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休職から、1年と4ヶ月。


プロセス自体が、僕の傷を疼かせた。



さながら一陣の風のような師走


選考を受けている企業の最終面接に向けた準備のため、昼活部にてコーチを募集させて頂いた。


これに応えて下さったまよちゃんしほさんのご厚意に甘えさせて頂いて、「3年後に成し遂げていたいこと」、「面接1日前の身体の強張り」をテーマに、それぞれセッションをして頂いたのが、先々週の話だ。


「就職活動をしよう」と決めたのは、この12月に入ってからだった。

CACP合格後、半年もの間THE COACH Meet に登録することを僕に渋らせ続けているものに向き合うために、みりさんみどりんに話した際に、僕に「今後を決めるために」残された時間が、それほど長くないことに気づいたこと。


妻が「実は、前橋でコーチングを活かせる求人をこっそり調べていたんだ」と教えてくれた求人に、惹かれるものがあったこと。


「食えるコーチになるために、ガチでセッションやろうぜ?」と提案して下さった宮本さんのセッションを受けたこと。


そんなことが数珠繋ぎになって、僕は職務経歴書と履歴書を整えていた。


前回の就職の際には転職エージェントを頼り求職活動をしていたのだけれど、今回は対応がしっくりこなくて、直接応募に切り替えた。




思えば、ここに向かう機運は、9月から始まっていたように思う。




「はたらく意欲」が、首をもたげた


相棒が担うことになったこのポジション。

コミュニティ内の募集を見て惹かれるものがあり、妻に教わりながらWEB上のサービスで履歴書と職務経歴書を整えて応募していたのだった。

落選となったものの、僕に「コーチとして働くのみ」、となっていた世界観を拡げ、組織で再び働くことへの希望を抱かせてくれたきっかけとなった。


長らく、そこに向かおうとする気持ちは湿気っていた。

心療内科に通うたび、復職に向けた話になるたび、僕の口は重くなり、気持ちは澱んだ。


一年以上の歳月が経ち、本が読めるようになり、コーチングの資格を取得し、ワークショップを企画し、月刊連載のラジオとnoteを発信する。

読み、書き、話し、人と協働すること。

「はたらく」ために必要な能力は、僕の手元に戻ってきていたはずだ。

それでもその力は、僕が僕単品で動くという限定された範囲でしか、用いられる気がしなかった。


それでも、ビジョンを共にできる、自分の得意を活かせる領域ならば。そんな、ひどく狭い視界の中にしか、僕は光を見出せないでいた。


落選ののち、「やっぱりコーチ一筋で頑張るっきゃないか」、と諦めた。



辿ってきた、過程


休職に入ったまさにその頃に書き記したnoteから、「メンタルダウンからの回復」過程を拾ってきた。

④がなかなかこなかった


「1ヶ月も休むなんてとんでもない!今が大事な時期なんだ!」

そんな想いが胸から飛び出そうだった当時、僕は原因不明の涙で毎朝を迎えていた。何はなくとも勝手に涙が溢れている。

何故だかは、皆目わからない。

身体が勝手に泣いていた。心も頭も、そこについてはいなかった。



3ヶ月が経過した頃、規則上の退職に抵触することもあり、僕はまだ揺らいでいた。「戻る目があるなら・・・」と縋る気持ちがあった。

それでも、リトリートやコーチングセッションを通じて僕の心の中では「働けない」の答えは出ていた。医師からの診断も、それを肯定した。



6ヶ月が経過した頃、「まだまだ全然足りないや」。そう自覚し、口にするようになっていた。どれだけ必要かは、僕にだってわからない。



9ヶ月が経過した頃、CACP試験を受けた。社会に繋がり直そうとする、喘ぎだったのかもしれない。リハビリをするように、セッションに明け暮れた。人生で一番長い、数ヶ月に亘る咳が止まらなくなった。

受かった。


けれど、それでも。

働く意欲には、繋がらなかった。


1年が経過した頃が、一つ前の見出しで述べた「Lounge リード」の話である。この頃に、少しだけ、潮目が変わり始めていたのかもしれない。



1年3ヶ月が経過した頃、それが12月の初めだ。

「就職は第三案。一番はあくまで、コーチとして食えるようになることだから。」

求人を勧めてくれた妻に、僕はぎこちなくそう返していた11月。僕の心と身体はまだ、「組織ではたらく」を拒絶していた。


12/1のアドベントで、「はたらけるだろうか?」と自問しているくらいだ。


宮本さんとのセッションの中で


12/4。宮本さんのセッションを、実に1年ぶりに受けた。

「食えるコーチになるには?」というテーマだ。


「まーさんはその気になれば、今までのクライアントさんにインタビューをし、サービスをデザインし、LPを作って、欲しい売上をつくれると思う。その力はあるのに、なぜやらないの?」

