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小悪魔LOVE♡はあなたの理想のヒロインなのか

・前書き兼曲の感想


「スクールアイドルの日常あなたのラブソング編が全話提供されるまで5th楽曲を聴かない縛り 」からようやく解放されました。

 (この文を書いてるのは2023年11月12日です) 

正直ライブまでに全話解放されない可能性まで考えていたので無事予習して臨むことが出来て本当に良かった……スクスタを倣うならそういう所もちゃんと倣って欲しかったです、本当に。面白かったので良いけど。

という訳で、今回はずっと戦々恐々とさせられ続けていた悪魔LOVE♡をようやく聴けたので色々書いていくnoteです。




まず、曲の感想なんですけど……





結局片想い曲かよお前!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



あのですね、最初に楽曲衣装を着ている姿を見た時、あざとさに全振りしすぎてて「こりゃとんでもない事になるぞ……」とは思ってはいましたよ。
ただ、そのとんでもなさってのが『ワールドイズマイン』とか『Sweet Devil』のような所謂「あざとくかわいく相手を振り回す女の子」みたいなのを想像してたんです。現在進行形であなたの隣にいて・・・・・・・・・・・・・・、我儘やあざとさであなたのことをドキドキさせて……そんな子を演じるんだろうな……なあ、俺はどんな顔すればいいんだよ桜坂……と、スクールアイドルの日常を見ていてもそう思ってばかりでした。

それが曲を聴いてみたらどうだ。よもやよもや、この後輩隣にいるどころかまだ恋愛のスタートラインに立った所にいるじゃないか!!!!

何でだ!!!
何でお前はいつもそうなんだ桜坂!!!!!!

スクスタの頃から何も進展してねぇじゃねえかお前!!!!!!!!!!!!!!!!!!


曲自体は本当にとてもキュルンキュルンですごく可愛くて良かったです。ただ、そんな背景のせいかそのあざとさ以上に「あなたへ向いた健気さ」が強く、聴けば聴くほど微笑ましく思えてくるんです……したたかさやあざとさは確かに感じるのに不思議と心は穏やかで……なんというか、「この桜坂を俺は知っている……」みたいな感情ばかりが募るんです。
想定していたあざとさじゃなくて、それ以上の何かに私はトキメキを感じました。

そしてこの曲、MVもまあ癖が強いなと。

5thMV、その子その子で演出かなり凝ってて良いな……って思いました。

例えば個人的に好きな『Request for U』は恋人である愛さんとのデート当日をモチーフにしてみたり、『背伸びしたって』はサムネイルであえてかすみんを出さないことでかすみんが望む恋愛観やなりたい自分のイメージが想起できたり、個々の曲に合わせて「こう表現するんだ」や「こういう第三イラスト用意してもらったんだ」が感じられます。

一方の桜坂さん。
MVを思い返した時、何が印象に残ってるって言われたらもうひたすら桜坂さんの顔なんですよね。
衣装と同じピンク地にフリルがたっぷりな背景に、あの手この手色んなアニメーションでこれでもかと主張し続ける桜坂しずくの立ち絵、あまりに良すぎる桜坂しずくの顔。

「私を見て!!」そんな桜坂さんの紛れもない本心が聞こえてくるようで。

印象に残るような演出は他の子より控えめに、空いたリソースでひたすら桜坂しずくの可愛さとあざとさをアピールしたMVというのは物語性を大事にしてきた今までの曲には無くてなかなか新鮮でした。

それはそれとして「お前それ絶対本心だろ!!」って叫びたくなる歌詞の殆どは同じ立ち絵で統一されてるの、本当にやりやがったなお前という気持ちです。

・本題


さて、それでは今回のタイトルについて。


小悪魔LOVE♡、聴いてて思ったんですけど……やっぱりこれ、あなたの理想のヒロインじゃないですか???

というか、あなたの理想のヒロインだろ


歌詞の雰囲気とかそういうイメージ的なものじゃなくて、この曲の存在そのものが別の曲の姿をしたあなたの理想のヒロインな気がするんです

例えば歌詞。

どんな子が好きなの?癒し系?それとも強い子?

君の好みでいたい  ピュアな恋心に気付いて

あの手この手  品を変えて  ねえ  ねえ  こっち見て?

