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J3からスペインリーグまでの道のり~自分を信じる力~

こんにちは。

今回は、選手の成長革命番外編です。

これまでの選手の成長革命3部作もオススメです。
ここに繋がるエッセンスが詰まっています。
 

今日はぼくが携わった選手のこれまでを一緒に辿って行きましょう。
思い出話にお付き合い下さい。


あなたは、
 

『J3の選手がスペインリーグまで移籍してプレー出来ると思いますか?』
 

そう聞かれたらなんて答えますか?

ちょっと考えないと難しそうな質問ですよね。

 

スペインリーグは世界で最も難易度の高いリーグと言っても過言ではないですよね。
 

Jリーグ時代もチームの中心だったり、トップトップの評価をもらっていたわけではない状態からスペインリーグや日本代表に推す声が上がる存在までになったのはどんな裏側があったのか?


 
これは、評価されずに燻っている人、
雲の上に感じてる目標を目指す人、
夢かもと思ってる目標に対して挑戦しようとしている人、
そんな人達に届いたらと思います。

可能性はあるぞ。

 
 

ぼくが、その選手と出会ったのはその選手がJ3時代。

 
それが今ではスペインリーグ2部でゴールを決めたり、日本代表に呼んで欲しいとの声が上がるくらいの選手になってます。
 

なにより、まだ進化途中です。
 

これまでJ3~スペインリーグまで辿り着いた日本人選手っていたのでしょうか?
 

それこそ、途中レンタル移籍はありましたがラ・リーガの方にベンチ入りもしていました。
 

そもそも、スペインリーグ1部や2部でプレーしている日本人選手自体が少ない。
スペインリーグのレベルの高さ難しさはここで言うまでもないよね。
 

もう一度言いますがJ3からです。
 

J3の選手も素晴らしいですが、
大学生や高校生の中にはJ3からのオファーならそのチームには入らないという選択をする選手も珍しくないです。
 

なぜかといえば、理由の一つにはJ3からJ1へ上がって活躍するのも難しいですよね。
 
 

しかし、彼はJ1だけでなくスペインリーグまで辿り着いています。
高校卒業して大学を考えていた立ち位置からです。
彼がなぜこんなにスピード出世でステップアップ出来たのかという思い出話を今日はしていきます。
 

今日だけは優しい目でぼくの文章を読んで下さい。

 

出会い~J3得点王

 
 
その選手との出会いはその選手のジュニア時代のEコーチを通じて出会いました。
 

その選手の後輩にあたる選手もぼくは関わっていて、後輩の選手がパーソナルトレーニングを続けてくれて世代別代表に選ばれるまでになったのですよね。
 
 

それもあって、Eコーチもさらにぼくを信用してくれたのもあってその選手を紹介してもらいました。
 
 

その選手もゆるトレに興味があって、とりあえず一度一緒にトレーニングしてみることになりました。
 

※ゆるトレとは、身体をゆるめて身体を自由自在にコントロール出来るようになるトレーニングで軸をつくって世界のトップ選手と同じようなプレーが出来るようになる

 

最初のトレーニング
 
 

最初の出会った時の印象は、『おっきいな~』でした。
それはそうで191センチありますからね。

 
 
凄く真面目で素直な青年という印象でした。
サッカーに真摯に取り組む好青年です。
これは今も変わってないですけどね。(ちょっとお茶目) 

 
 
最初のトレーニングの時に、腰の辺りの固さがあってか腰をゆるめるトレーニングには苦戦していました。
 
 

しかし、粘り強くゆるめて行ってトレーニングが終わる頃には歩きや走りが変わって行きました。
 

 

歩きや走りが変わらないとパフォーマンスは変わらない
 
 

『歩きが違ってる』

これを聞いて皆さんはどう思いますか?

たぶん、

『???』

ではないでしょうか?
 
