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独立 女風セラピストのプライベート

「お店辞めたんだ」
ビックリした
忙しいのは、それに向けてもあったみたい

「お客さん寂しがったでしょう」
「ううん、cotoさんとお幸せにだって」
「ずいぶん理解のあるお客さんたちなんだね」

いつものように彼らしい冗談を言いながら
いつ辞めたのか
これからのことを話してくれた

私に話してくれた内容は本当の内容じゃなかった
自分でやっていくのに
知り合いのお店で働くって言ったり
私はきっと彼の現在のお客さんより信頼されてない
そんな風に感じた

いつものように私の仕事場で過ごして次の予定に向かう
今回はお客さんじゃないみたい

「あー、キャスって何話せばいいだよー」
どうやら初めてのキャスらしい
ロング缶のチューハイを飲みながら緊張を紛らす彼

そういえば彼はいつも飲んでるな…
飲まなくちゃできない仕事なのか

飲まなくちゃ生きれない人生なのか


少し話したあと
彼を、初めてのキャスの場所になってる
六本木に送って行く

今までいたお店を一足先に辞めて独立した人とのキャスらしい
セラピスト同士って交流がないように思ってたけど
仕事をしていくうえでは繋がってるんだな

「あー、腰いてえ」車の中で彼が言う
本当に辛そうだったから鎮痛剤をあげた

さすがにお酒では飲ませられないから
車を停めて水を買いに行った

「ねぇ、なんでcotoはそんなに俺に優しいの…」
「腰が痛いのに買いに行くの大変でしょ」
「いっつも優しい。俺はcotoが大好きだ!」

こんなやりとりも私は覚えてる
車の中での何でもない会話も
私には宝物だった

でもね、彼は女風セラピスト

私にとって特別な時間も空間も
彼にとっては日常の1コマ


新しい選択をしたときの彼にとって
私は特別な存在だったって信じていたい私がいる


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