・受動的と、行為者が分かれるのが現代社会だと。

例えば、「私があなたにコーチングを依頼する」、という文脈ではクライアントさんが主体的。

クライアントさんからコーチングを依頼された受動的なのが、コーチ。

そこから関係が始まる、みたいなところがある(クライアントさんからの依頼起点で関係性が開始されるイメージ)。



他方で中動態は、「どっちが始まりかわからない」というもの。

遊びみたいな行為であっても、どっちがちょっかいを出したかはわからないけれども、じゃれあっているうちに楽しくなってきた、みたいな子どもたちの間でよくある遊びのようなもの。


ごっこ遊びとかもそうですよね。どちらかが仕掛けたかはもはやわからないのだけれど、やっているうちにヒーローショーになっていたりヒロインショーになっていたり、ディズニーになっていたりとか。



大人でも、飲み会の盛り上がりの時もそうかもしれない。誰かがファシリテーターをしている飲み会ほどつまらないものはない。


誰しもが投げかけあって「わー!」ー!」っとなって、みたいな。それって誰が主体か、キッカケかもわからないのだけれども、全員が主体者であり、受け手にもなっていて。



もはやその時には「行為自体」が主体になっている。


「飲み会」というもの自体がメインにあって、そこに関わっている人がいる、という状態だそうなんですよ。それが中動態だっていう話で。



コーチングも本来的には中動態なんだよな、と思っていて。


コーチ側から「あなたの話を聴きたい」というような関わりがある時もあれば、クライアント側から「あなたに話を聴いてほしい」というような関わりがあって、その協働関係があって結果「コーチング」というものが浮かび上がってくる。


そこにいる「コーチ役」「クライアント役」っていうだけの話。



(今、ジェネレイティブを研究しているので、その成果を発表したいのもあって、)ちょっと哲学めいた話になってしまったけれど、ジェネレイティブな時間をそもそものところで作れない限り、コーチとして、売れていかない



「コーチングをしたいと思って話を聴いていたけれど、相手から聴いてほしいってなってたわ」という状態を作れない限り、多分コーチとして売れていかないんじゃないかな、と改めて思いました。



コーチングが、成立していかないから。


※ 「中動態」について、補足的に参考記事を載せます。

依存症に陥ったひとの生を「中動態的な」仕方で語るとしよう。この場合、彼らあるいは彼女らは、活動の中で「もまれ」ながら何とか生きていっていると理解される。こうなると《意志の力で酒やクスリを止められる》と期待されるべきではない。

むしろ、依存症から何かしらの意味で「脱する」さいにも、当人の意志の力だけではなく別の何かにも頼らねばならない。それは例えば環境を整えることかもしれないし、あるいは相互に支え合うことかもしれない。


中動態で語ることは意志への(従来の)過剰な期待を緩和してくれる。

「中動態」っていったい何?話題の哲学者・國分功一郎の思想を読み解く より引用


ー 場に参加していくというか。

その中で目撃されていくものを並べあって、気づきを分かち合っていくようなことが、セッションの場でも起きている気がします。


相手が欲してくれた時のための準備

「そんな風に言われてもよくわからないよ!」っていう方もいらっしゃると思うので、もう少し言ってみると。


「コーチングをさせてください」ではなく、「コーチングで学んだスキルを使って目の前の人のお役にどう立てるかな。この人の話を聴きたいな」って関わり方。


その中で、相手から「もっと聴いてほしい」というサインが出た時に、提案できる準備をしておこうよ、ということです。


相手が「もっと聴いてほしい。ちゃんと気持ちよく」、となるように、コーチとしてのお店を開いておく。


「すごい話を聴いてもらえてすごく楽しいし、楽になったんだけどなんで?」

「一応こういう仕事しててさ」、と取り出せるものがあるとか。


検索された時に、ネット上にコーチとしての紹介が出てくるとか。そういう状態にしておくといいんだろうな、と思いますね。



ー 「このひとが必要だ。もっと知りたい。」と探してもらった時に、たどり着いてもらえる場所がある状態になっていることも、大切ですね。



先に「役立つ」関係性を始める

ー 「クライアントさんに出会えないんですよね」という相談に乗っている中で、実は身近に(コーチングが役立つ)コミュニティがちゃんとある、というケースが少なくありません。ママ友とか。


そこに対し「コーチング」としか語れない状態でいきなり持っていこうとするから、「それを出したらシャッターを閉じられるんじゃないか・・・」と躊躇してしまう方々が多い気がして。


