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カワイイのはクチでした #3 クマのクチ

 今回はクマのクチまわりの良さについて、お話をしましょう。日本にいるクマの仲間はツキノワグマとヒグマ、世界にはアメリカグマやホッキョクグマ、ヒマラヤグマなどがおり、そのクチはいずれもよく似ているのですが、いちばん写真うつりが良いのはホッキョクグマのクチだと、私は思っています。
 まず体毛が白いため、表情がとてもキレイに写ります。次に口角(上下の唇が出会うところ)がキュッとあがって、まるで笑っているかのような明るい表情を見せることが多いところも、ホッキョクグマのクチまわりの魅力です。
 いろいろな動物園を巡って大好きな動物たちの(おもにクチの)写真を撮っている私にとって、いちばん好きな園のひとつが、札幌市の円山動物園です。ここにいるメスのホッキョクグマ「ララ」は、これまでにツヨシ、ピリカ、イコロ、キロル、アイラの計五頭の子を産み、そして立派に育てあげた素晴らしい実績を持つお母さんクマなのです。
 この写真はアイラが小さい頃のララ母さんとのツーショット。ララは本当に優しい顔で見守っていますね。そしてアイラはというと、ペロッですよペロッ。動物のクチまわりを写したω写真の中でも、舌がペロッとでているとなると(私の中での)価値がグッと高まります。ましてや、いたいけで柔らかそうな子グマのペロッですからその威力たるや絶大です。
 ララは昨年暮れにも二頭の赤ちゃんを生みました。順調に行けば四月頃には公開される予定ですので、みなさんも一度、愛らしい親子グマに会いに行かれてはいかが?

このnoteは、2013年に新聞で配信したコラム(全12回)です。
2020年4月13日現在、アイラは「おびひろ動物園」で暮らしています。