 

歩きってみんな自然にやってるから誰でも出来るし、誰でも同じと思ってる人も多いかと思いますが実はみんな歩き方は千差万別。
歩きのレベルも千差万別です。
歩きはとても大切で全ての運動の基礎になるものです。
 

歩きが下手ならスポーツが上手くなりません。
 

そもそも、歩きのレベルによって選手の限界値が決まって来ます。(だから、歩きが変わることがポイント)
 

歩きが変わらないと選手レベルそのものは変わらない。
 
 

ぼくは最初に、
 

『多くの選手みんな、歩きが間違ってるから努力しているのにいい結果が出ないよね。』


ということを伝えました。
 

これを伝えるとみんな凍りつきます。
その選手も驚いていました。
 

しかし、プロの選手なのにプロの選手でもなかったぼくの言うことを素直に聞いて受け入れてくれました。

そして、良いと感じたら全力で真面目に取り組むところがその選手の持ってる素晴らしい能力の一つです。(地味なトレーニングも粘り強く出来るのも能力だよね)
 

ここを受け入れてくれなかったら今はないと思うのよね。(受け入れられないし、継続出来ない人が9割と考えるとすでに1割側の人間であったのよね)
 
 

すぐに結果として現れた


元々その選手は得点感覚のある選手だったので身体がしなやかになって動きやすくなると結果は出ると思っていました。
 

が、すぐに結果が出るとは思わなかったです。

  
これはぼくの予想を遥かに超えてのスピードで結果が出ました。(ここはその選手の落とし込みのセンスの良さだよね)
 

すぐに得点やアシストを重ねて行きました。
 

あとは、試合の日のコンディションの不安がなくなったとも言っていました。
これまでは試合当日に自分のコンディションが良いか悪いのか動いてみないと解りにくいという不安があったそうですが、
 

ゆるトレをすることで自分でコンディションを上げて行けることでそこの不安がなくなったそうです。
 

不安がないというのは選手としてのメンタルの安定性としては大事なところでパフォーマンスにも影響するよね。
ストレスが違ってくるからね。
これは選手人生を考えた時には大きなところよね。

 

 

ドリブルをしている!



その選手とトレーニングするようになって初期の頃、凄く印象的な言葉がありまして、

その選手のお兄さんがその選手の試合を見て
 

『○○がドリブルをしてる!』
 

と驚いて思わず声が出たそうです。
 
 

練習でドリブルが出来るのとプロの試合でドリブルが出来るのはワケが違います。
 
 

その選手はビックマンカテゴリーの中では走れるし足下のある選手という位置付けでしたが、
 

それがゆるトレをして身体をゆるめて行くに連れて、どんどん走れて足下ももっと出来るようになって来ました。
 

なにより、推進力もさらに付いてドリブルもスムーズに出来るようになりました。
 

ゆるトレをすると持ってる能力や才能が伸びるのですよね。
ぼくもそこを伸ばそうとするしね。
 

その選手は元々の持ってる才能がさらに開いて伸びて、他にはいない選手になって行きました。

体つきが変わった
 
 

数回トレーニングを一緒にして、ぼくがいないその間もずっと真面目にコツコツトレーニングを取り組んでくれていて変化がどんどん起きて来ました。
 

面白かったのは、何回目かで会った時に

『痩せた?』

と思って聞いてみたら、痩せてないしむしろ少し体重は増えていたみたいです。
 
 

これは何かというと、良いことで
 

身体の使い方が変わったことで、筋肉の付き方が変わったということなんですよね。
身体の質が変わったということです。

 
身体の前側の筋肉や外側の筋肉はだいたいブレーキの筋肉でここを使っているといいプレーは出来ないです。
 

身体の内側や裏側の筋肉を使えているとアクセルでスピードやパワーが増し、いいプレーが出来ます。
普通の選手と世界のトップ選手との違いはここにもあります。
 

体つきが違うのは人種の違いだけではない。
 
 
 

ゴールと繋がる
 
 