そもそも「この人の役に立つんだ」っていうところで、(クライアント関係以前に)パートナーシップを作りにいく、ということなんだろうな、と思います。


そうなんだと思うんですよ。

あえてテクニカルにわかりやすくいうと、「あんなに聴き上手な⚪︎⚪︎さんとか、部下に慕われている⚪︎⚪︎さん」っていうポジションが作れたら、「なんで?」って絶対訊かれる


そこで「実はコーチングを勉強していて」…からの「コーチング勉強会」を開くんですよ。


すると、その準備の中でコーチングを学ぶし、「コーチ」として紹介をされる。


するとコーチ、という看板でお金をいただきやすくなる。


会社文脈で考えてみると、

「あんなに噂になっている⚪︎⚪︎さん、部下にならないと1on1してもらえないのか…。」

「私、部下じゃないけど話を聴いてもらいたい。」

「じゃあセッション受けてみよう」


みたいな話になっていく。


ー 僕の実体験としても、有効な方法だな、と感じます。


コーチとしての場を開いてみる

ちなみに僕の場合は1on1で、話を聴かなきゃいけない就労支援・受験生指導・学生指導・コンサルティングで入っていって。


「テメェ誰だよ?」みたいなところからスタートする、「仕事としては用意されてるけれど自力でなんとかしなけりゃいけないキツめのところ」でたくさん経験を積んだのは、自分を磨いたな、と思います。


でも、皆さんがそれをやる必要はないので、とりあえず「対話会」なり「読書会」なり、なんでもいいからコーチとしての場を開いてみ?と思いますね。



「時間単価5,000円は稼ぎたい」と思ったら、500円で10人を集めたらいいわけで。

5,000円を下さる一人のお客さんを探すのに躍起になるよりもいい。



1対1の関係を築いていく、となった時に、いきなり1対1というのは、相当な信頼関係がある…もしくはもはや「やらされ」でいく、のどっちかじゃなければ緊張すると思うんですよ。お互いに。


だったら、「まずはみんなでご飯食べようよ」みたいなノリから、WSや対話の場からスタートするのって、結構鉄則なんじゃないかな、と思いましたね。


1対1の関係をつくる前に、できること

ー 恋愛文脈になぞらえても、すごくわかる気がします。


そうそうそう!

(いきなり1対1の関係性から始めようとすると)マッチングアプリ的な世界観で言えばプロフ勝負になるわけじゃないですか。

めちゃめちゃいい写真撮って、親しみやすさと権威性の合わせ技のプロフ作って、みたいな。


ー 「行列のできるラーメン屋さん」が売れる世界ですよね。

自ら「場をつくる」みたいなところをむしろハードルに感じていらっしゃる方が多かったりもするんですけど…。

でも、参加する側からしたら、「1対1で話しましょう!」ってDMでいきなり送られてきて「怖っ」ってなるよりも、読んだことがある本だったり、好きな映画だったりの話ができる場所があるんだ、っていうところに友達と誘い合わせて参加する、くらいの方が参加しやすさもありますね。


それが5人、6人…10人となる必要はなくて。

「そういうの嫌だからコーチングなんだよ・・・」みたいな話だったら、2〜3人でもいいしね。

でも2〜3人でも10回やれば30人だし。それが純粋な人数じゃないにしても、リピーターになってくれているなら、その人たちはほぼクライアントさんみたいなもんだしね。


N数(総数)が増えても増えなくてもどっちでもよくて。


とにかく3人で10回はやってみる、みたいなことがもしかしたら大事なのかもね。


そうしたら30人のイベントをやりました、同じようにやっていって300人集めました、となったなら…。

そりゃあ、「PCCで何百時間、何千人」みたいなものには敵わないかもしれないけれど、ちょっとした行列感は出るじゃないですか。


多分、そういうことだと思うし、たとえマッチングプラットフォームに登録してもそういう経験がない人って多分、麺屋武蔵や一風堂には勝てないわけですよ。


ー ぽんっとラーメンストリートに出店してても、並んでなかったらお客さん来ないですからね。


そうなんですよ。結局みんな六厘舎に並ぶんですよ。

小さい人だかりでいいから作っていた方がいい。

AIがマッチングしてくれたらいいのかもしれないけれど、結局他の人と比べられているわけだし。

マッチングした時に体験価値をちゃんと提供できたらいいんだけどさ。


その体験価値を提供するためにも、コミュニティ・ホームでの稽古をめちゃくちゃしておくべきだし、アウェイでの経験も積んでおいた方がいいよね。


コーチングが届けられる価値を、確信していること

ー 宮本さんの投稿の中で、コーチ自身の「価値の確信」が重要だと感じました。


変容を目撃し続けて、「コーチングの作用には価値があるんだ」と自分が確信できるところまで積む。そこが、抜け落ちていることが多い気がして。

「クライアントさんがほしい」と言っているけれど、そもそも自分がコーチをつけたことがありません、とかね。価値をどこで確信して売ろうと思っているんだろう?と感じます。


