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西山浄土宗で住職として活動するためには?

皆さんこんにちは 和歌山県有田郡にある西山浄土宗 法樹寺 仏弟子の寺嶋 瑞仁(ずいじん)といいます。現在私は法樹寺の住職のもと仏弟子をしながら京都にある西山浄土宗の総本山光明寺において8月と3月に教師試験検定講習会を受けています。ただ応募して思ったこととして、実際にどういった流れで西山浄土宗について学び、お坊さんとして活動できるようになるのか全体の流れがわからないことに気付き、今回の記事を執筆しました。中には住職の親族をもち、「とりあえず検定講習会受けてこい」といわれてきた方もいると思います。前記の方含め今後皆さんが西山浄土宗について興味を持ってくれた際の参考になれば幸いです。

最終的に目指すもの

西山浄土宗を学び、布教していいくために必要な資格を紹介する。今回の記事においてはお寺の住職として最低限活動可能となる

准擬講(じゅんぎこう)

をめざす。

自身の状態の確認

目指す内容を確認したら次は自身の学歴について確認をしておく。学歴によってその後のスタートラインが変わるため重要な確認となる。可能なら高校や大学の卒業を証明する資料があることが望ましい。

全体の流れ

いよいよ全体の流れを説明していく。今回は最近事例の多い、大学(4年制)に在学中の学生が後述する「得度」と「教師試験検定講習会」(以降 検定講習会と呼称する)、「加行」(「」内については詳細を後述する)を受けて大学を卒業したのち准擬講(じゅんぎこう)の資格を取得する流れを基準として記載する。下図にしめす全ての項目を達成することで資格を取得することができる(因みに検定講習会を受験する以外に総本山に随身しつつ京都西山短期大学に通って卒業する方法がある。)
注:一つのルートを達成すれば資格を取得できるわけではない。

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得度について

僧名をもらうための儀式。執り行うのは菩提寺または光明寺にて行う。剃度を行い、俗世から僧侶の世界へ入っていく儀式。10才から受けることが可能で住職資格を得る上で起点として重要な内容である。

教師試験検定講習会について

教師試験検定講習会は西山浄土宗における教えを体系的に学ぶことができる講習会である。4年制の大学に入っていれば3期生から受講することができ、夏と春にそれぞれ1週間の期間で総本山光明寺にて開催されている。各期で二回づつ講習とテストをうける必要があり、4期生修了後に口頭試問を合格することによって教師試験検定を合格することができる。(中学卒で1期生、高校卒で2期生からはじめることができる)

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応募方法

西山浄土宗の宗務所が毎月各寺院へ発行している機関誌:西山が存在する。

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機関誌の中には各種募集に関する情報が記載されており検定講習会の募集についても記載されている。受講希望者や受講させたい者がいる住職はこの情報をもとに住職及び担当組長に届け出を行う。(届け出に必要な書式については後述する。

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法脈相承(加行)について

加行(けぎょう)とは各宗派の代々の法脈(教え)を相承(伝える)するための行(修行)である。西山浄土宗においては修行者はこれを修めることによって住職見習い(教師見習い)として扱われる。年齢制限として15歳以上から受けることができる。

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応募方法:

前記検定講習会と同様

資格の習得にあたって

上記、教師試験検定、加行、大学卒業をもって住職資格をえる準備を全て整えた。その上で総本山光明寺に対して書類による届け出を行うことによって准擬講としての辞令を光明寺より交付される。

上記で述べた各種書類については下記URLよりダウンロードすることができる。パスワードについては総本山光明寺に問い合わせるか、菩提寺に確認してほしい。「西山浄土宗 宗制・宗規・書式」が西山浄土宗の各寺院に配布されており、その巻末に書式が存在する

最後に

本記事が今後西山浄土宗の僧侶および住職資格を得たいと願うものにとって参考となる資料となれば幸いである。

また検定講習を受け加行をうける予定の者として一つお伝えさせてほしい。今後の希望者にはできれば検定講習会や加行を受ける前にはお寺の僧侶として社会や檀家に貢献するための心構えを整えたり、仏教や浄土教のありかたなどを書籍やお師匠さまから学び、実際にお手伝いを通じて経典や作法等について事前に一定の理解があるととても有意義な機会になると考える。

執筆:西山浄土宗 南部9組(和歌山県有田郡) 法樹寺 仏弟子 寺嶋瑞仁 

本記事は西山浄土宗 宗務所の確認をとった上で公開している。

ちなみに寺嶋の個人活動として新規宗教を立ち上げ布教活動をしていたりするのでそちらも興味があれば読んで頂きコメント、入信等頂ければ幸いです。



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