小悪魔LOVE♡の歌詞1番から抜粋


この辺からも分かるように、片想い相手に対して桜坂さんが取っているアクションは「君の好きなタイプの女の子」になること。

振り向いてもらう努力もさることながら、強みである演技力も駆使して「大好きな君の理想の女の子」になろうとしているの、相も変わらず不器用すぎて健気ですね。落ちサビ前や獲得演出で本音がしっかり零れ落ちてるのも本当に桜坂しずくで愛しいですね。

あなたのために何かをする/何かになるという違いはありますが、こういう目的は2曲とも似通ってますね。

また、ここの「君」とか「あなた」もポイントです。


この「あなたの理想のヒロイン」というワード、実は「あなた」の指すものによって(何故か)3種類ほど異なる意味合いがあります。それぞれを分類すると

  1. 楽曲、キズナエピソードの8割→特定の「あなた」/誰よりも笑顔にしたい「あなた」の理想のヒロイン

  2. メインエピソード→応援してくれるファンを指した「あなた」/「あなた」の心に残る、心に寄り添う子を演じることが理想のヒロイン

  3. アニメ→不特定多数の「あなた」、漠然とした概念/理想論に近い言葉としての理想のヒロイン

という風に考えることが出来ます。勿論、「あなたの理想のヒロイン」は1番に該当します。

小悪魔LOVE♡の歌詞をここに当てはめた時、桜坂さんの慕う「君」の指す意味合いは特定の誰かであり、1番の意味に近いものではないでしょうか。

また、2曲の共通点として、どちらも歌っている内容は片想いする女の子の歌……「シチュエーション」が上がります。

あなたの理想のヒロインはあなたとの出会いとそれに伴い変わっていく自分の日常と心情を中心に描いた歌。

小悪魔LOVE♡は想いを募らせる相手に振り向いて欲しくて頑張る自分の心情を描き移した歌。

歌詞もアプローチも対称的な2曲だけど、その根幹には「あなた」がいて、桜坂さんはそんなあなたに大きな矢印が向いている。(何故か)2曲あるラブソング系統の歌が両方とも同じ対象を見ているの、実はかなり無視できない要素じゃないでしょうか。



ちなみに、前者は「あなた」の学年とキズナエピソードから、後者はスクールアイドルの日常3話で桜坂さんが (本当に何故か) 「もう……聴いてますか?  先  輩   の  ことですよ?」 と口にしたことから少なくとも「想いを寄せる『あなた』は『桜坂しずくの先輩』である」ことは確実に言えます 。

何ならスクールアイドルの日常は高咲侑も「あなた」も全く物語に関与しないため、寧ろ2人が同一人物である可能性すら普通にあると言ってもいいでしょう。


なんで?????????????



・本質


ただ、上記であげた「『あなた』が類似してる」「テーマが共通してる」の2点、これだけの根拠だと「ただ共通のテーマしてるだけの別曲」だけで終わってしまうんですよね。何せ物語をなぞるように第三者視点で少女の心を歌うあなたの理想のヒロインと少女本人の視点で愛する君に振り向いてもらおう大作戦を遂行する小悪魔LOVE♡のアプローチ、どこを取っても全く真逆ですから。

「マーガレット」と「背伸びしたって」みたいなテーマや曲風は似てるけど歌詞が全く真逆なこと言ってたりやってるの面白いよね〜的な感じで収まるタイプの違いなんですよね。


それで済ますことの出来ないものが、その違いを正しく同じものとしてしまえる要素があるのが桜坂しずくなんです。


時に、これを読んでるあなたはかつて虹ヶ咲9人のキャッチコピーが今と異なっていたのを覚えていますでしょうか。

例えば、上原歩夢さんは「まごころ系スクールアイドル」ですが、当初のキャッチコピーは「コツコツ系スクールアイドル」。
優木せつ菜は「本気系スクールアイドル」ですが、当初は「???系スクールアイドル」でした。せつ菜のキャッチコピーを見てわかる通り、初期の頃はそれぞれの特徴を表しつつも結構何でもありな紹介をされてました。

この初期キャッチコピーは(観測してる限りでは)スクスタリリース直前のRTキャンペーン時には現在のものだったので、少なくともアプリが本格始動する前には変更されています。

1st楽曲のみが制作開始時点ではまだ初期キャッチコピーの状態で制作された曲なのです。

そんな「あなたの理想のヒロイン」が作られたありし日の桜坂しずくのキャッチコピーは「後輩系スクールアイドル」 

これ書いてるアカウントがほぼ毎月レベルで呟いてる言葉。これこそが2曲を繋ぐ今回のお話の本質であり、今日まで桜坂しずくのことをあまりにも複雑で怪奇な存在であらしめている諸悪の根源です。


「後輩系スクールアイドル」と「演技派系スクールアイドル」、この2つは見た目相反してるようで、実際マジで別物です。スクスタとアニメで桜坂しずくの描写の仕方がかけ離れている要因も間違いなくここです。

その違いは「あなたの有無」です。

後輩系を名乗ろうと思ったら、まず先輩に相当する第三者がいないとこのキャッチコピーは成り立ちません。その先輩に相当するのが、紛れもなく「あなた」でした。
つまり、初期の桜坂しずくは「あなた」の存在が幼馴染と同等レベルで必要とされた女の子だったんです。

そんな女の子としてのイメージを形成してる時に作られた最初の楽曲こそが「あなたの理想のヒロイン」です。


一方、演技派系を名乗ろうと思ったらそれは個人の存在のみで十分成り立ちます。最悪「あなた」がいなくても、「あなた」じゃなくても良いんです。

その違いを明確に表面化したものが1期の「しずく、モノクローム」じゃないでしょうか。


桜坂しずく、彼女はキャッチコピーの変更で背景にあるものや彼女を支えるものがおそらく最も大きく変わってしまったスクールアイドルです。

そして、スクスタが無くなった今、後輩系スクールアイドルだった頃のお話は全て過去のものとなり、演技派系スクールアイドルとしての物語のみがこの先進んでいくようになりつつあります。


