カワイイのはクチでした #6 モルモットのクチ
いまどきの動物園にはたいてい「ふれあいコーナー」がありまして、そこには小さな子供でも安全にさわることができる小動物が展示されています。私はこのコーナーが大好きで、どの動物園でも必ず立ち寄ります。小動物を抱き上げてωすなわちクチとその周辺を念入りに眺めたり、撮影したり、ときにはちょっとさわったりなんかしちゃったりして、そこいらの子供の何倍も楽しんでしまうのであります。
さて、ふれあいコーナーによくいる動物は、ヤギやヒツジなどの家畜系草食動物や、ウサギやモルモットなどの小動物です。どの動物のωもたいへん結構なのですが、本日はモルモットωの良さについて、お話いたしましょう。
モルモットは南米原産の齧歯目(ネズミ目)で、子供でも扱えるくらいのサイズと性格の温和さから、ペットとして人気があります。肌の色や毛色、毛の生え方などさまざまな特色を持つ品種種がありますが、そのクチまわりにはみな同じような可愛さがあります。
写真は神戸市立王子動物園のモルモット。まことに素晴らしいクチまわりですね。ピンク色をした鼻の下が、こう、ビローンと長いのが特徴で、マヌケっぽいような人が良いような、なんとも言えない温和な風情を醸し出しています。そして特筆すべきは上下の唇の味わい深さ。左右にタルンと分かれた上唇には独特の愛嬌があり、プリッとした下唇から口角にかけての形状は、微笑みながら何かを語りかけてくるかのようです。
さあ皆さんも動物園のふれあいコーナーへ、モルモットのωを見に行きましょう。いますぐ!
このnoteは、2013年に新聞で配信したコラム(全12回)です。
"いますぐ見に行きたい!"ってなっちゃった人ごめんなさい。緊急事態宣言が解除されて、安全になってからにしましょうね。