結果もある程度出たし信用もしてもらえただろうから、ここでもう少しプレーのこともアドバイスしてみようって思ったのですよね。
 

ここはプロの選手に対してはぼくなりにちょっと気を遣うところでもあるんだけどね。
 

その選手はFWの選手なので、日本の選手と世界のトップ選手のゴール決定力の違いについて解説して伝えました。
 

得点だけではなくて他のプレーもですが、なんでここまで違うのか?といのは理由があります。
逆に言えば、理由があるから改善出来るのですよね。
 

先ずは知ってるかどうかというのは誰でも出来る大きな差だよね。(だけど、小学生でさえも素直に受け入れない選手もいる。それはそれでいいんだけどね。)
 
 

そこから、その選手の動きはさらに世界の選手のような動き。
それこそ、さらに日本人っぽくない動きになって行きました。

 
 
自分の軸とゴールが繋がる
 

その意識が世界の選手と日本の選手との大きな違いです。(トレーニングの時はもっと詳しく解説してるよ。今回は省略。)
 

ここを意識出来るようになってさらに得点を重ねて行きました。
 

そして、そのシーズンJ3得点王になりました。
出場すれば得点取りそうな雰囲気でしたね。
 

翌年からJ1のトップチームに入り出場するようになりました。
 

チーム事情ではありましたが、191センチの選手がウイングやってるのは驚きだったよね。

これまでの日本のビックマンの常識からするとビックマンの教科書には載ってないようなプレーが多かったのよね。
 

解説の方も『しなやか』とか『走れる』とか『これまでにないタイプ』みたいな感じで紹介していました。

大きい選手ってノソノソとかドシドシしてるイメージないですか?
その選手はめちゃくちゃダイナミックで躍動感あるのよね。

 


 

クロアチア~ベルギー

 

海外でプレーしたいという本人の希望もあり海外へ移籍しました。

ぼくとしては、凄い決断だなって思いました。
ぼくだったらそんな決断は出来ないだろうな~って。

この思い切りの良さが彼の才能の一つなんですけどね。
あとは、運の良さも大きな才能なんよね。
 

もちろん、目標に向かって努力、工夫、継続、出来るところはこれまでも言った通りだけどね。
 
 

クロアチア


クロアチアに移籍が決まって、最初クロアチアリーグってどんなリーグなんだろうな~?とか思ってたら、
 

そこでもあっという間に活躍して結果を出して行きました。
 

海外であろうとも自分のペースで周りに流されないで楽しみながら生活やプレーする能力が発揮されたよね。(特殊な能力よ)
 
 

クロアチアのリーグ戦やカップ戦で得点を重ねて行きました。
カップ戦では優秀な若手選手としてノミネートされました。
 

この頃にはさらにダイナミックな動きになっていて躍動感をさらに感じるような動きでしたね。
 
 

クロアチアでの活躍が認められてスペイン1部のチームに移籍が決まりました。(ここまで出会ってから2年経ってないくらいかな?)
 

スピード出世ですね!
やべぇ!
 

ラ・リーガの開幕戦にあのレアル・マドリードとの試合でベンチに座っているのを見て感動したよね。(出場はならなかったけど早朝から見て震えたよね)

そんな事あるの?って思うくらいに。
ぼくのこの仕事を始めた時の夢の一つが叶ったよね。

 


レンタル移籍でベルギーへ



スペインの所属クラブのチーム事情もあり、開幕はスペインで迎えましたがレンタル移籍でベルギーへ行きました。

 
そこでは、不思議な事が起こりました。
 

その選手、身長は高いのですが元々空中戦を得意にしていなかったのですよね。(クロスの合わせ以外の)
 

ぼくも出来るに越した事はないけど、苦手な能力はしょうがないよな、出来る事で勝負したら良いと思ってました。
 

それが!!!
 

