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なぜ保健所の数は減っているの?緊縮財政により失われた大切なモノ

皆さんこんにちわ!まっきーです。

今回は「保健所」について記事にしたいと思います。

今はコロナの影響により、保健所がある意味で最も必要とされている時ですよね。

しかし、この保健所ですが、実はある時期を境に、その数がかなり減らされています。

そもそも保健所の役割とは何なのか?そして、なぜ保健所の数は減らされてしまったのか?

今回は、この2つをテーマに記事にします!

「保健所」とは?その役割とは何か?

保健所の役割を調べてみると、以下のような情報がありました。

• 保健所は地域保健法にもとづき都道府県、政令指定都市、中核市などに設置されており、全国で469カ所あります。(令和2年現在)
• 主要な役割は、地域の医療機関や市町村保健センター等の活動を調整して地域住民に必要なサービスを提供する仕組みづくりや、健康危機管理の拠点となること
• 保健所は、地域住民の健康を支える広域的・専門的・技術的拠点と位置づけられる施設です。難病や精神保健に関する相談、結核・感染症対策、薬事・食品衛生・環境衛生に関する監視指導など専門性の高い業務を行っています。
引用元:全国保健所長会 より抜粋

かみ砕いて言えば「様々な疾病に関して監視指導するための拠点」と言ったところでしょうかね。

地域住民の健康を支える」という部分が、保健所の根幹となる存在意義なのだと思います。

最近ではコロナが流行した事により、お世話になった方も多くなっている事が推測できます。

このように、地域住民の健康を支えることが目的の保健所ですが、ある時期を境にその数が激減しています。

保健所数の推移から見る現状

まずは、保健所総数の推移グラフを見てください。

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引用元:全国保健所長会 より

上記グラフのとおり、平成9年頃を境に、その総数が急激に減り始め、850箇所以上あった総数が、現在では500箇所以下になっています。(令和2年現在で469か所)

平成9年と言えば西暦で1997年です。

なぜこの時期に減ったのか?恐らく答えは消費税の増税(3%→5%)です。

日本の経済に大ブレーキがかかり、完全にデフレ不況に陥った時期と見事に合致しています。

別の記事でご紹介しましたが、日本のGDP推移グラフを見てください。

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引用元:https://jp.gdfreak.com/public/detail/sp010001000119900097/1

この図の通り、1997年以降は殆どGDPが増えていない事が分かります。

この保健所の数が急激に減りはじめた時期と、GDPが頭打ちとなり全く増えなくなった時期。

この2つの時期が同じなのは、もちろん偶然ではありません。

「緊縮財政」により失われたモノ

1997年に消費税増税が行われ、日本経済はデフレ不況に陥りました。

そして、政府は「緊縮財政」の一環として保健所の数が多いと判断し減らした、という事です。

「それがGDPとどう関わってくるの?」と疑問に思われる方もいるかも知れませんが、100%間違いなく影響を受けています。

保健所の数を100箇所以上減らしているという事は、本来そこで働くはずの人に支払われる給料や、様々な経費がゼロになった、という事です。

出費を抑える、経費を節減する」というリストラ的な行為は、ミクロ視点(家計や企業の会計)では悪い事ではありませんが、マクロ視点では全く異なります。

保健所1箇所に対して、どれほどの経費が必要なのかは分かりませんが、その仕事がなくなった分、我々国民の所得が減ったことになります。

政府が支出を減らしたり増税を実施すると、結果として我々の所得が減り、その分だけGDPが減ります。これがマクロ経済の特徴です。

保健所は本当に減らすべきだったのか?

保健所は、恐らく稼働状況が低いなどの理由から、閉鎖されたのだと思われます。

しかし保健所と言う場所は「新たなウイルス流行などの有事に備える」ことも重要な役割だと思います。

「消防署」や「警察署」なんかとも近い存在ですよね。

しかし、火事が少ないからと「消防署」を減らしたり、犯罪が少ないからと「警察署」を減らしたりするでしょうか?

いざという時のことを考えると、これは難しいと思います。

しかし、政府は「無駄」だと判断して保健所の数を減らした。その判断は果たして正しかったのでしょうか?

実際、コロナの流行により、保健所はパンク状態と聞きます。

しかも、1998年は消費税増税により日本の景気が傾きデフレが悪化した訳ですから、国民の所得を減らすような政策は絶対に実施すべきではないんですね。

2つの意味で間違えていると思うのですが、どうしてこんな事を政府は実施してしまったのでしょうか?

「緊縮財政が国民を貧困化させる」という事実

その根底には「プライマリーバランス黒字化(基礎的財政収支)」があると思います。

政府の支出を減らし、税金を増やすことで国の借金を減らす」という考え方ですね。

「保健所を減らす事は2つの意味で間違えている」と書きましたが、このPB黒字化も全く同じことが言えます。

その2つとは、以下の2点。
①公共事業を減らし続け、有事の備えを怠っていること。
②デフレ不況(需要不足)の時期に、需要を減らす政策を実施したこと。

政府は公共事業費(公的固定資本形成を減らしまくっており、現在ではピーク時の1/2程度まで減らしています。

保健所を減らすことも公共事業費を減らすことも、いわゆる「緊縮財政」と言われる経済政策です。

緊縮財政は我々の所得を奪う政策であり、これをやり続けると日本国民はどんどん貧困化します。

そのうえ有事へ備える事さえ怠っているのですから手に負えません。

つまり、緊縮財政とは「国民を貧困化させつつ、いざと言うときの備えすら失う」という酷いものです。

もちろん、何が何でも緊縮財政がダメという訳ではありません。実施するタイミングが大事だということです。

現在はデフレ不況(需要不足)ですから、それを悪化させる緊縮財政は実施すべきタイミングではない、という事です。

それに、いざと言うときの備えさえ手放して、一体どうやって国民の財産や生命を守るのでしょうか?

まとめ

以上が、保健所にまつわる経済のはなしでした。

保健所というものについて、私自身これまで考えた事が殆どありませんでした。

改めて調べてみて、こんなところにも緊縮財政の影響があったことを知り、正直驚きました。

改めて、いかに政府における財政政策に誤りがあるかを認識しました。

そして、ぜひ1人でも多くの方にこの事実を知ってもらいたいと思い、稚拙ながら記事にさせて頂きました!

以上、保健所についてでした~!

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