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冷たい熱帯魚に見るサイコパスの怖さと狂気への扉!観た感想と考察

(最終更新日:2021年12月6日)

私はホラー映画が基本的に好きなのでよく観ます。よく観るのですが、8割は凡作か、まあ他の作品と似たりよったりの作品が多いんですよね。

そんな中でも、かなり個性的であり、かつ「人間の狂気」をグリグリとえぐり出す、そんなちょっとヤバ目の映画が邦画の中にありました。

園子温(そのしおん)監督作品の『冷たい熱帯魚』です。

冷たい熱帯魚2

かなりの異色作であり、ホラー映画好きの私でも、正直改めてもう一度見たいとは思わないですね。なんかもう、人間の狂気をまざまざと見せつけられたというか…なんだか見てて辛いんですよね、個人的に。

ただし、とてつもない衝撃を受けた映画ではあるので、人に話したくてウズウズしている自分が居るのも事実なんですね。

そんな訳で、冷たい熱帯魚の感想や考察について、ネタバレしな程度に、少しだけ述べさせて頂きます。

実話をベースにした映画

この映画、実際に起きた事件をベースに作られています。その「事件」とは、1993年に起こった『埼玉愛犬家連続殺人事件』です。

埼玉愛犬家連続殺人事件(さいたまあいけんかれんぞくさつじんじけん)とは、1993年(平成5年)に日本の埼玉県熊谷市周辺で発生した殺人事件。マスコミ報道が先行した事件であり、被疑者の映像が連日映し出された上、完全犯罪を目論んだ残忍な結末が明らかになるなど異常性の高い事件であった。
引用元:ウィキペディア より

実際に起きた事件がベースという側面もあってか、観ていて不気味さが何倍にも増している気がしますね。これは実話ベース映画の強みですね。

事件のあらましは上記の通りなのですが、この事件の中心に居るのは、いわゆる『サイコパス』の存在だと思いました。

サイコパスとは「感情の一部が欠如している」という点において特筆される精神病質者のことを指します。

 自分以外の人間に対する「愛情」「思いやり」などの感情が著しく欠けており、そのためサイコパスは極めて自己中心的に振る舞う傾向にあるようです。

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サイコパスのオンパレード

作中では、サイコパスが複数人登場し、それぞれ徹底したサイコパスぶりを発揮しています。

そして、そのサイコパスがまた別のサイコパスを呼び覚ますというか、その人の中に隠れていたサイコパスを引き出す、みたいな怖い連鎖が起きていたように思います。

人間は、もしかすると多かれ少なかれ「サイコパス」的な狂気を、誰もが持っているのかも知れませんね。

この映画はその「狂気」を容赦なく描写していて、その描写が相当に「グロい」んですね。

ホラー映画を観慣れていない方が見たら、トラウマになってしまうのではないかと思うレベル。まずテレビで放映される事はないと思いますが、間違って観てしまうとトラウマ確定です(笑)

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ゾンビや悪魔が出てくるわけでもないのですが、同じ人間であることが余計にリアルに感じるのも怖いですよね。

やっぱり一番怖いのは人間なのだな、と感じてしまう映画です。

という訳で、詳しい作品の内容にはあえて触れません。気になる方は実際に観て頂きたい。決しておススメは出来ませんが、衝撃度においては他に類を見ない映画なので、そういった刺激を求める方にはおススメです。

監督の園子温さんもすごいのですが、吹越満さんや、でんでんさんの怪演もとにかく凄い。ホラー映画好きを自称する方なら、是非一度ご鑑賞を。

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