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MakeoverMonday 2023-01

 Tableau修行目的で取り組んでいる、MakeoverMondayにて学んだこと・苦労したことの備忘録です。
 MakeoverMondayの概要や参加方法などについては、「Makeover Monday 参加方法ガイド」にて分かりやすく解説されています。

今回のテーマ :
The NOAA Annual Greenhouse Gas Index (AGGI)

 データソースは「NOAA Global Monitoring Laboratory」という、米国海洋大気庁(NOAA)の地球規模監視研究所(GML)のサイトです。
 AGGIは1990年時点の放射強制力(Radiative Forcing)を1.00として換算した指標値です。放射強制力は気候学における用語で、地球に出入りするエネルギーが地球の気候に対して持つ放射の大きさのことだそうです。(正の放射強制力は温暖化、負の放射強制力は寒冷化を起こす)

分析のポイント

 当該記事にある「AGGIが1990年から2021年にかけて49%上昇しており、上昇の約 80% をCO2が占めている」という事実を分かりやすく示すことを、ポイントと仮定しました。
 ちなみに、お題元のホームページでの表現は以下のとおりで、AGGI全体の増加傾向は見やすいのですが、「CO2の影響が80%」であることが一目では判らないものでした。

お題元のホームページのグラフ

出来たViz

 完成形が以下のVizです。
 1990年時点のAGGIと、1991年以降に増加したAGGIを、面グラフ(エリアチャート)でCO2分とそれ以外を分けて積み重ねることで、CO2による増加の影響を可視化しました。

Tableau Pulic での公開先は こちら

Viz作成の経緯

 今回提供されているデータは年毎・気体種類毎の「放射強制力」に見えたので、これをAGGIに換算するために使用する「1990年時点の各気体の数値」を下記の計算フィールドで作りました。LODで1990年の数値のみを取得しています。

// 計算フィールド名 non CO2
// CO2以外の気体の数値を合計したもの
[CH4]+[N2O]+[CF Cs]+[HCF Cs]+[HF Cs]

// 計算フィールド名 CO2 1990
{sum(iif([Year]=1990,[CO2],0))}

// 計算フィールド名 non CO2 1990
{sum(iif([Year]=1990,[non CO2],0))}

// 計算フィールド名 Total 1990
{sum(iif([Year]=1990,[Total],0))}

上記を使って、各気体のAGGIを算出する計算フィールドを作りました。
この4つの計算フィールドを面グラフで積み重ねています。

// 計算フィールド名 AGGI(CO2)1990
// 1991年以降は「1990年時点のCO2分の割合」を設定
iif([Year]<=1990
    ,[CO2]/[Total 1990]
    ,[CO2 1990]/[Total 1990]
)

// 計算フィールド名 AGGI(non-CO2)1990
// 1991年以降は「1990年時点のnon-CO2分の割合」を設定
iif([Year]<=1990
    ,[non CO2]/[Total 1990]
    ,[non CO2 1990]/[Total 1990]
)

// 計算フィールド名 AGGI(CO2)add1991~2021
// その年のAGGI(CO2分)から1990年時点のAGGI(CO2分)を減算
iif([Year]>1990
    ,[CO2]/[Total 1990] - [CO2 1990]/[Total 1990]
    ,null
)

// 計算フィールド名 AGGI(non-CO2)add1991~2021
// その年のAGGI(non-CO2分)から1990年時点のAGGI(non-CO2分)を減算
iif([Year]>1990
    ,[non CO2]/[Total 1990] - [non CO2 1990]/[Total 1990]
    ,null
)

 面グラフの上部に表示している年毎のAGGI値は、1990年と2021年を強調したかったため、リファレンスラインを3つ使用して
 1)1990年のAGGI値
 2)1991年~2020年のAGGI値
 3)2021年のAGGI値
を別々に表示し、上記1)と3)だけ太字&網掛けをしました。

備忘録

・学んだ技術
  面グラフ(エリアチャート)の使い道
   → ある時点からの積み上げ状況の可視化
     (積み上げを表計算&棒グラフ等で表現すると「全体との割合」
      が分かりにくいので、面グラフで積み上げ前の情報も合わせて
      見せたほうが良い)
  Tableauというより、AGGIや「放射強制力」について学びました、、、

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