自信の無さが、価格・発信・提案等の全部につながる要素だと思うんですよね。


ほんとそう。

今の「ラーメン屋」の喩えで言うならば。

美味しいラーメン食ったことないのに美味しいラーメンは作れないと思うし、俺のラーメン食って「マジ美味い!」って言ってくれた人がいない限り、2人目、3人目ってやろうって思えないと思うんですよね。


「セッションをしたい」のか、「クライアントさんの変容を見届けたい」のか


ー 僕がすごく気になるのは、セッションをした相手の「その後」は気にならないのかな?ということです。

「セッションをやりっぱなし」の方々が、あまりにも多いように感じて。

セッションのその後、自分が関わった方々に何が起きたのか、気にならないのかしら?価値をどこで知るのかしら?って。


「イマココ」って言葉の誤解だよね。


今、ここでマッサージを…しかも、出張先で受けるマッサージみたいな話になっちゃう。

それで売っているうちは、そりゃあ途切れますよって話。

でも、行動と学習が大事なんです。

だから「行動変容プログラム」として売っていかないと、単価も上がらない。


導入セッションを磨く

ー 「新しい方と出会うコスト」って一番大きいから、商売的に考えても、リピーター…出会ってくれて過去に価値を信じてくれた方々に対して、価値を高め続けていく、と言うのが本丸だと思うんです。


さっきの例で言えば、旅行先のひとときのマッサージをして「その後旅行楽しんでくださいね。さよなら。」ではなくて、「骨格矯正です。骨って元に戻ろうとする力がはたらいちゃうから、通いながら、ちょっとずつ直していこうね。腰が痛くない暮らしを手に入れよう」みたいな話。


ほんとそう。

だから、例えばCTIでは導入セッションでワークシートを使って「それもはやコーチングというよりもプログラムですよね?」というくらいやり込むし、ポジウィルさんみたいなやり方が認知を得て売れていく、というのはそういうことだと思うんですよね。


価値のセットというか。クライアントの変容だし、この商品価値はここにあるんですよ、という教育でもある。


クライアントさんにとっては、どちらも大事なことで。


多額な投資をする理由がほしい。本当に自分の人生をよくしたい、と思っている。


「それがなんなのかよくわからないから、きている。」みたいな話で。


じゃあ、一旦それを紐解いてあげる冒頭がある、って、めちゃ大事っすよね。


ー 画一的な(コーチ側が設定した)ビジョンがあって、「それに惹かれる」ということだけではなくて、具体的なことはよくわからないけれど、人生を好転させたいな、というタイミングでクライアントさんが訪れたとしても、カケラは出すことができるし、方向性を見出すことはできる。


高単価のセッションを、継続してもらうために必要な体験

中長期的な目線を持った変容プログラムを受けた経験がある人が、そもそも日本の教育という観点では少ないんです。

教科型学習で、一単元で、そこが終わって、その単元チェックでテストをやって…という学び方しかされてきていない方が多い。知識獲得型。


構成主義型の、経験から学び、認識が変わり、行動が変わっていく、というような学び方をしている人が、本当に少ない。


であるならば、3ヶ月〜6ヶ月、本当にいいコーチについてもらって、「マジで人生変わったわ!」そして「こういう関わりをコーチにしてもらってたわ!」っていう形で学んでからじゃないと、単価が高いコーチングセッションを継続してもらうってことが、そもそも原理的にできないんだろうなって。


トレーニングの中では教わらないし。


だから結局、教育プログラムを作ったことがある人が、プログラムチックなコーチングサービスを作って売れていくか、そういう観点を無意識に持ってコーチングができるから継続していくか、だと思うっすわ。


あえてすごい嫌な言い方しますけど、「1回泣かせた」「めっちゃ感動しました」みたいなセッションは、「出張先のマッサージめっちゃ気持ちよかったっすわ」で終わっちゃう話なので。


