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【マーターズ】拷問の先にあるもの

『マーターズ』(原題: Martyrs)は、2008年に公開されたフランスとカナダのスプラッター映画。普通の人間ならば嫌悪感しか浮かばない「監禁・拷問・虐待」と言うものが、この映画のテーマとなっている。

マーターズの2人

【ストーリー】

主人公は「リュシー」と「アンナ」という若い女性。「リュシー」は、幼い頃に監禁・虐待を受けた末に、自力で脱出したという経験を持つ。その後、リュシーは施設に預けられ、そこでアンナと出会い少しずつ傷を癒していた。だが、幼い頃の経験が原因でリュシーは「彼女」と呼ばれる怪物に傷つけられ続けることに悩んでいた。その十数年後、彼女たちはリュシーを監禁・拷問していた人物を突き止め、復讐をすべく行動を開始するが・・・。

「彼女」が怖い

リュシーの前に現れる「彼女」。「彼女」はリュシーの前に度々現れては、リュシーを傷つけ悩ませ、怯えさせていた。「彼女」は何者で、何が目的なのかは観ていば徐々に判明するが、ネタバレになるため、ここでは伏せておく。しかし、こんなものが度々目の前に現れるのでは、安心して暮らせないだろう。

彼女

映画の前半と後半で内容が大きく異なる

前半は、2人がリュシーを監禁・拷問した犯人に復讐をする内容が描かれているが、後半はさらにぶっ飛んだ内容へと展開していく。ネタバレになるため詳しく話せないのが辛いが、一種の宗教的というか妄信的と言うか、何か崇高的なものを求めるために、非人間的な行動を行うシーンが続き、観るものをある意味唖然とさせる。

そのため、後半になると映画の雰囲気そのものが、まるで別の映画のようにガラッと変わってしまう。

「拷問クラブ」のような存在

拷問を題材にした映画と言えば、「ホステル」が有名かも知れない。高いお金を払って、人間を好きなように拷問する人間と、その拷問する人間を提供するような言わば「拷問クラブ」のような存在。現実にこの様な組織が存在するかは知らないが、人間と言うのは残酷な面を持つ生き物だ。絶対に無いとは言い切れないのが怖い。

【まとめ】

本作は、テーマそのものが一般の人間に受け入れられるものでも無いし、ハッキリ言って万人にオススメ出来る内容ではない。(こんな映画ばかり記事にして申し訳ないが…)

「冷たい熱帯魚」「ファニーゲーム」と並ぶ、人にオススメしにくい部類の映画ではあるが、「彼女」の描写や、その独特な内容など、見るべきものがあるのも事実。ホラー好きを自称される方なら、一度ご覧になることをお勧めする。なお、本作は2015年にリメイク版も作られており、こちらは全体的に表現がマイルドになっている。比較的観やすい映画に仕上がっているとも言えるが、一方で本家の特徴を殺してしまっていると言えなくもない。どちらをご覧になるかは、皆さんにお任せする。

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