「何が、それをとどめているのだろう?」


僕の行動を阻むもの、それは明確に自覚された何かがあるわけでは、なかった。

何度かのやり取りのあと、浮かび上がってきたのは、「僕の身体に刻み込まれた、痛み」だった(トラウマ的なものなのかもしれない)。

身体をつかって、はたらくを取り戻すこと。
一歩一歩、安全を確かめなおし、学んでいくこと。
その道を辿る中で、身体に沁みきった痛みを、成仏させていくこと。

前回のnote

「はたらく」を通して負ってきた痛みを、「はたらく」を通して、癒していこうとする歩みに、希望を抱いた。



まよちゃんとのセッションの中で


働く中での「3年後の未来を描く」ことをしておきたくて、ビジョンの探求。


空想の未来で僕が成し遂げたのは、「楽しく・面白く・はたらく僕自身の姿が、僕が貢献したい相手や、同僚や、僕を取り巻く人たちに”善くはたらく”を触発する」ことだった。


本を書き、それを世に出していた。


これまでの思い出の中には、ほんの僅かしかなかったような僕の在り姿が、そこにはあった。


思えば、「あきらめラジオ」であきらめていたことは、ここに繋がっている。「好奇心に目を輝かせる純粋まー」なる人格は、きっとこの3年間大活躍したに違いない。



しほさんとのセッションの中で


最終面接の前日、僕の顔を見るなり「元気ないね」との声。

自覚していなかったから、「そんな顔で面接に行くのはマズイですね…」と気になり始める。

まだ一日あるのに、すでに身体が強張っている。


当然と言えば、当然。

いつもなら、一人なら、きっとそれで流して終わり、だった。


でも、この時はこれをテーマに選ばせて頂いた。

「この身体の強張りは一体なんだ?」



それは、「面接というプロセス」自体への、痛みだった。

「答えのはっきりしないものに向け、できる限りの自分の力を注ぎ込んで準備をし、限られた時間の中で、評価・判断される場でパフォーマンスを発揮する」

20代を過ごしたコンサルも、30代に差し掛かって経験したベンチャーも、新規事業の中での挑戦も、ライフコーチとして独立して歩んだ道も、全てが、この抽象度では、通底していた。


それは、10年以上に亘り、僕の身体に傷を増やしてきた営みそのものだった。


「もしも仮に面接を通過できたなら、その先で働く不安はあるのだろうか?」

不安はなかった。

あたらしい世界が開けていく予感と期待に満ちたビジョン。その環境にチャレンジしたいと痛いほど願っている自分が、そこには在った。


でも、そこに至るためのプロセスには、身体は痛いほど反応していた。

それを、認めることができた。



面接が終わった日から


妻に話を聴いてもらったり、場を反芻したりすると、涙が溢れた。

あぁ、「辛くてしんどいプロセスだったんだなぁ」と、自分を労ることができたからなのかもしれない。

たった3週間の、たった1社のプロセス。


でも、そこには僕の、12年分の痛みが、傷が、ある

それを、受け入れることを選んだ。




そうして、1年と4ヶ月


もうすっかり年の瀬となった12/28の今日。

「もう結果は来年に持ち越しかな」と、仕方なさを受け入れようとしていた夕方、内定のメールが届いたのだった。



妻に、こまーに、両親に、このプロセスに携わってくださった方々に、メッセージを書いた。

今日初めて出会ったクライアントさんにも、伝えた。


これはきっともう、僕一人の物語では、ないからだ。



適応しようとし過ぎた果ての、願いに沿おうとし過ぎた果ての適応障害から、1年と4ヶ月の歳月を経て、ようやく僕は、④のプロセスを歩み切った。

キャリアブレイクに、ケリをつける決断をした。



どんな日々が始まるのかは、正直わからないし、新しい環境に、適応していけるかも未知数だ。


だけれど、「休み」に向き合い、「できない」に向き合い、「はたらけない」を受け入れて、「痛み」を引き受けてきたこの1年4ヶ月の歩みは、僕が僕として生きる自身の人生を、「愛している」と言い切れる僕に出会わせてくれた。





だからきっと、大丈夫だ。

頑張れなくなった僕が、頑張りたいと、思えているから。



ここまでお読み頂き、ありがとうございました!


どこか「仕方ない」と自分の生を諦めていた僕が、人生を取り戻したのは、自分の願いを知り、これを指針に生きることを選び、行動を重ねてくることができたからだなと実感します。


コーチングを学んだことで、僕の変容は加速しました。
労働観が変わり、人生観が変わり、生きる質感が変わった。その感動を届けたくて、コーチの仕事をしています。


そんな僕の挑戦の原点にある想いを綴ったnoteはこちら。


コーチングに触れて、ガラリと人生が動いた話はこちら。

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