Googleマップで口コミを書いてもらえたらいいけれど、そんなところまで人がいくかもわからんし。


ー そもそもビジネスモデルが違うっていう。


そう。そもそもビジネスモデルが違うっていう。

そこで薄利多売になるしかなくなるからね。量やるためにね。

そりゃ超単価高く量をやれたらいいけどさ。


「ライフコーチングで食っていく」の、限界


ー 可処分時間が在庫じゃないですか、コーチって。

だから、薄利多売だと「食っていける」から遠いんですよね。


遠い遠い。マジで遠い。

そうやって考えていった時に、「ライフコーチの限界」ってやっぱりあって。

可処分所得の統計を出して、年内ごとの可処分所得を見ていったり、ご家族の構成費をみたりして、「自分にかけられる可処分所得いくらなの?」みたいな話を考えていった時に、2Cからのお金って、「本当に緊急で重要な課題」にならない限り、単価をあげるって相当難しいんですよ。


ってなってくると、2Bで企業の中に入っていって、エグゼクティブっていう、お財布が法人になる、予算感覚が違うところに入っていかない限り、コーチングの一回あたりの単価は上がらない。


どこをマーケットにするかってところから考えないと、単価をあげるっていう課題に対してはクリアされないんですよね。



ー 持続性がないですからね。個人のお財布を増やし続けるテーマでチャレンジしてくれていたら別だけど。


そうそう。

そういう意味では、SNSマーケを主軸としたコンサルは瞬間風速が高くなりそうですよね。個人の財布が大きくなるのが目に見えそうだから。


ー 「払えるな。回収できるな。」という目処が立つから、チャレンジしようって気になるんですよね。

ただ金額を上げればいい、という話ではない。


それを「コミットの問題だ」というのは、ちょっと乱暴すぎやせんか?と思うわけです。

ー (高単価でも買う)コミットの問題になるのは、「重要かつ緊急」の課題を持っていらっしゃるクライアントさんですよね。

数年悩んできたことで、ここで変えなきゃ次はない…くらいのテーマ・タイミングで出会ったりした時。

そう。

もはや「そういう人を支援していく私なんだ」というところにグッと、お導きなのか・意思決定なのかはわからないけれど、中動態的にそういうことをする「私」が現れたのであれば、そこに集中してやっていったらいい。

それでやっていかれている、時間単価30,000円とかで、20代からであってもちゃんと対価を頂くコーチさんもいらっしゃる。



それはそれでいいと思うんです。

結果としてそういう人たちに出会い続けるだろうし。


あらためて、

「その金額を払う理由のあるクライアントさんがいる文脈」に、自分が置かれているのか置かれていないのか、というところから考えていったほうがいいと思うんです。


それが全て「コーチの意思次第だ!」という話になり過ぎるのは、すごく視野が狭いというか、すごく利己的というか、すごく発達段階低めというか。



ー コーチ自身が自分の人生プロセスでどういう変容を遂げてきたか、というところもすごく影響すると思うし、自分にそういう背景があるからこそ支援したい相手だ、ということも重要ですよね。


早く売れっ子コーチになりたいなら…

やっぱり、まずはトップレベルから入るのも大事ですよね。

『キングダム』になぞらえて見ると、主人公の清(シン)は、嬴政(えいせい:始皇帝がモデルのキャラ。中華統一を掲げている)がどんな気持ちで中華統一しようとしているのか…そこの周りにいる人たちはどんな人たちなのか…。


トップレベルにいきなり出会うわけですよ。下僕の存在だった頃から。


ど頭に王様、王子と昔ながらの将軍たちと出会ってしまい、「こいつらヤベェ!」みたいに感化して、「こいつらみたいになりてぇ!」ってなったところから始まる。

苦楽を共にし、まずは戦場を5人組からスタート、みたいな感じで。


「こいつ大したことねぇかもしれない」みたいな先輩に色々と教えてもらいながら、できる貢献をしていって。


で、そうすると手を挙げられるところで手を挙げて、見染められて。

「まずは100人平定してこい」みたいな。謎に谷の奈落に突き落とされる。


でもその半年があるから100人将になれるという、すごいジャンプアップをするわけなんです。


あそこに一つの、「コーチとして早く売れたい」んだったら…の可能性があると思いますね。



自分が目指す働き方をしている人のところに飛び込んじゃって、鞄持ちでいいからやって、時間の使い方なり、言葉の使い方なり、方法なりっていうのを知る。

その上で自分ができるところからチャンスをもらって、そこで出会った人たちに鍛えてもらう。



レッテルはそうじゃなかったとしても、そういう能力がある奴がいたら、コーチング市場はめっちゃあると思うし、ファシリテーターも足りないし、「誰かいないの?」ってなった時に「あいついけそっすよ!」みたいなアサインってあると思うんですよね。