そんな当時とは方向性が丸っきり変わった彼女が今回のラブソングで全く同じシチュエーションを、全く真逆のアプローチで歌っている。

もしその違いが当時との肩書きだけなのだとしたら、それはこの曲が「あなたの理想のヒロイン」を演技派系スクールアイドルならどう歌う?あなたのとの距離はどうなる?といった、今までの桜坂しずく像から再考したもの、とも言えませんか。


『後輩系スクールアイドル』の歌を『演技派系スクールアイドル』として再翻訳した歌、それが小悪魔LOVE♡。


そうは考えられませんか。


「あなた」が隣に居る必要が無くなった現在の姿で、もう一度「大切なあなた」を想って作られたいわば『新訳あなたの理想のヒロイン』とも呼べる曲……自分がこの曲を聴いて感じた懐かしさや微笑ましさってここから生まれてるんじゃないかな。

そう思いました。



・終わりに


以上、小悪魔LOVE♡=新訳あなたの理想のヒロイン説とかいういつもの考察 (幻覚) でした。

長々と書きましたが、要は

スクールアイドルの肩書きが違うから違うように見えるだけで、桜坂後輩ほんとお前あなたの理想のヒロインから何も変わんないね?????


と言う話です。この曲やこれを歌う桜坂しずくを考える際の一考になれば幸いです。



ちなみにこのオタク、企画発表の時点とか言う初期も初期の段階からラブソングがあなたの理想のヒロイン(みたいな曲)になる可能性をずっと考え続けていたらしいんです。

5thアルバム制作&楽曲投票が発表された生放送直後のツイート。狂気。なんもかんも桜坂しずくが既にラブソング歌ってるのが悪い


衣装を投票した時のツイート。後輩系スクールアイドルの亡霊。実際選ばれた衣装ってあなたの理想のヒロインとかなり似てると思います。

なので、いざ蓋を開けると瓢箪がコマになったどころか本当にあなたの理想のヒロインそのものみたいな曲が来て本当に頭抱えちゃったんですよね。そんな気持ちで書き連ねたのが今回のブログでした。


さて、こうしてクソデカ感情を全部吐き出せたので今週のライブは何の憂いもなく穏やかに桜坂しずくを見られる───


 はずがねえんすよね。


だってここに前田とか振り付けとか入るんすよ。事と場合によっては大変なことになるぞ。


結構振り付けって大事で、歌詞だけだった情報に上乗せで新しい情報を提供されるとても重大イベントなんです(あなたの理想のヒロインのラストとかオードリーの全てとか)。
故に、ここで突然「そんな意味込めるの!?!?」って叫びたくなる瞬間なんてザルにあります。なんなら桜坂しずくの曲の大半これです。そりゃ身構えるよね。

そもそも前田佳織里さんがあの髪型とあの衣装で踊るって事実だけでヤバいしなんか前田想像以上にツインテ似合いすぎててどうしようってなってるし前田のあざとさは桜坂しずくと違って本当にダメなタイプのやつなんですよ。


さらにさらにトドメを刺すかのごとく、これ書いてる間に届いたパンフレットによって今回のライブが、ラブソングの世界観がスクスタ時空にかかってくる可能性が微妙に発生したんですよね。

その影響で、ちょっと嫌な予感がしてきました。


あの、この感情、もしかしてこれ自体もあなたの理想のヒロイン由来の感情ですか???????????????????


正直、演技派系スクールアイドルに完全移行したアニメ絵アニメ時空(推定)だからこそラブソングをこういう形にするのマジで良いな……って思ってたんです。こうなると話が変わってくるんです。

スクスタ時空で歌うならそれはもう俺のよく知ってるあの桜坂しずくが歌ってる曲なんすよ。


特にパンフレットの桜坂さんからの手紙なんかはどっからどう見ても後輩系スクールアイドルだった頃の曲そのまんまの歌詞が飛んできててマジでヤバいです。本当に何なんですか、あれは。

「あなたと出会ってから私の世界は、私の心は変わったんだ」の本格的なアンサーソング、或いは他三部作続編との分岐ルートとして普通に有り得そうだな……って思ってしまえちゃうの本当にマジで何なんですか???????何なんですか????????????????


「もう少し、このままでもいいですか?」とか「一緒に夏祭りに行きませんかっ!」とか言ってきたどことなく健気で愛しくて隣で応援したくなる後輩がこれになるんですか?????????????????????



というライブ前に特大の感情爆弾を公式に用意されたところで今回のnoteはおしまいです。

多分この感情のまま6thに参戦する気がするので、もし会場でバッタリ会ったら笑ってやってください。

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