石炭と太陽電池の発電量とCO2量の比較【独自研究】

火力発電を全部ソーラーで置き換えた場合、切った木のCO2吸収量で赤字にならないか?
と思って計算してみたら、全然そんなことなかった。

結論から言うと、年間で約8メガトンの削減ができる。
なお、単純化するために年間発電量のみで計算した。(ツッコミどころ)

以下長文…

比較に使用する発電所

比較対象はどちらも北海道の発電所。

苫東厚真:
 石炭火力
 最大出力1650メガワット
 面積52ヘクタール

ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク:
 ソーラー
 最大出力111メガワット
 年間発電量100814メガワット時
 面積166ヘクタール
 最大出力1650メガワット
 面積52ヘクタール

出力が違うので、同じだけ発電した場合に必要な面積を計算する。

ソーラーの年間出力は108014メガワット時。
火力は資料が見当たらないので年間平均60%で稼働したとした場合、8672400メガワット時。
年間発電量は80倍→ソーラーの敷地は13280ヘクタール必要。

1年あたりのCO2排出量とCO2吸収量

CO2の量は以下のようになる。
石炭火力は1kWhあたり946gのCO2を排出なので8204090トンを1年で排出。
森林は1ヘクタール当たり8.8トンのCO2を1年で吸収。
13280ヘクタールで116864トンのCO2を1年で吸収。
火力発電の面積だと457トンの吸収。

これを元に計算すると
(火力のCO2排出量+火力発電所面積分の森の吸収量)
 -ソーラー発電所面積分の森の吸収量=8087683
なので約8メガトン。
日本の排出量が1,080メガトンなので、一か所に付き0.8%の削減?
年換算でCO2を減らすのは実現出来る。

設置場所への課題

今回の計算で求めた13280ヘクタール(132.8平方キロメートル)は、
サロマ湖の約88%の面積で、琵琶湖の約20%。

水に浮かべるわけにはいかないので、これぐらいの広さの森や山を削るか、市街地で日向になるところに設置していくか。
市街地だと、建物の屋上…建物の所有者と発電者が違うと揉めそうね。
両方とも国ならできるかもしれんけど、日本ってそういう国じゃないし。

畑に設置、離農したところではなくて作物作っているところを覆うように設置するという意見もあるらしい。
これ、不安定な電力を作るために農作業の効率を下げてるから論外。
ソーラー邪魔で大きい農作業機械が入れないから作業効率が下がる。
それに、日陰で育った作物は、日向で育った作物と同じ収穫量になるのだろうか?
もしもソーラーパネル破損した時、その畑で育った作物を食べる?
風票被害も凄そう。
ソーラーパネルなら綺麗な汚染、とはならんでしょ。
電気と食料を不安定にする作戦か?
話が逸れた。

安定供給への課題

火力をソーラーに置き換えるには欠点を克服いないといけない。
火力みたいに24時間毎日供給出来れば問題ない。
そのためには、発電出来る時にガンガン発電して貯めておいて、発電出来ない時に貯めた分を供給する設備が必要。

電池にした場合、耐用年数と廃棄の問題が大きそう。
それはソーラーパネル自体にも言える。
火力発電にも言えるか。

揚水発電にした場合、それなりの面積と予算が必要。
さっきの計算結果を当てはめると、92万ヘクタールまでなら森を潰して良いから足りるかもしれない。

その設備、誰が負担する?
ソーラー発電の会社が負担出来るレベルなのか?
そんな利益にならないようなことをする民間企業は出てくるのか?
電気の買取単価を上げたら出てくるかもしれないが、電気代がどれぐらい上がるだろう?