紹介が起きると思うんですよ。「⚪︎⚪︎さんのところに行ってみれば?」と。


ー 宮本さんも、「若手リーダーのコーチ」って標榜していたから声がかかった、というお話がありますよね。

「誰のために、何をする人なのか」が周りに認知されるくらいに行動しているし、表明しているっていうこともまた、声をかけてもらう上で大事ですよね。


そう。

「後輩のためにやりたいっす」って、実際そういう現場も持っていたりして。


「そのためだったら応援するよ」って、結局たくさん僕も、もらいものが多くて。「頂すぎているんでお返ししたい」なんていうと、「だったらそれは、後輩に渡してあげて」って言ってもらえるから。


たとえお金を頂けなかったとしても、「まずは場を持つ」みたいな。そこからスタートしているんですよね僕。



そもそもスタートするために、CTIに多額の納税した、みたいなところあります。


あの瞬間は王騎将軍(キングダムのキャラ。絶大な信頼を集める大将軍)の元へ行くみたいなノリ、経験だったので。自分が就活時代に憧れていた会社の人事の人がいるとか。そういう世界だった。


いろんなコンプレックスとかいろんな葛藤が生まれましたけれど。

でも、そこで色々なものを頂けたらからこそ、それをお返ししたい、みたいな循環の中で今のポジションをいただいている気がしますよね。



私はあなたの「馬車」になれましたか?

ー 目の前の人に価値を届けることに、すごく真摯に取り組んでこられたことも伝わってきています。

そこに拘ることが大事なんだろうな、と。「役に立てていたんだっけ?自分は。」と。


コーチとして「馬車」になれていたんですか?って。

「私はあなたの馬車になれていましたか?」っていう、ただそれだけ、ですよね。


ー メリーゴーランドになっちゃっていたら目的地につかないですからね。


もはや「馬車じゃなくて私が求めていたのはメリーゴーランドだったんです。そこに気づきました。」だったらいいのかもしれないけれど。

「じゃあメリーゴーランドとして売っていきます!でもメリーゴーランドじゃ売れないんで馬車って言って売りますね!」っていうこともあるかもしれないけれど。

でも、人が変わっていく、というところに大事さを感じて「馬車になりたい」と思ったならば、「私はあなたの馬車になれていますか?」だし、そんな馬車になるために、自分も馬車に乗っていいんですよ。



自分のリソースに気付いてきた過程

ー 「自分のリソースに気づいていった取り組み」も、価値貢献をされている中で気づいていったものが多いのでしょうか?

めっちゃやりましたよ。

『7つの習慣』のワークブックもやっているし、『ビジネスモデルYOU』も、『ずっとやりたかったことをやりなさい』も、『Source』も、エドガーシャインのワークブックもやった。


リソースってなんだろう?なんだろう?ってやり続けても、ずっと出てくるもの一緒…みたいな中で気づきながら、「目の前にどんな課題があるんだっけ?」「そこに対して僕は何ができるんだっけ?」って中で、リソースを新たにつけるのもそうだし、使えるものを確保して出すのもそうだし。


やっぱり、「自分は何がお役に立てるんだろう?」という問からスタートしていった方が、結果自分のリソースが開かれていったというか、顕在化していったなぁ、と思う。



集客と質向上にかけている時間の使い方

ー 「コーチングの質の向上や集客といったビジネスに、どれだけ時間をかけているか」といった質問を頂きました。


まず、残念ながら集客には時間をかけていません。

かけていった方がいいんだろうな、と思いつつ、ここも最近悩んでいます。


ご紹介いただいた方とのいい関係があってお仕事ができているので、チャネルをそれと置くならば、それでいいじゃない、だし。


ご紹介いただいたお客様のために、営業の方のために、自分は現場で何が・どんなことができるかな、と考えている現場の準備っていうのは、そのまま集客にあてている時間になる。そのサイクルはそのサイクルであり、と思っている。


チャネルを自社メディアを持ってやれた方が、直請けになって単価が上がっていいですよね、みたいな考え方もある。僕はツイートを、本を読んだ時や心が動いた時にコーチングと重ねて趣味の如くする、ということはやっている。


そこで自分が歩んできた道を歩んでいるかもしれないコーチの皆さんのお役に立てるかもしれないと思った時には(今回のこのラジオ企画のように)、こういったメディアに出る。それが集客のために使っている時間のかけ方。