ベルギーでは空中戦で絶対的な強さをみせていました。

 

それこそ、チーム戦術を変えるくらいの強さになりました。
 

得点やアシスト以外でもこの空中戦の圧倒的強さでチームで重要な選手になり、チームの成績も上向いて行きました。
 

ぼく個人的な見立てでは、起用方法とかで見た時にチームでの序列はFWの選手としては一番手だったと思いました。(同じチームの日本代表選手よりもチーム序列では上だった)


レンタル移籍先のチームのシーズンの目標は開幕する前は残留することでした。
それがその選手の加入により気づけばプレーオフ争いしてるんですよね。
ホントあと少しの差でプレーオフは逃しましたがチームが躍進しました。
 
 

ぼくも試合観ていましたが、フィジカルも全然通用するんですよね。
海外リーグだと日本人はフィジカルが弱いという印象を持ってる人も多いと思いますが通用するどころか、その選手はむしろ強い方でした。

 

苦手が伸びるという不思議
 
 

空中戦を得意としていなかったのに何で強くなったのだろう?と聞いてみたら、

身体がゆるんで意識が付いたことで、

・空間認知の感覚
・頭の感覚
・ジャンプの身体の使い方

そこら辺を練習で掴んだそうです。
 

でも、それにしても苦手なものが強くなるなんてそうそう出来ることではないです。
 

しかし、長所である身長にこの空間戦の能力が加わったことで強力な武器になりました。

身体的特徴×感覚的能力×スキル

が合わさるとその人だけのストロングポイントになります。

ベルギーでも楽しそうだったよね~

 

現在、スペインリーグこれからの成長は?



現在は、所属先のチームに戻りチームは、スペインリーグ2部の首位にいます。
 

得点も決めて、ついこの前はハーフラインを少し越えたところからペナルティエリアの近くまでドリブルで持って行きファールをもらって、
そのプレーに観客が大いにわいたそうです。
 

その試合後に子ども達に囲まれて人気者になったようです。
やっぱりみんな好きになる選手だもんね~
 
 

さて、これからですがその選手が成長するのは間違いないです。
それは、上手くなるとか慣れるとかのレベルでなくて、そもそもの選手レベルがアップします。
 

多くの選手は、経験か筋肉くらいしか10代の後半くらいから成長していません。

身体の質的には固まってしまうのが定石です。
才能も減って行くのが普通です。
 
 

しかし、年々しなやかでダイナミックになるなんてそんな選手これまでいなかったと思います。
 
 

身体のしなやかさやサッカーの意識、感覚が進化していき、そこに経験がかけ算になっているのでこれから楽しみですよね!
 

その選手は好きなチームがあるのでそこでプレー出来たらいいな~ってぼくも思います。
 

これからどこでプレーしてどんな成長をするのか楽しみで仕方がないです。

 

 
 

最後に




改めて考えると漫画のようなステップアップをこの段階でもしていることに面白さがあります。(出会ってから3年経ってないのかな?)
 

プレーもこれまでに日本でいない選手なのでこれまた面白い。


人間的にも天然みたいなところもあるし真面目なところもある。
面白い。


普通にさ、人間的に好きだから応援してる。
 
 
 

これまでのストーリーだとその選手は全然苦労してないように感じるけど、その選手も苦労していたり悔しい思いをしている。(それは今も)
 

なにより努力している。
 

ただ、みんな努力はしてる。
だけどそれが上手くかけ算や壁を突破出来ないのは正しい方向で努力出来るかどうかというのがある。
 
 

そこには正しいものを素直に受け入れたり、信じてやり続けてみたりとかその人の運も関係したりするよね。
 

これからも一緒にトレーニングしたりしてどんな成長や軌跡を残して行くのか楽しみだよね。
 
 

この時点でもぼくがこの仕事を始めた時の目標としては半分くらい叶ってるからぼくとしてはあんまり悔いがない。

そんな想いにさせてくれた選手には本当に感謝しかないよね。

めちゃくちゃ期待してる。

これからも、がんばろうね~


読んで頂きありがとうございました。
その選手の応援やこれからもぼくの事をよろしくお願いします。
 

ありがとうございました。

 

松井

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