補助金?
国外の会社の利益に日本の税金を使う?
電力を国外の会社に抑えられているのってどうなんだろう。
その国と揉めたら電気を止めるという攻撃をしてくるかもしれない。
話が逸れ過ぎた。

未来の為に

ソーラーの欠点を克服する方針。
それが整うまでは何でカバーするか。
故障の場合のバックアップは何にするかも大事。
これを提示出来れば、火力発電を全廃する流れにも賛同できるんだけどね。
今のままだと、ソーラーを支える為に火力発電が必要、で止まってしまう。
それでは、ソーラー邪魔じゃない?で終わる。

凄い量の電池や揚水発電所が確保できるなら、火力発電0は出来ると思う。
ソーラーと蓄電設備の設置+撤去+維持費の合計が、火力発電の設置+撤去+維持費(燃料代含む)、より安いなら電気代も下げれる気がする。

長期的な国家プロジェクトになるな…電力自由化とのバランスはどうする?

原発はどうか

原子力はCO2を排出せずに火力並みの出力を出せるけど、出力調整ができないから消費の可変分の支援に火力か電池か揚水が必要になるよね…

原発の定格出力+自然エネルギーの最大出力が需要を上回るとアウトなので、余らないような発電量になるように設備数の調整が必要。

電池や揚水で消費といっても、満充電や満水だったら…揚水発電所に発電しないで放水する機能を付ける?
最悪それか?
間違って放水したら電気不足になって大惨事。
電気を貯めれる量に余裕を持たせれば…となると、電池や揚水が多くなる。
無駄って言われるかもしれない。

火力は出力可変できるといっても、最低出力は0ではないので、不安定な発電が増えると電気の超過を抑えられないのは一緒。

火力発電への要求が高い

そういえば、自然エネルギー推進のために火力発電の最低出力を50%以下にすることを求める提言が経済産業省から出てるのを知った。
自然エネルギーが発電できない時に不足しないだけの発電が出来て、かつ、自然エネルギーが最大出力の時に超過しないように発電を弱める性能が求められる。
火力の最低出力+水力の最低出力+自然エネルギーの最大出力≒最低需要
火力の最大出力+水力の最大出力+自然エネルギーの最低(0)≒最大需要

しかも、風の強弱や雲の陰りなどリアルタイムに可変する発電量に対応できる性能が求めらる。
さらに、出力を弱めると発電効率が下がり、出力当たりのCO2排出が増えてしまう。
火力発電の技術開発は必要だね。

参考資料

苫東厚真の出力と面積:リアルエコノミーの記事
https://hre-net.com/keizai/keizaisougou/10893/
火力発電のCO2排出量:関西電力
kepco.co.jp/energy_supply/energy/nuclear_power/nowenergy/need.html
ソフトバンク苫東安平ソーラーパークの出力と面積:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%95%E3%83%88%E3%83%90%E3%83%B3%E3%82%AF%E8%8B%AB%E6%9D%B1%E5%AE%89%E5%B9%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AF
森林のCO2年間吸収量:林野庁
https://www.rinya.maff.go.jp/j/sin_riyou/ondanka/20141113_topics2_2.html
出力制御提言に向けた取り組みについて:経済産業省
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/shin_energy/keito_wg/pdf/030_03_00.pdf
出力効率:電気新聞ゼミナール
https://criepi.denken.or.jp/press/journal/denkizemi/2020/201028.html

蛇足

揚水発電所:ほくでん
https://www.hepco.co.jp/energy/water_power/kyogoku_ps.html
これ一か所で最大出力600メガワット。
最大出力時に190.5立法メートルの水を1秒で使う。
上部調整池は440万立法メートルの水を貯めれる。
最大出力で6時間カバー出来る。
昼のうちに満タンにしても一晩もたないのか…
しかも、1ケ所ではピーク出力に届かない。

北海道エリアの需給実績:ほくでんネットーワーク
https://www.hepco.co.jp/network/renewable_energy/fixedprice_purchase/supply_demand_results.html
1時間平均の電力供給量がCSVで取得できる。
原発がずっと0なのが…
2020年10月~12月のデータで火力の最大を100%とした場合、平均で73%ぐらいになる…
最大でも80%ぐらいしか出力してないと仮定すると平均58%か。
再計算めんどくさいから良いか。

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