コーチングの質の向上、という観点では、クライアントさんから出てくる言葉を理解したいという自分がいるので都度それを調べたり、クライアントさんの環世界を理解したいから、クライアントさんがTwitterアカウントを持っていたら「クライアントリスト」を作って、それをばーっと眺めている。


ある種の趣味です。もはや。


あとは継続学習の場に足を運んでいるとか、自分自身が新たに役に立ちたい…今僕はエグゼクティブ(企業の中で活躍されている方だったり、経営をされている方だったり)に向かっているので、エグゼクティブコーチをやられている方のセッションを受けたり、そういった方々がいくような学びの場に足を運んだり、そういう方々が読んだ方がいいよ、とすすめて下さった本を読んだりしている。



やばいっすね。ちょっと自分で客観的に見て引きました!笑


それでもなかなかうまくいかないときは


ー コーチの挑戦における「自己責任論」と時間の捉え方については、どう考えられますか?

環境が人を変えていく、というのはある。

全部自分でやらなきゃいけない、という話と、全部自分が上手くやれていないから上手くいかないんだ、と思う必要はない、という話。


「自分が活かされる場はどこなんだろう?」っていうのを問として持って、長い目で見ていきましょうよ。


旅行先のマッサージじゃなくて、地元のマッサージ屋さんで定期的に通ってもらえるようなお店になるとか、一つのプログラムでガラッと変わっていただいた後に定期検診に来るような関係性を目指すのであるなら、ストック型のビジネスだと思うので。

長い目で見てやっていこう。




『GENERATIVE TEAM COACHING』のご紹介


プロセスワーク業界で、日本の権威でもある松村憲さんと共に、チームコーチング(1:Nの集団をどうコーチしていくのか)を学べるトレーニングプログラム。

無料説明会もやっていて、個別にご連絡を頂ければ個別にお話ししたり、説明会のアーカイブをお送りしたりもできます。

ご興味のある方はぜひ、宮本さんのTwitterアカウントにコンタクトを取っていただければ幸いです。


「いいファシリテーターになりたい」「自分のチームをよくしたい」、「家族やカップルに貢献したい」といったことにアンテナが立つ方にオススメです!



ラジオでお話ししてみて、いかがでしたか?


自分がこの仕事に対してアツい想いを持ってやっているんだなって。

自分でいうのは恥ずかしいし言いたくないんですけど、まーさんと話し、いただく質問に答えていく中で、「俺やっぱアツいんだ!」ってことに気づけた、いい時間でした。

この時間が自分のリソースに気づく時間でした。




対談の中で紹介された「自身のリソースに出会う」参考書籍



このnoteを読んでくださったあなたへ

いかがでしたでしょうか?


すでに取り組んでいること、まだまだやりうる余地があること、考え方が拡がること、気になること、様々にお感じになることがあったかと思います。

ぜひ、ご意見・ご感想・ご質問等を頂けますと、幸いです。



本コンテンツに触れてくださったあなたが夢を叶え、あなたと関わる方々とのよりよい未来に繋がることを、願ってやみません。


追記:補足





ここまでお読み頂き、ありがとうございました!


どこか「仕方ない」と自分の生を諦めていた僕が、人生を取り戻したのは、自分の願いを知り、これを指針に生きることを選び、行動を重ねてくることができたからだなと実感します。

コーチングを学んだことで、僕の変容は加速しました。
労働観が変わり、人生観が変わり、生きる質感が変わった。その感動を届けたくて、コーチの仕事をしています。


そんな僕の挑戦の原点にある想いを綴ったnoteはこちら。



ご自身の価値観を整理したり、居場所を探していくための構想を、「喋りながら考えてみたい」という方向けに、頭の整理にお付き合いするサービスを提供しています。

そして、僕を現在進行形でコーチに選んで下さっているかえでさんが、「僕をおススメしたい人」について、ご自身の体験・実現した価値をもとに書いて下さった記事がこちら。

僕をコーチとして雇うイメージを持たれたい方へ。

生々しい会話のやりとりのイメージを音声で知りたい方には、こちらのラジオもおススメです。



最近、「テーマも決めずにお喋りしたい!」欲が出てきたので、公式LINEにそんな企画を流すかもしれません。

直接まーと喋ってみたいぜ、という方は、気軽にLINEで話しかけてもらえたら嬉しいです(公式LINE)。今は平日10時~14時くらいの時間に話せることが多いです。

「あなたの物語に共に出会う嬉しいその瞬間」を、今から僕も心待ちにしております。

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